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第2章

第138話 インカネーション・タイプ

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ダンジョン都市ドルトミアの始まりのダンジョン……。

およそ2000年前に魔族が作りしダンジョン。未だ最終階層に到達したもの
はおらず、到達階層は180層となっている。

極私的絶対王国(マイキングダム)で確認すると最終階層は223層、そのは
るか下層に隠し部屋が存在しているが、そこへつながる階段はない。

現在、120層。

ルーミエとユウキの走るペースに会わせて、突き進む。ダンジョン内の迷路を
間違うことなく進むことができるのはチートのおかげだ。

3回の休憩を挟み、到達階層は180層。さすがにこの階層までくると出会う
冒険者はいない。
しんと静まりかえるダンジョン。どんな敵であっても俺たちの相手にはならな
い。出会う敵全てに強力な圧縮火炎球(フレア)でなぎ払い、残党を4人で倒
していくという単純明快な作業を繰り返していく。

189層フロアボス部屋前。

手つかずのダンジョンを最短で走り抜け、ルート近くの宝は全て回収してい
く。ダンジョンを管理するものにとってこれほどイヤな冒険者はいないだろ
う。

扉を開けて進むと極私的絶対王国(マイキングダム)で確認していたとおり、
10人のパーティがこちらに向かって歩いてくる。

冒険者なのか……?いや違うな。

「カラル、あれは?」

「あら、ここに来てようやく受肉(インカネーション)型の人型の登場よ」

「もしかして元冒険者なの?」

「ええ、これを見てしまうと、冒険者はどん引きよね……」

死んで教会に戻れるのであれば、冒険者をつづけることができるが、捕らわれ
て永遠に使役させられてしまうことを目の当たりにすると、これほど恐ろしい
ことはない。

「肉体の耐久性や純粋な力強さが、モンスターと比べるとどうしても劣るから
人族や獣人族や竜人族はまだ捉えたことがないのだけれど……。アキト様、彼
らはそれほどに強い個体なのかしら?」

分析能力で見ると、全員のレベルは700前後だ。
「そうだな、これまで出会った冒険者の中では一番強いかも」

対する俺たちは、カラルは6666。封印を解いてからというものレベルに変
化が見られない。上限に達しているのかもしれない。そして俺は5539。ル
ーミエとユウキは900近くにまで上がってきてる。個体性能では負ける要素
はなさそうだが、油断は禁物だ。
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