二人の王子と、前世から始まる恋
――目覚めた世界は、かつて前世で読んだ“滅びの物語”だった。
平凡な花売り娘エルナは、家族の借金と母の病を支える日々に追われ、恋など考える余裕もなかった。
だが、ある春の日、市場で出会った金髪の青年レオの無邪気な笑顔に、胸の片隅がほころぶ。
さらに、戦の英雄凱旋の列で出会った黒髪の騎士に──氷のような銀の瞳に射抜かれたとき、エルナの中で何かが弾ける。
その瞬間、前世で愛した小説『終焉の王国と黒い王子』の断片が脳裏を駆け巡った。
冷酷非道と恐れられた“黒い王子”が、唯一執着した少女に逃げられ、国を滅ぼした──。
「私は、あのヒロインじゃない」
──そう信じていたはずなのに、エルナは知らず知らず“物語の外側”から運命に翻弄され始める。
破滅の未来を防ぐため、彼女が下した決断は──「本当のヒロイン」を探し出し、王子と結びつけること。
果たして、花売り娘の小さな一歩が、破滅のシナリオを書き換えることなどできるのか?
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