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15 感情という生命現象に魘される
しおりを挟む「リーナ嬢!おはようございます」
「…おはよう御座います、レイン・ヘルさん」
…この挨拶のやり取りいつまで経ってもなれないわ……
全く……どうして私に関わろうとするのかしら…私自らルゼ様を引いたというのに……
これだけ、もう惚れない、恋をしないと言って動いているのに何故…神様は放っておいてくれないのかしら…
…ああ、私は助けてくれた神様になにをいっているのかしら…
(大丈夫…大丈夫…私は人を傷つける行動はとっていないわ…)
不安がよぎる
「顔色がよろしくないようですが大丈夫ですか、リーナ嬢?」
っ、、
分かっているくせに!!!!!
「・・・。」
____この、望んでもいないルゼ様達との関わりをよく思っていない人間にこんなにも反感を食らっていたとは、当時の私は気が付かなかった。
──────────────
「きゃあ痛い!!!!」
っ!?
音楽コンサートの小道具準備中、突然近くから声がした。
「えっ?」
びっくりして後ろを振り返ると、涙目で私を指差す………
…リアラが居たのだ
「お姉様…こんなところで私に暴力を振るわなくてもいいじゃない……!うう…」
「…?」
周りを見ると…
たくさんの視線……
「リーナ様がまさか義妹を虐めるだなんて……!!」
「なんてことをするのかしら!!」
「私も見ていたわ!リアラ様がかわいそう!!」
私は…『何もしていない』わよね……??
過去、ミレイにしたことを思い出して過呼吸になる…
(どうしよう、誰も…味方がいない……)
そんな気がしてどんどん苦しくなる…
私はなんて弱いのだろう……
このまま、私はまた、監獄行きとなるのかしら……?
「何をしているのですか!」
突然目の前から声が聞こえた。
「…え?」
「なぜ、何もしていない貴方が苦しまなければならないのですか!!!君達は一体何をしている!!雑な演技で私の婚約者候補を蹴落とそうとでもしているのですか!なんて醜いのです!!」
「る、ルゼ…様?」
彼が、
ルゼ様が私を助けてくれたのだ……
「なんで…わた…わたし……」
「私は見ていました。貴方のことを……!!!貴方は、何もしていなかった!」
ここの世界の私は貴方に恋をしていなかった…
なのに
「なんで……」
あのときと同じ言葉が溢れ出て来てしまうのは…
『なんで!!!!』
やっぱり…
私は…
ルゼ様の事が…
「好きだから………」
───────────────
私はずっと感情に縛られている…
この感情はいつになったら消せるのかしら…
好きという気持ちを消すのは…一度恋という病にかかった私には難しい……
__巻き戻れたのに、
_____もう、ルゼ様本人に関わっていなかったのに………
「何故、私に恋をさせるの?」
「…如何しましたか?リーナお嬢様」
帰りの馬車の中で無意識に声が出ていた私は、御者のエレンさんに声をかけられた。
「なんでもないわ………ごめんなさい」
心配をかけて申し訳ないという気持ちで、謝ってしまう…。
あのあとリアラは近くにいた教師に話をしに他の場所へ行ってしまった。
ああ……
帰りたくない
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