偽りの恋に縋った私たちへ
平民の出ながらも剣の才に恵まれ、若くして戦地へと赴いた騎士カイ・ヴァルトリエ。
彼の背には、貴族社会で戦うための後ろ盾――辺境伯令嬢レティシア・アルヴェーンとの政略的な婚約があった。
だが、戦場で命を救ってくれた少女ノエリアに「恋」を見出したカイは、帰還と同時にレティシアとの婚約を破棄する。
「俺は……彼女を、愛してしまった」
すべてを捧げた婚約者からの言葉に、レティシアは微笑んで身を引く。
誇り高き貴族令嬢として、感情を胸に封じたまま――。
そして始まった新たな日々の中で、ノエリアは気づく。
「私が欲しかったのは、彼の“愛”じゃなかったのかもしれない」と。
カイもまた、「本当に守るべきものは何だったのか」を知るのは、あまりにも遅すぎた。
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誤字脱字があります。