【完結保証】あれだけ愚図と罵ったんですから、私がいなくても大丈夫ですよね? 『元』婚約者様?

りーふぃあ

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ミリネア様の逆鱗4

「……っ!?」

 がくがくと足を震わせるマリー。
 そんな彼女から視線を外し、ミリネア様はマリーの従者に声をかける。

「この子を連れて帰りなさい。それからこの店には二度と近づかないように」
「「わ、わかりましたああああっ!」」

 公爵令嬢であるミリネア様の威厳に耐えかねたように、従者たちは呆然とするマリーを抱えて店から去っていった。

「ま、こんなところね」

 ぱんぱんと手のほこりを払いながらミリネア様が言う。

「お見事でした、ミリネア様」

 そう言って労う店主にミリネア様が申し訳なさそうに言う。

「悪かったわね、こんなことのためにあなたのドレスを汚させてしまって」
「あのお客様には迷惑していたので構いません。それに……こうなることを見越して、ミリネア様はドレスを安物の生地で作るよう言ってくださいましたし」

 店主の言葉に私は驚いた。

 なんとさっきマリーに渡したドレスはきちんとした材料で作られたものではなかったそうだ。

 ……どうりで見たときに違和感があったわけだ。
 直前で見た私のドレスとマリーに渡されたものでは、生地の光沢や厚みが違い過ぎた。
 それが違和感になっていたんだろう。

「……それでも、あなたの職人としての技術を無駄遣いさせてしまったことに変わりはないわ」
「それでは今度、新作ドレスのアイデアを一緒に考えていただけませんか? ミリネア様のセンスはずば抜けていますし、それでチャラということで」
「ふふ、わかったわ。びしっといいものを考えるわね!」

 ミリネア様と店主はそんな感じでやり取りを終える。

 私はミリネア様に尋ねた。

「……あの、ミリネア様。今日のことはいつから考えて?」
「一か月前、マリーの姿を見てからね。あの様子だと一度痛い目に遭わせないと駄目だと思ったから」

 どうやらミリネア様は、マリーがこの店に押しかけてきた瞬間にこの展開を思いついたようだ。

「それに、レイナの話を聞いてから、私もマリーにはお仕置きをしておきたかったわ。彼女は私の友達と、立ち上げからかかわったブランドまで軽んじたのよ。絶対に許せなかったわ」
「ミリネア様……」
「まあ、レイナはこういうやり方は嫌いかもしれないけどね」
「……いえ。ミリネア様の気持ちはとても嬉しかったですし――正直、少し胸がすっとしました」

 性格が悪いことかもしれないけど、私はずっとマリーに仕返しがしたかったのかもしれない。

 そのくらい、ランザスの誕生日パーティーの日に奪われたドレスは私にとって大切なものだったからだ。

「まあ、あれだけやればマリーもしばらくは大人しくなるでしょう。反省するならそれで見逃すわ」

 ミリネア様がそんなことを言う。

「……反省しなかったらどうするんですか?」
「その場合は……もう少しきついお仕置きをすることになるわね」

 ふふふ、と不敵に笑うミリネア様。

 本当に敵に回すとおそろしい人だ……
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