32 / 36
番外編
初夜 15
しおりを挟むクラウディアはひとしきり泣いて涙で濡れてしまった顔を、すぐ近くに乱雑に置いてあったベッドシーツを手繰り寄せて拭いた。
思いもよらないジークフリートの真摯な言葉に、今まで悔恨に苦しんでいたクラウディアを癒し、心につかえていたものがスッと軽くなるのを感じた。
まだ潤んでいるクラウディアの瞳の端に、ジークフリートが唇を落としていく。
「ジーク…、ありがとうございますっ…」
長きに渡る苦しみから解き放たれたクラウディアは、花が綻ぶような笑顔をジークフリートに見せた。
「っ」
心の底から嬉しそうに微笑むクラウディアを目の当たりにし、ジークフリートはクラウディアの頭を手で引き寄せ些か性急に唇を重ねる。
「んっ…」
深く重なった唇に舌先が当たり、僅かに開いていた隙間から侵入し、クラウディアの舌を絡めとるように舐めていく。
「ふ、ぁっ……、んっ」
クラウディアもジークフリートの首に抱きつき、いつになく積極的に舌を絡めていく。
「んっ!…ん、……はぁ…」
先程からずっとお預けを食らっていたジークフリートの男根が主張するように固く膣内で脈打っている。
唇が離され激しく息を乱しながら呼吸を整えるため、大きく息を吸いこんだ。
ジークフリートはその様子を愛しげに眺めている。
「もっと笑え、クラウディア。そなたの笑みは私の全てを満たしてくれる」
「……満たす、とは?」
ジークフリートの表情が見た事もないほど柔らかく、クラウディアの心臓がドクンと跳ねる。
「ぁ…」
「わからないか?私の心をここまで乱すのも、そして満たすのも…そなたしかおらん」
威圧感のある鋭い瞳が愛しさに溢れ、女性達を虜にする精悍な顔に深い笑みを刻んでいる。
「ジー…ク…」
自分が大好きな物を貰った時のオースティンのようなひどく眩しい笑顔に、クラウディアの頬が赤く染まり心拍数が更に速くなる。
「そろそろ続きが欲しいのだが…」
ジークフリートはまだ繋がった状態のままクラウディアの臀部を両手で持ち上げ、催促するかのように下からゆっくりと突き上げていく。
「あっ!」
「動けそうか?」
まだ勢いの衰えていないジークフリートの男根が主張するように固く反り立ちクラウディアの膣内を上下する。
「や、…あ」
膣内を擦られる感覚に耐えるように、ジークフリートの首に掴まりながら、再び訪れた快楽に甘い声を漏らしている。
「クラウディア」
「ん…ぁ…、…て下さい…」
ゆっくりと膣内を行き来する男根を締め付け、子宮の奥が疼くようなもどかしい刺激に焦れ、身体を捩らせる。
「なんだ?もっとはっきり話せ」
ジークフリートの首に掴まり、すぐ近くの耳元に顔を寄せ恥じらいながら囁いた。
「私は、ジークに…動いてもらう方が…好きなんです。…ですから、もっと…動いて…下さい…」
言葉に出して言ってしまった恥ずかしさを誤魔化すように、ぎゅっとジークフリートの首にしがみついた。
「──はっ、…そなたは、実に私を焚きつけるのが上手い」
しがみついていたクラウディアの鎖骨に唇を落とし、キツく吸い上げ痕を刻む。
「ッ…」
ぴりっとした痺れを伴う感覚にクラウディアの身体が跳ねる。
ジークフリートは顔を下げながら唇を落とし更に痕を刻んでいく。
クラウディアの乳房まで辿り着くと、その中心で存在を主張している薔薇色の尖端を口に含んだ。
「あッ!」
チュッと吸われるとビリビリと子宮を直接刺激するような鋭い快楽を感じ、舌先で舐められると今度は痺れるような甘い愉悦が広がり悲鳴に似た喘ぎが口から漏れてくる。
「ひっ、ん、……あぁっ!」
*****************************
いつも読んで頂き、ありがとうございます!!ご多忙の中、応援して頂き嬉しさが止まりません(;_;)
あと1話か2話ほどで完結予定です。引き続きよろしくお願い致します!
4
あなたにおすすめの小説
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
妻を蔑ろにしていた結果。
下菊みこと
恋愛
愚かな夫が自業自得で後悔するだけ。妻は結果に満足しています。
主人公は愛人を囲っていた。愛人曰く妻は彼女に嫌がらせをしているらしい。そんな性悪な妻が、屋敷の最上階から身投げしようとしていると報告されて急いで妻のもとへ行く。
小説家になろう様でも投稿しています。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
過去1ヶ月以内にノーチェの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、ノーチェのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にノーチェの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、ノーチェのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。