虐げられた第八王女は冷酷公爵に愛される

ウリ坊

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番外編

初夜 15

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 クラウディアはひとしきり泣いて涙で濡れてしまった顔を、すぐ近くに乱雑に置いてあったベッドシーツを手繰り寄せて拭いた。

 思いもよらないジークフリートの真摯な言葉に、今まで悔恨に苦しんでいたクラウディアを癒し、心につかえていたものがスッと軽くなるのを感じた。

 まだ潤んでいるクラウディアの瞳の端に、ジークフリートが唇を落としていく。
 
「ジーク…、ありがとうございますっ…」

 長きに渡る苦しみから解き放たれたクラウディアは、花が綻ぶような笑顔をジークフリートに見せた。

「っ」

 心の底から嬉しそうに微笑むクラウディアを目の当たりにし、ジークフリートはクラウディアの頭を手で引き寄せ些か性急に唇を重ねる。

「んっ…」

 深く重なった唇に舌先が当たり、僅かに開いていた隙間から侵入し、クラウディアの舌を絡めとるように舐めていく。

「ふ、ぁっ……、んっ」

 クラウディアもジークフリートの首に抱きつき、いつになく積極的に舌を絡めていく。

「んっ!…ん、……はぁ…」

 先程からずっとお預けを食らっていたジークフリートの男根が主張するように固く膣内で脈打っている。

 唇が離され激しく息を乱しながら呼吸を整えるため、大きく息を吸いこんだ。
 ジークフリートはその様子を愛しげに眺めている。

「もっと笑え、クラウディア。そなたの笑みは私の全てを満たしてくれる」

「……満たす、とは?」

 ジークフリートの表情が見た事もないほど柔らかく、クラウディアの心臓がドクンと跳ねる。

「ぁ…」

「わからないか?私の心をここまで乱すのも、そして満たすのも…そなたしかおらん」

 威圧感のある鋭い瞳が愛しさに溢れ、女性達を虜にする精悍な顔に深い笑みを刻んでいる。

「ジー…ク…」

 自分が大好きな物を貰った時のオースティンのようなひどく眩しい笑顔に、クラウディアの頬が赤く染まり心拍数が更に速くなる。

「そろそろ続きが欲しいのだが…」
 
 ジークフリートはまだ繋がった状態のままクラウディアの臀部を両手で持ち上げ、催促するかのように下からゆっくりと突き上げていく。

「あっ!」

「動けそうか?」

 まだ勢いの衰えていないジークフリートの男根が主張するように固く反り立ちクラウディアの膣内を上下する。
 
「や、…あ」

 膣内を擦られる感覚に耐えるように、ジークフリートの首に掴まりながら、再び訪れた快楽に甘い声を漏らしている。

「クラウディア」
 
「ん…ぁ…、…て下さい…」

 ゆっくりと膣内を行き来する男根を締め付け、子宮の奥が疼くようなもどかしい刺激に焦れ、身体を捩らせる。

「なんだ?もっとはっきり話せ」

 ジークフリートの首に掴まり、すぐ近くの耳元に顔を寄せ恥じらいながら囁いた。

「私は、ジークに…動いてもらう方が…好きなんです。…ですから、もっと…動いて…下さい…」

 言葉に出して言ってしまった恥ずかしさを誤魔化すように、ぎゅっとジークフリートの首にしがみついた。

「──はっ、…そなたは、実に私を焚きつけるのが上手い」

 しがみついていたクラウディアの鎖骨に唇を落とし、キツく吸い上げ痕を刻む。

「ッ…」

 ぴりっとした痺れを伴う感覚にクラウディアの身体が跳ねる。
 ジークフリートは顔を下げながら唇を落とし更に痕を刻んでいく。
 
 クラウディアの乳房まで辿り着くと、その中心で存在を主張している薔薇色の尖端を口に含んだ。

「あッ!」

 チュッと吸われるとビリビリと子宮を直接刺激するような鋭い快楽を感じ、舌先で舐められると今度は痺れるような甘い愉悦が広がり悲鳴に似た喘ぎが口から漏れてくる。

「ひっ、ん、……あぁっ!」












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 いつも読んで頂き、ありがとうございます!!ご多忙の中、応援して頂き嬉しさが止まりません(;_;)
 あと1話か2話ほどで完結予定です。引き続きよろしくお願い致します!
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