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「ナタリー、そんなに泣くな。キレイな瞳が蕩けてしまうぞ」
うるさい。おまえのせいで泣いてるんだ。おまえがいなくなれば万事解決するんだよ!さっきから何回言えばわかるんだ!バカだから理解できないの!?言葉の意味、わかんないの!?
顔を腕で覆って見えないように泣き続ける私の腕にチュッとする浮気王子。なんなの。王子ってなにしても許されんの?こんなことスマートにできちゃう俺カッコいい!とか思ってんの?確かに見た目はドストライクだよ。カッコいいよ。どんな筋肉なのかも見たいよ。くそっ!今すぐひん剥いて確認したいのにぃ!
「ナタリー、俺は浮気なんてしていない」
いいえ、してます。いや、これからするのかな?でもあんなに怒鳴ってたよね、私に。好きなんでしょ、あの女が。まだ手は出してないって言いたいのかな。
「ミアは、モンデール伯爵の落とし胤で、今年貴族になったばかりだろう?モンデール伯爵からも同い年だからよろしく頼むと言われて、」
いいじゃん。よろしくやりなよ。ずーっと面倒見てやりなよ。あんたの妻にしてやりなよ。好きなんだから。
「でも、俺にはナタリーがいるのに、軽々しくミアなどと呼んだりして…すまない。レオン君、などと呼ばれて今までそんなことなかったから、本来なら不敬なのに、なんだか浮かれてしまっていたようで」
浮かれてろよ。ずっと浮かれてればいいじゃん。浮気者同士お似合いだよ。あの女、小説の中でもあちこちの男に「御礼です、ミャハ☆」みたいなノリでキスしまくってたからね。直接的な描写はなかったけど、やってる男もいるんじゃない?ヒロインちゃんだからそれはないのかな?私は関係ないことだし、どうでもいいけど。あれ?もし仮に処女じゃなくても王家に嫁ぐことってできるのかな?ほら、早く!あんたのものにしちゃいなよ!
「…ナタリー。聞いてるか?」
聞いてるかだと?おまえが勝手にしゃべってんだろ、私に聞くことを強要すんな!
「ナタリー。俺にはナタリーしかいない。他の女はいらない。だから俺と結婚してくれ」
「イヤです」
「ナタリー、そんなこと言わないでくれ!」
「…王命に逆らえばお父様に御迷惑がかかります。わたくしは、殿下と結婚すればよろしいのですね、わかりました。どうぞお好きに。結婚式はしないとダメですか?わたくしはなるべくやりたくありません。貴族ですから政略結婚なんて当たり前ですし…っ」
浮気王子は私を自分の胸に引き寄せると、「どうしたら、俺のことを信じてくれる?」と呟いた。
「ナタリー、俺は、ミアと…モンデール伯爵令嬢と、何もしていない。カラダに触れたりもしてないし、もちろん口づけもしていない。彼女に対して、なんの感情もない、俺が愛してるのは、おまえだけなんだ、ナタリー!」
答えない私に痺れをきらしたのか、「だったらカラダに教え込んでやる」と言うと、私を抱き上げベッドに横たえ、そのまま覆い被さった。
「殿下!?やめ、やめて、やめてください…っ!!」
「レオン様だ!」
抵抗する私の両手をひとまとめに拘束すると、噛みつくように口づけ、もう一方の手で私のドレスを引き裂いた。
「いやっ、やだ!」
「いいか、ナタリー、おまえは俺のものだ。誰にも文句は言わせない。今から、おまえが孕むまで中に子種を注ぎ続ける。絶対に逃がさない。覚悟しろ」
「殿下、」
「殿下じゃない、レオン様と呼べと何回言えばわかるんだ?…あぁ、なるほど。キツくお仕置きされたいんだな。可愛いな、ナタリー」
ギラギラと冷酷に光る三白眼は、見惚れるほどにカッコ良かった。中身がバカでも。ドストライクなんだもん。しかし。そんな喜んでる状況じゃないよね、これ。
うるさい。おまえのせいで泣いてるんだ。おまえがいなくなれば万事解決するんだよ!さっきから何回言えばわかるんだ!バカだから理解できないの!?言葉の意味、わかんないの!?
