その幸せ(偽物の)欲しいなら差し上げます。私は本当の幸せを掴むので

 とある国の古都で道具屋を営む"アリーナ"は、三十歳を迎えていた。子供は居ないものの、夫と二人仲睦まじく暮らしていたのだがーー

「ごめんなさいアリーナ。私、あなたの旦那との赤ちゃんが出来たみたいなの」

 幼馴染のミレナから告げられた最悪の宣告。夫を亡くしたばかりのミレナは、悲しみのあまりアリーナの夫が慰める甘い言葉にのぼせて関係を持ったという。

「すまないアリーナ。僕はミレナと一緒になるから、君はこの家を出てくれないか?」

 夫と幼馴染が関係を持っただけではなく、自分の父から継いだ店を取られ家を追い出されるアリーナ。

 それから一年後、木工職人としてフィギュアなどを作って生計を立てていたアリーナの元へ来訪者が現れる。

「私はあの時拾って貰った子犬だ。アリーナーー君を幸せにするため迎えにきた」

 なんと、現れたのは子供の頃に拾った子犬だという。その実、その子犬はフェンリルの幼生体だった。

 アリーナを迎えに来たフェンリルは、誰もが見惚れるような姿をした青年。そんな青年は、国を作り王として君臨していた。

 一夜にして王国の妃候補となったアリーナは、本当の幸せを掴むため大海へと漕ぎ出していくーー

※なろう、カクヨムでも投稿中。
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