星を抱くひと
ギルド【アルカ】に所属する青年、セレンのもとへ、一人の使役妖精が配属された。
白金色の髪と灰色の瞳を持つ妖精、ナナセ。
しかし、セレンは使役妖精を必要としていなかった。
「俺、使役妖精なんていらないんだけど」
そう告げられても、ナナセは傷ついた様子を見せない。
「必要ないことは、聞いています」
「じゃあ、なんで来たの?」
「命令なので」
ただ命じられたから、ここにいる。
そんなナナセに、セレンは一つの変わった命令をする。
「何もしなくていい」
それまで誰かに仕えることだけを求められてきたナナセにとって、それは今まで知らなかった「自由」だった。
けれど、何もしなくていい日々は、思っていたほど簡単なものではなかった。
命令されないこと。
必要とされないこと。
誰かのそばにいること。
少しずつ変わっていく日常の中で、ナナセはこれまで知らなかった感情を覚えていく。
一方、セレンもまた、淡々としていたはずの妖精が自分のそばで見せる小さな変化に気づき始める。
ただの主人と使役妖精。
そうだったはずの二人の関係は、いつしか少しずつ形を変えていく。
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