顔を腕で覆って見えないように泣き続ける私の腕にチュッとする浮気王子。なんなの。王子ってなにしても許されんの?こんなことスマートにできちゃう俺カッコいい!とか思ってんの?確かに見た目はドストライクだよ。カッコいいよ。どんな筋肉なのかも見たいよ。くそっ!今すぐひん剥いて確認したいのにぃ!
「ナタリー、俺は浮気なんてしていない」
いいえ、してます。いや、これからするのかな?でもあんなに怒鳴ってたよね、私に。好きなんでしょ、あの女が。まだ手は出してないって言いたいのかな。
「ミアは、モンデール伯爵の落とし胤で、今年貴族になったばかりだろう?モンデール伯爵からも同い年だからよろしく頼むと言われて、」
いいじゃん。よろしくやりなよ。ずーっと面倒見てやりなよ。あんたの妻にしてやりなよ。好きなんだから。
「でも、俺にはナタリーがいるのに、軽々しくミアなどと呼んだりして…すまない。レオン君、などと呼ばれて今までそんなことなかったから、本来なら不敬なのに、なんだか浮かれてしまっていたようで」
浮かれてろよ。ずっと浮かれてればいいじゃん。浮気者同士お似合いだよ。あの女、小説の中でもあちこちの男に「御礼です、ミャハ☆」みたいなノリでキスしまくってたからね。直接的な描写はなかったけど、やってる男もいるんじゃない?ヒロインちゃんだからそれはないのかな?私は関係ないことだし、どうでもいいけど。あれ?もし仮に処女じゃなくても王家に嫁ぐことってできるのかな?ほら、早く!あんたのものにしちゃいなよ!
「…ナタリー。聞いてるか?」
聞いてるかだと?おまえが勝手にしゃべってんだろ、私に聞くことを強要すんな!
「ナタリー。俺にはナタリーしかいない。他の女はいらない。だから俺と結婚してくれ」
「イヤです」
「ナタリー、そんなこと言わないでくれ!」
「…王命に逆らえばお父様に御迷惑がかかります。わたくしは、殿下と結婚すればよろしいのですね、わかりました。どうぞお好きに。結婚式はしないとダメですか?わたくしはなるべくやりたくありません。貴族ですから政略結婚なんて当たり前ですし…っ」
浮気王子は私を自分の胸に引き寄せると、「どうしたら、俺のことを信じてくれる?」と呟いた。
「ナタリー、俺は、ミアと…モンデール伯爵令嬢と、何もしていない。カラダに触れたりもしてないし、もちろん口づけもしていない。彼女に対して、なんの感情もない、俺が愛してるのは、おまえだけなんだ、ナタリー!」
答えない私に痺れをきらしたのか、「だったらカラダに教え込んでやる」と言うと、私を抱き上げベッドに横たえ、そのまま覆い被さった。
「殿下!?やめ、やめて、やめてください…っ!!」
「レオン様だ!」
抵抗する私の両手をひとまとめに拘束すると、噛みつくように口づけ、もう一方の手で私のドレスを引き裂いた。
「いやっ、やだ!」
「いいか、ナタリー、おまえは俺のものだ。誰にも文句は言わせない。今から、おまえが孕むまで中に子種を注ぎ続ける。絶対に逃がさない。覚悟しろ」
「殿下、」
「殿下じゃない、レオン様と呼べと何回言えばわかるんだ?…あぁ、なるほど。キツくお仕置きされたいんだな。可愛いな、ナタリー」
ギラギラと冷酷に光る三白眼は、見惚れるほどにカッコ良かった。中身がバカでも。ドストライクなんだもん。しかし。そんな喜んでる状況じゃないよね、これ。
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