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【番外編】バスはロマン(亮輔side)
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しおりを挟むあーちゃんに風呂に入るのを今後拒否されるんじゃないかというドキドキが解けた俺は、食後も残りのワインをグイグイ飲んで酔っ払ってしまった。
「もー……りょーくん酔いすぎだよぉ」
「美味かったからついつい進んでさぁ」
アルコールには強い方だけど今日はワインボトル1本足らずで体がほわほわしていて、食器洗いを終えたあーちゃんが俺の隣に座るなり抱きついた。
「コーヒーは淹れないよ?」
「酔ってるもーん。あーちゃんのコーヒー飲めないの寂しいけど分かってるよー」
あーちゃんの淹れる香り高いコーヒーも捨てがたいが、今はこうして抱き締めてあーちゃんの匂いを存分に吸い込む方がいい。
(あー……今日は香水の匂いがするなぁ♡めちゃくちゃ良い匂い♪)
珈琲店に勤めている身として香水は厳禁。だから付けるのは外デートの時だけとなり以前買ったミニボトルの中身がなかなか減らない。
そんな彼女が現時点で醸している甘いフルーツのような香りは今日のシフォンスカートの色味によく合っていて……このまま果実のように丸い膨らみを食べてしまいたくなる。
(甘い果実も良いけど、この香りを石鹸の匂いに変えてやって……その後で……ベッドの上で汗の匂いと混じらせて、溶け合って……)
あーちゃんが俺との風呂の時間を大切にしているという事実が、変態的妄想を働かせネガティブ思考を駆逐してしまって……
数時間後、俺は自分の変態な欲望通りに彼女を石鹸と2人の汗とが混じった香りで全身をまとわせて……
「幸せ♡」
藤井には悪いけど、レアケースでラッキーマンな俺はその権利を存分に利用してやろうとアドレナリンを放出させたのだった。
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