律令国家への道

国家の礎は律令国家である。日本人の先人達はこの律令国家を目指した。
この小説は史実に基づく物語である。
読者の皆さんに国家の成り立ちとしての律令国家について、知って欲しいために執筆しました。どうぞ、最後まで読んで下さい。

　現在の台湾有事のようなことが、当時の倭国と呼ばれた日本と中国•唐との間で実際に戦いがあったのだ。まだ、日本には国家というものがなかった時である。この戦いに負けた日本は国家の礎を作るため律令国家を目指すことになったのである。

当時、日本にとって中国の唐は脅威であった。日本は660年に滅んでいた百済の残党の要請により、唐に戦いを仕掛けたのである。
白村江の戦いである。この戦いは663年10月に朝鮮半島の白村江（現在の錦江河口付近）で起こった、日本・百済遺民連合軍と唐・新羅連合軍との間の国際戦争である。この戦いで日本軍は大敗し、朝鮮半島における日本の影響力は失われたのだ。
　白村江の戦いは、663年8月（天智2年8月）に朝鮮半島の白村江で行われました。百済復興を目指す日本・百済遺民の連合軍と、唐・新羅連合軍が衝突しました。
　660年、唐と新羅の連合軍によって百済が滅亡した。その後、鬼室福信ら百済の遺臣が復興運動を開始し、倭国（日本）に救援を求めたのだ。
　当時の倭国では、斉明天皇のもと中大兄皇子が実権を握っていた。後の天智天皇である。倭国は百済との友好関係を保っており、百済からの文化受容も多かったため、救援要請に応じたのだ。
　663年、日本は水軍を派遣し、白村江で唐・新羅の連合軍と戦った。唐の歴史書「旧唐書」には、倭軍の船400隻が焼かれ、海水が倭兵の血で赤く染まったと記されており、日本軍は壊滅的な打撃を受けた。
　この敗戦により、日本は朝鮮半島における足場を完全に失った。中大兄皇子（後の天智天皇）は、唐・新羅連合軍の日本侵攻を恐れ、防衛体制を強化したのだ。
　白村江の戦いの敗戦後、日本は唐の優れた政治制度を学び、律令国家を目指すようになった。天智天皇は都を近江に遷し、国の守りを固め、強い律令国家の建設を進めたのだ。
　白村江の戦いと並行して、唐は高句麗へ侵攻し、668年に高句麗を滅ぼした。これにより、東アジアで唐に敵対するのは倭国のみとなったのである。