国のために好きな恋人と別れて大嫌いな皇太子殿下と結婚〜殿下が浮気して妹が妊娠? 殿下は土下座する!

ぱんだ

文字の大きさ
27 / 44

第27話

しおりを挟む
仲の良い同僚達はすっかり気落ちして心が晴れてないようなことを口にする。

「俺達が一緒にいればレオナルドが怪我をしなかった」
「確かに……」
「共に行動してればな」

居心地のいい仲間達と飲み愉快でたまらなかった。その帰りに襲われ波乱に見舞われる。だからといって当たり前だが仲間達のせいではない。

暗殺者もレオナルド令息が仲間と離れて一人きりになるのを息をひそめて狙っていたのだから。

「なにも気にするな。こんなかすり傷くらいで」

しかし全員の沈んだ顔つきを見れば責任を感じていることは痛いほど理解できたので、正直に言うとまだ少し傷は痛むがレオナルド令息は微笑んで余裕を見せた。

友人達もその笑顔を見ると安心して救われた気分になり、みんながほぼ同時に嬉しさに動かされて顔の筋肉を柔らげる。

この前の暗殺者は姿を見せて正面から向き合い正攻法での勝負だった。

だが暗殺者という立場から油断している時に、闇討ちをかけてきたり寝込みを襲うなど思いもよらないところから攻撃を仕掛けてくるかもしれない。

「悪いな」
「このくらい大したことはない」
「なあ?」
「そうだな。何も問題ない。逆にいい運動になる」

レオナルド令息の身を案じた馴れ親しんだ同僚達は帰りを数人で連れ添ってくれる。申し訳ない気持ちもあったが、それ以上に仲間達の優しさが嬉しかった。

今日も二人が同行してくれた。その帰り道の途中レオナルド令息はあることが頭をよぎりハッと気づかされて足を止める。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

なにひとつ、まちがっていない。

いぬい たすく
恋愛
若くして王となるレジナルドは従妹でもある公爵令嬢エレノーラとの婚約を解消した。 それにかわる恋人との結婚に胸を躍らせる彼には見えなかった。 ――なにもかもを間違えた。 そう後悔する自分の将来の姿が。 Q この世界の、この国の技術レベルってどのくらい?政治体制はどんな感じなの? A 作者もそこまで考えていません。  どうぞ頭のネジを二三本緩めてからお読みください。

幼馴染み同士で婚約した私達は、何があっても結婚すると思っていた。

喜楽直人
恋愛
領地が隣の田舎貴族同士で爵位も釣り合うからと親が決めた婚約者レオン。 学園を卒業したら幼馴染みでもある彼と結婚するのだとローラは素直に受け入れていた。 しかし、ふたりで王都の学園に通うようになったある日、『王都に居られるのは学生の間だけだ。その間だけでも、お互い自由に、世界を広げておくべきだと思う』と距離を置かれてしまう。 挙句、学園内のパーティの席で、彼の隣にはローラではない令嬢が立ち、エスコートをする始末。 パーティの度に次々とエスコートする令嬢を替え、浮名を流すようになっていく婚約者に、ローラはひとり胸を痛める。 そうしてついに恐れていた事態が起きた。 レオンは、いつも同じ令嬢を連れて歩くようになったのだ。

【完結】精神的に弱い幼馴染を優先する婚約者を捨てたら、彼の兄と結婚することになりました

当麻リコ
恋愛
侯爵令嬢アメリアの婚約者であるミュスカーは、幼馴染みであるリリィばかりを優先する。 リリィは繊細だから僕が支えてあげないといけないのだと、誇らしそうに。 結婚を間近に控え、アメリアは不安だった。 指輪選びや衣装決めにはじまり、結婚に関する大事な話し合いの全てにおいて、ミュスカーはリリィの呼び出しに応じて行ってしまう。 そんな彼を見続けて、とうとうアメリアは彼との結婚生活を諦めた。 けれど正式に婚約の解消を求めてミュスカーの父親に相談すると、少し時間をくれと言って保留にされてしまう。 仕方なく保留を承知した一ヵ月後、国外視察で家を空けていたミュスカーの兄、アーロンが帰ってきてアメリアにこう告げた。 「必ず幸せにすると約束する。どうか俺と結婚して欲しい」 ずっと好きで、けれど他に好きな女性がいるからと諦めていたアーロンからの告白に、アメリアは戸惑いながらも頷くことしか出来なかった。

気づいたときには遅かったんだ。

水瀬瑠奈
恋愛
 「大好き」が永遠だと、なぜ信じていたのだろう。

始まりはよくある婚約破棄のように

喜楽直人
恋愛
「ミリア・ファネス公爵令嬢! 婚約者として10年も長きに渡り傍にいたが、もう我慢ならない! 父上に何度も相談した。母上からも考え直せと言われた。しかし、僕はもう決めたんだ。ミリア、キミとの婚約は今日で終わりだ!」 学園の卒業パーティで、第二王子がその婚約者の名前を呼んで叫び、周囲は固唾を呑んでその成り行きを見守った。 ポンコツ王子から一方的な溺愛を受ける真面目令嬢が涙目になりながらも立ち向い、けれども少しずつ絆されていくお話。 第一章「婚約者編」 第二章「お見合い編(過去)」 第三章「結婚編」 第四章「出産・育児編」 第五章「ミリアの知らないオレファンの過去編」連載開始

婚約者の幼馴染って、つまりは赤の他人でしょう?そんなにその人が大切なら、自分のお金で養えよ。貴方との婚約、破棄してあげるから、他

猿喰 森繁
恋愛
完結した短編まとめました。 大体1万文字以内なので、空いた時間に気楽に読んでもらえると嬉しいです。

処理中です...