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    ミンミンエビは5階層へ。アナゴは15階層へ放つ事にした。
    魔物が増えただけ。
   
    ただ、17階層から18階層に進む途中のセィフティエリアに、ちょっとした仕掛けを入れて、それを解けばご褒美として、ミスリルのナイフが手に入る。

    あの凶悪なサメをやっつけないとここには来られないから、そんなに数は要らない。

    それにしても…ダンジョンコアは、今までダンジョンマスターになった人はいないと言った。
    只の人族は無理。それは獣人も一緒だと。

   コアルームに 入る為には、資格が必要。
    神様の力…確かに、加護は貰いまくっているから、その力の一部を使う事は出来る。

    海岸ダンジョン、深淵の森ダンジョンならともかく、登山ダンジョンは、加護持ちの人がクリア出来ていてもおかしくはない…獣人さんは身体能力に優れているし、魔族の人は力、魔力共に優れている。ダンジョンマスターになりたくなかったとか?

    それはあり得るかな。あの力が減るのは本当に辛い。最近は慣れてきたけど、初めてあの力を使った時は、辛すぎて二度と使いたくないと思った。

    結局、あれが何なのか、良く分かっていない。検索しようにも、私自身が分かってないし、知りようもないけど。
    
    亜空間に戻ると、フレイムが嬉しそうに机から顔を上げる。
「メイ、これを見て欲しいの」

    魔石を取り付けた、只の杖…ではなさそうだ。

    看破    炎の杖    込めた魔力を炎に変換して打ち出す魔道具

「なるほど…魔法が苦手な人でも、これなら攻撃魔法を使えるて、便利だね」
「火に弱いのは、人も魔物も一緒なの。指向性を持たせる為には杖が便利だし、燃料になる魔石の交換も簡単でいいの」

「そっか…でもこれじゃ、そう回数は使えないかも?」
「それでいいの。これは護身用だから。使う魔力より高い攻撃力になるのは、そうじゃないと魔道具として売れないと思ったからだけど」

    色々考えて作ったのかな…私なら銃の形にするかも。

「これは、商業ギルドに登録して?」
「フレイム…流石に私の作品として登録するのは心苦しいんだけど…フレイム。錬金術師として登録しない?」

「いいの。ボクは冒険者としてメイと一緒に冒険出来ればそれで満足なの」
    背の高いフレイムでも、椅子に座っている今なら頭を撫でられる。冠羽みたいな癖のついた頭を撫でると、フレイムも喜んだ。

    こんなに立派になっちゃったけど、フレイムは私にとっては弟みたいなものだ。ピイピイいってた頃が懐かしい。

「そうだね…どうせだから、改良番をダンジョンの宝箱にも入れてみようかな?」
    護身用というなら、アクセサリーに付与をつけた物もいいな…冒険者を増やす事は、ダンジョンの運営を容易にする事にも繋がるからね。

「ね?メイ…メイは新しいダンジョンを見つけたら、クリアしてダンジョンマスターになるの?」
「別に、それを目的にするつもりはないけど、ダンジョン攻略は楽しいし、色々発見があるから楽しいって思うよ?」

「楽しいのが一番だと思うけど、ボク達眷属は、メイに置いていかれたくないの…」
「え?ダンジョンにはみんな一緒に潜ってるじゃん?」

「そうじゃないの…でも、ボク達は、メイと一緒にいられるように、努力するの」
「もう…置いていかれないように努力しているのは、私も一緒だよ?それじゃなくても年齢で、冒険者としては一人前になれてないんだから」
    その辺の魔物に負けたりしない自信はあっても、護衛依頼だけは受けられないんだから。

    もふもふ魔物の誘惑にも負けないようにしないとね。

    
    夜になり、みんな戻ってきた。
「王都に行って来たにゃ。大きな湖の話を聞いて、行ってみたくなったにゃ」
「…それってアレスの湖の事?王都の西にある、観光地の」
「多分それにゃ?名前は忘れたけど、にゃーを連れて行きたいって言われたにゃ」

「それ、男の人に?」
「でも、にゃーは行くならメイ達と行きたいにゃ!綺麗な景色を見てもメイがいないとつまんないにゃ」
    あぁ…御愁傷様。シュガーは見かけ綺麗なお姉さんだけど、私より年下で、まだまだお子様だからね。

「シュガーに声をかけるなら、カシオブツがないとな」
「いや、そこは注意すべきだろう。知らない人に付いて行ってはいけないと」
「行かなかったにゃ!学校でもそう教わったにゃ!」

    やっぱりシュガーの頭の中は小学生レベルだね。
    その湖の事は授業でも習ったけど、シュガーは覚えてないだろうな…

    初代国王の名を冠したその湖は、遊覧船に乗る事も出来るし、ボート遊びも出来る。
    暑い日々が続く中、それを目当てに涼みに行く人も多いだろう。

「なら明日、行ってみる?」
「俺はもっとエルド殿に教えを乞いたい所だが、人の多い所は危険も多いだろう」
「主は我が守るから、ランスは本体の所に行っても問題ないぞ?」
「アロカシアはメイを抱っこして歩きたいだけだろう?」
「だが、我の腕の中が一番安全だ」
「子供を抱っこするのは父親の役目だ」

「はいはい、二人共いい加減にしてね!私だっていつまでも小さい子供じゃないんだから、抱っこも必要ないの!」

「だが、メイの身長では人ごみでは埋もれてしまう!」
「パスが繋がっているんだから、迷いようがないでしょう?もう二人共、抱っこ禁止!」

    こら、この世の終わりみたいな顔しないの!身長だってずいぶん伸びたし、私だっていつまでも子供扱いは嫌なんだから。

「あ、主が反抗期に…」
    は?前世の記憶持ってる私が反抗期って…あり得なくはないのか…でも、私の気持ちも分かって欲しいよね!
   7歳の子供でも、 Bランク冒険者でもあるし、保護者がいないと何も出来ない子供じゃないんだから!


    
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