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31 甘やかされたい※
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セルジュの抱き方は、ロイクの独りよがりで無理やり快楽を与えていく抱き方でも、アルバンの激しい運動と絡み合いみたいな抱き方でもなく、ただひたすらに俺を蕩かすことに特化した抱き方だった。
「ファビアン様、どの辺りが好きですか?」
「ふあ……っ! あ、も、……んぅっ」
「ここですね」
「あっあっ……んはあっ、溶けちゃう……っ」
三十路超えしているからか、セルジュはなかなか達しなかった。時間をかけて身体の芯から解されていくのは初めてで、愛され感が半端ない。
若者特有の激しさはなかったけど、ゆっくり長く俺の中を擦っては、俺が物足りなさそうな部分を察して構ってくれた。
「んん……っ、セルジュ、何も考えられないよ……」
「うん、それでいいですよ」
頭を撫でられながら揺さぶられ、チュ、と頬に無精髭の口づけが触れる。ゾクゾクとした多幸感に包まれながら、俺はもう何度目かになる白濁を二人の腹の間に吐き出した。
なにこれ、こんなのあるんだ。
未知との遭遇に、俺は心底驚いていた。三十路すげえ。
身体が離れると俺が寂しがるのが分かるみたいで、すぐにぎゅっとしてくれる。セルジュの無精髭が内腿に当たって擽ったくてつい笑うと、他の場所も擽って俺から嬌声を引き出した。
身体の隅から隅まで愛されて、湯船に浮いているみたいな心地よさを覚えながら頑張って瞼を開く。
「眠い……」
俺の懸命の努力は、セルジュの瞼への口づけのせいで無駄になった。
「寝て下さい」
セルジュの低い声は、落ち着く。
「寂しいからヤダ……」
「では挿れたままにしますので、ご安心を」
ぐり、とセルジュの雄が奥まで入り込み、俺は小さく笑った。
「んふ……むにゃ」
アルバンと二度目の別れを経験した俺が寂しくならないように、セルジュはとことん俺を甘やかしてくれた。中も外も蕩けさせられたまま、セルジュの分厚い腕の中で朝を迎える。
「おはようございます、ファビアン様」
俺が目を覚ますと同時に、セルジュが目を開けた。こいつちゃんと寝たのかな? 昨夜はやっぱり俺が喪失感に泣く度に俺の脳みそが溶けるまでイかせてくれたから、あんまり寝てないんじゃないかな。
茶色い無精髭が伸びたセルジュの頬を撫で回すと、セルジュが擽ったそうに目を細める。
「今日は久しぶりの休暇ですが、何かされたいことはございますか?」
「……セルジュに甘えたい」
「では、早速」
「えっや、待っ……!」
セルジュは即座に布団の中に潜っていくと、へにゃっている俺の雄を口に含んだ。早いってば!
「あっんっ」
後孔もグチュグチュと弄られて俺が甘い声を出すと、セルジュの手の動きが激しくなる。前線で朝からこんなことしてていいのかな。
「ん……っにしても、何で俺って男にばっかりにモテるんだろうなー?」
股の間で今度は玉とか会陰とかをじゅぶじゅぶ音を立てながら吸っているセルジュの頭を鷲掴みして、引っ張り上げる。
顔を赤くしてほんのり汗を掻いているセルジュが、俺に逆らわずに出てくると胸と胸を合わせた。……セルジュ、こう見るとかなり格好いいよな。
「ファビアン様はお強いのですが、時折思わず守りたくなるような儚さを見せる瞬間があるのです」
「儚さ? 俺に? うっそだー」
「嘘ではありません。現にこうして亡き妻に操を立てていた私が捕えられているのですから」
「う……」
キッパリと言い切られ、俺は目を逸らした。くそ真面目な奴の本気ってすごい。本当に俺に空いた穴を埋めにかかってる。
これまでは生真面目で亡き妻に一途な男だしって思っていただけだった。だけど、見れば見るほど精悍な顔立ちだし、騎士団長なだけあって滅茶苦茶強いからちょっとやそっとじゃ死ぬ心配はしなくていいし、……思った以上にエロいし。
何より、俺に優しい。セルジュは、俺が寂しいと思う隙を与えないから。
俺の薄紫にも見える銀髪を指で梳きながら、セルジュは茶色い目を愛おしそうに細める。……やっぱり、かなり好かれてる気がする。だって、普段表情を変えないセルジュが、昨夜からすごく色んな表情を見せてくれているから。
「ファビアン様の一番近くにいるのが私で幸運だった。そう思っています」
「セルジュ……」
俺もセルジュを真似て、セルジュの普段は後ろにぴちっと結ばれて垂れ下がってこない茶色の前髪を掻き上げてみる。思っていたよりもゴワゴワじゃなくて、何だかセルジュの心の中みたいだな、なんて思った。
見た目は固そうなのに、実はってところがそっくりだから。
