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にじゅうに

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 披露宴の料理もみんなで平らげて、来た日に森で狩った猪肉も残り少なくなった。

 時刻も夕方過ぎになり。

「じゃっ、エロフと犬に話しておくから私は魔王城に帰るわ。ユバ、サローナ結婚おめでとう! 最高の夜を過ごしてね!」

「ふふっ、2人とも今晩はハッスルするのね! 羨ましいわ!」 

 エマ様とドラーゴ様は私たちを見てニヤニヤしすぎ! いやもう1人いたわ。ユバ、あなたも嬉しそうね。

「サローナ、片付けは俺の家族たちに任せて、俺たちは寝室に行こう!」

 ユバは私の手を握った。ラトナは残って片付けの手伝いをするらしく、ドラーゴ様と一緒にいらようだ。

「へぇ、嫌がっていた割にはドーラゴ様とラトナ、知らないうちに仲良くなったな」

「そうね、仲良さそうね。……あの、ユバ。まだ、するには早くない?」

「ん? するって……ははっ、サローナやる気満々だなぁ! 俺は寝室で、お茶をしようと思っていたんだけどな……」

「あっ、ずるい。あんな言い方をしたら……そうだと、思ってしまうわ」

「クックク、真っ赤になって可愛い、俺の嫁!」

 ほんと嬉しそう。私も嬉しいユバを愛してる、ユバの子供をたくさん産みたい。







 お茶の準備してくるから先に部屋にいてと、ユバはキッチンに消えていった。私は2人の部屋に行き彼が来るまで、持ってきた閨の教本を読んでいた。

 その私の後ろに忍び寄る影。

「サローナ、お互い初めてだけど俺に全て任せておけよ、優しくするからさ」

「はい、お願いします」

「……うっ……余り可愛い顔を見せるな、すぐにでも襲いたくなる」

 いれ立てのお茶をテーブルに置くと、私に近付き唇を奪った。ユバ、好き。私の好きが大きすぎて鼓動が早い。

「お茶を飲もうか、ついでに軽く摘めるサンドイッチを作ってきた……サローナ、ここでの生活は驚くことばかりだと思う。何かあったらすぐに俺に言え、俺を頼れ」

「たくさん、ユバを頼りますね」

 ユバは頷き、紅茶を一口飲んだ後、言いにくそうに口を開いた。

「明日、会うと思うけど――エロフには絶対に近付くな。アイツは男も女もいける……いや、この世とものならなんでもいける変態だ。うちの住民を何人か連れて行こうとしたからな! あのドーラゴ様も逃げるほどの、ど変態だ」

 住人の可愛い猫ちゃん達を狙い、あのドーラゴ様までが逃げる、何でもいけるど変態⁉︎

 ――そこまで言われると、見てみたい気もするけど。

「あ、だったら。ユバも気をつけてね。カッコいいから」

「お、おう」

 照れた、ユバが可愛い。







 その夜。

 私は寝室のお風呂に入り、ユバは別の部屋の風呂へと向かった。私はラトナと今晩の準備をしていた。

「ラトナ、緊張するわ」

「でしたら……サローナお嬢様、私と逃げますか?」

「逃げ?」

髪を洗ってくれるラトナを見ると、彼女は微笑み。

「嘘です。お嬢様はユバ様に全て、お任せすればいいよです」

「それは分かってる。ねぇラトナ、私の体、綺麗?」

「何処もかしこも、サローナお嬢様は綺麗です」

「ありがとう、ラトナ。あなたもドーラゴ様のこと気になり出したの?」

 その問いに、ラトナはそうとう驚いてらしく、その場に尻餅をついた。

「ラトナ、大丈夫?」

「は、はい……少々驚きました。ドーラゴ様のことは嫌いではありませんよ。まだ、ドーラゴ様と手を繋ぎたいな、と思うほどの気持ちです」

「まぁ、ラトナからそんな言葉が出るなんて。そこから少しずつ恋心を育てなさい。あなたにもここで幸せになって欲しいもの」

「ありがとうございます、お嬢様」

「ふふっ、ラトナと恋の話ができるなんて嬉しいわ、たくさん話をしましょう」

 お風呂から上がり、持ってきたネグリジェを着た。今夜……ユバに全てを見せると思うと緊張した。ラトナは準備が終わると「失礼します」と自分の部屋へと帰っていった。

 1人――寝室にユバが来るのを待っていた。カチャッと扉が開きガウン姿のユバが現れた。ベッドの淵に座る私を見て目を細めた。

「サローナ……綺麗だ」

 キスから始まり、ベッドに寝かされて――。

 その晩、私はユバと結ばれた。……のだが、寝室から声が上がった。

「ちょっ、ちょっと待って! ユバ、は、初めてなんだから、もっと手加減してよ!」

「嫌だ、サローナにもっと触れたい」

 ユバの見た目は猫族だけど、中身は狼だった。私だって、好きだから応えたいけど、初めてで何回も無理よ……。

「……ダメか?」

「うっ、……こ、これで最後だからね」

「サローナ!」

 その言葉が仇となり……止まらなくなったユバ。番の証を身体中に付けた。
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