もう惚れたりしないから

夢川渡

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22 関係性

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「リーナちゃん!!!!!」

「なぁに、メア?」


この流れにも慣れた。




「なんで驚かないの?!」

「いや驚かすつもりだったの?!」
唐突な謎ツッコミにツッコんでしまう。




「リーナちゃん、一昨日はごめんね…」
「え?」
「助けてあげられなかった…1人で、辛かったでしょ?」




(…ルゼ様に助けられたこと、言うべきなのかしら…
心配させちゃうし、言うべきよね…うん)




「ルゼ・ノワール様に助けてもらったの」
「っ?!」



…なんか、すごくショックを受けたような顔をしたメア



「ど、どうしたの?」
「いや…少しびっくりして……まさか…ノワールが……」



(よ、呼び捨て?)



「呼び捨ては…良くないわよ…?」
「あ、ああごめんね……」





如何したのだろう…前回の人生ではメアとルゼ様はまったく関わっていなかった…けど…。




……前回の私はルゼ様以外の人を見ることをしていなかった。

でも、今は違う


「ルゼ様…と、何かあるの?」

「あ、えっ、と……」




──カーン



「じ、授業始まっちゃうからいこ!!」
「え…?あ、ええ…行きましょう」

まあ、言いたくないこともあるわよね
知らないふりをしましょう。



─────────────



教室に入ると、一昨日の出来事が気まずいのか、あまり挨拶をされることはなかった。
ある意味、ぼっちは1番の死ぬことの回避の近道だ。

(いい意味のぼっちになれれば…だけれど…)




今日のお昼はどうしましょう…




呑気にそんなことを考えていた___



──────────────

__カーン


「リーナお姉様!!」

「わっ、リアラ…どうしたの?」

「えっと…一緒にお昼…食べないかしら…?」




周りを見ると、私というよりリアラを引いてみている人が多かった。



(まあ、ルゼ様に注意をされるウエスト家の養子…ですもの…こうなるわよね…)





「いいわよ。食べましょう」




望まないぼっちほど辛いものはない。それを知っている私はすぐさまOKをした。


今朝のことが本当なら、きっと、大丈夫。




この時だけはそう信じて食堂へと向かった。
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