RALLY!!
鷹尾透は神童だった。十三歳の彼は、全国のバドミントンコートに立ち、年上で体格にも勝る選手たちを相手に互角に渡り合った。世間は彼を「奇跡の子」と呼んだ——重傷を負い、傷が始めた破壊にとどめを刺すようにトラウマがすべてを奪い去るまでは。文字通り、一夜のうちに。
それから三年。透はバドミントンとは一切の関わりを拒絶して高校に入学する。部活も、ラケットも、思い出させるものも、何ひとついらない。かつて彼の名を背負っていた世界は、とっくに彼なしで回り続けていた。
ただひとり、置き去りのまま動けずにいるのは茜だけ——幼なじみであり、隣人であり、彼がもう一度自分の道を見つけることを、一度だって諦めずに願い続けてきた、静かな定点。けれど、恐怖が深く埋めたものを、願う力だけで癒すことはできない。
まだ覚えているコーチ、無視しようのない才能を放つ小学六年生の少女、そしてたったひとつの、口に出せなかった願いの重さ——それらすべてが揃ったとき、透は自分がずっと心の奥で知っていたことに否応なく直面する。
どれだけ深く掘って埋めようと、決して埋もれてはくれないものがある。
もしも——まだ、できるとしたら。
これは、自分を壊したものへと再び向き合うスポーツドラマ。そして、前に進むことを可能にしてくれる人々の物語。
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ただひとり、置き去りのまま動けずにいるのは茜だけ——幼なじみであり、隣人であり、彼がもう一度自分の道を見つけることを、一度だって諦めずに願い続けてきた、静かな定点。けれど、恐怖が深く埋めたものを、願う力だけで癒すことはできない。
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