わたしにはもうこの子がいるので、いまさら愛してもらわなくても結構です。

ふまさ

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「お前の言うとおり、私がお前の慰謝料を肩代わりしなければならない。だが、その金はむろん、少しずつでも返済してもらうぞ」

「……えと。なぜ、鉱山なのですか。鉱山で、なにをするのですか」

「年齢制限も、資格も、なにも必要もなく、かつ慢性的な人手不足で、前金と高い給金が手に入るからだ。仕事内容はまあ、ざっくりいえば、山にある鉱石を掘り起こし、運ぶ、だな」

「……く、屈強な男たちが、働く場だと」

「安心しろ。お前より小さな子どもたちも働いている」

「……む、無理です」

 ふるふると弱々しく頭をふり、逃げるハワード。けれどベイル子爵の従者に、呆気なく捕らえられてしまう。

「い、嫌です、父上……ぼく、死んでしまいます……っ」

 泣き喚くハワードに、けれどベイル子爵は容赦はしない。

「リネット嬢の温情がなければ、愚かなお前の行いのせいで、我が一族は没落していたかもしれんのだぞ。その責任の重さ、とくと味わえ」

「リ、リネットと、話をさせてください!」

「リネット嬢は、もう二度と、お前と会うつもりはないそうだ」

「嘘です!」

「いつまでもそうして現実逃避していろ。鉱山から逃げ出したところで、お前が帰る場所など、もはやどこにもないと知れ」

 そうしてハワードは、ファネル伯爵の領地から遠く離れた鉱山へと連れてこられ、身一つで馬車を下ろされた。


 ここまできても、まだハワードは、リネットの愛を盲目的に信じていた。そんなハワードが、現実を思い知るのは、それから六年後のこと。


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