「……お前は絶対死んじゃ駄目だぞ」
「肝に銘じます」
セルジュは幸せそうに笑った後、俺に熱い杭を何度も何度も打ち込んだのだった。
「ファビアン様、どの辺りが好きですか?」
「ふあ……っ! あ、も、……んぅっ」
「ここですね」
「あっあっ……んはあっ、溶けちゃう……っ」
三十路超えしているからか、セルジュはなかなか達しなかった。時間をかけて身体の芯から解されていくのは初めてで、愛され感が半端ない。
若者特有の激しさはなかったけど、ゆっくり長く俺の中を擦っては、俺が物足りなさそうな部分を察して構ってくれた。
「んん……っ、セルジュ、何も考えられないよ……」
「うん、それでいいですよ」
頭を撫でられながら揺さぶられ、チュ、と頬に無精髭の口づけが触れる。ゾクゾクとした多幸感に包まれながら、俺はもう何度目かになる白濁を二人の腹の間に吐き出した。
なにこれ、こんなのあるんだ。
未知との遭遇に、俺は心底驚いていた。三十路すげえ。
身体が離れると俺が寂しがるのが分かるみたいで、すぐにぎゅっとしてくれる。セルジュの無精髭が内腿に当たって擽ったくてつい笑うと、他の場所も擽って俺から嬌声を引き出した。
身体の隅から隅まで愛されて、湯船に浮いているみたいな心地よさを覚えながら頑張って瞼を開く。
「眠い……」
俺の懸命の努力は、セルジュの瞼への口づけのせいで無駄になった。
「寝て下さい」
セルジュの低い声は、落ち着く。
「寂しいからヤダ……」
「では挿れたままにしますので、ご安心を」
ぐり、とセルジュの雄が奥まで入り込み、俺は小さく笑った。
「んふ……むにゃ」
アルバンと二度目の別れを経験した俺が寂しくならないように、セルジュはとことん俺を甘やかしてくれた。中も外も蕩けさせられたまま、セルジュの分厚い腕の中で朝を迎える。
「おはようございます、ファビアン様」
俺が目を覚ますと同時に、セルジュが目を開けた。こいつちゃんと寝たのかな? 昨夜はやっぱり俺が喪失感に泣く度に俺の脳みそが溶けるまでイかせてくれたから、あんまり寝てないんじゃないかな。
茶色い無精髭が伸びたセルジュの頬を撫で回すと、セルジュが擽ったそうに目を細める。
「今日は久しぶりの休暇ですが、何かされたいことはございますか?」
「……セルジュに甘えたい」
「では、早速」
「えっや、待っ……!」
セルジュは即座に布団の中に潜っていくと、へにゃっている俺の雄を口に含んだ。早いってば!
「あっんっ」
後孔もグチュグチュと弄られて俺が甘い声を出すと、セルジュの手の動きが激しくなる。前線で朝からこんなことしてていいのかな。
「ん……っにしても、何で俺って男にばっかりにモテるんだろうなー?」
股の間で今度は玉とか会陰とかをじゅぶじゅぶ音を立てながら吸っているセルジュの頭を鷲掴みして、引っ張り上げる。
顔を赤くしてほんのり汗を掻いているセルジュが、俺に逆らわずに出てくると胸と胸を合わせた。……セルジュ、こう見るとかなり格好いいよな。
「ファビアン様はお強いのですが、時折思わず守りたくなるような儚さを見せる瞬間があるのです」
「儚さ? 俺に? うっそだー」
「嘘ではありません。現にこうして亡き妻に操を立てていた私が捕えられているのですから」
「う……」
キッパリと言い切られ、俺は目を逸らした。くそ真面目な奴の本気ってすごい。本当に俺に空いた穴を埋めにかかってる。
これまでは生真面目で亡き妻に一途な男だしって思っていただけだった。だけど、見れば見るほど精悍な顔立ちだし、騎士団長なだけあって滅茶苦茶強いからちょっとやそっとじゃ死ぬ心配はしなくていいし、……思った以上にエロいし。
何より、俺に優しい。セルジュは、俺が寂しいと思う隙を与えないから。
俺の薄紫にも見える銀髪を指で梳きながら、セルジュは茶色い目を愛おしそうに細める。……やっぱり、かなり好かれてる気がする。だって、普段表情を変えないセルジュが、昨夜からすごく色んな表情を見せてくれているから。
「ファビアン様の一番近くにいるのが私で幸運だった。そう思っています」
「セルジュ……」
俺もセルジュを真似て、セルジュの普段は後ろにぴちっと結ばれて垂れ下がってこない茶色の前髪を掻き上げてみる。思っていたよりもゴワゴワじゃなくて、何だかセルジュの心の中みたいだな、なんて思った。
見た目は固そうなのに、実はってところがそっくりだから。
「……お前は絶対死んじゃ駄目だぞ」
「肝に銘じます」
セルジュは幸せそうに笑った後、俺に熱い杭を何度も何度も打ち込んだのだった。
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