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1話
しおりを挟む「マーガレット・ルイス! お前との婚約は破棄させてもらうっ!」
「はぁ……?」
私の婚約者である侯爵家のクリス・マーシャルは唐突に婚約破棄を突きつけていきた。
傍らには見たことのない女性を連れている。
私は唐突なクリスの婚約破棄に眉を顰める。
現在は学園の貴族が出席するパーティーの真っ最中。
それにも関わらずに、クリスは人目をはばからず私へと婚約破棄を突きつけていた。
「……なぜでしょうか?」
「俺は真実の愛に目覚めたんだ!」
クリスはそう叫ぶと、頼んでもいないのに隣にいる女性を紹介し始めた。
「彼女の名前はユーティ・ルテイン。男爵家の娘だが、お前より聡明で、なにより綺麗だ」
クリスが言葉に私への侮辱を加えながら、ユーティと呼ばれた女性を紹介した。
ユーティという女性はいかにも男が好みそうな体型、顔をしていた。
あえて例えるなら、いわゆる『愛人』といった雰囲気の女性だった。
ユーティは私からクリスを奪えて優越感を感じているのか、伯爵家である私より下位の男爵家なのに私へまるで見下すような視線を向けてくる。
私として、全くクリスとの婚約を解消しても良かった。
もともと政略的な婚約だ。
それなのにこんな馬鹿をしでかす婚約者なんて、政治的なメリットなど放り出して今すぐにでも婚約破棄するべきだ。
しかし、私は婚約者として最後に。
善意の気持ちからクリスへと忠告をすることにした。
「クリス様、その方とはお付き合いなさらないほうが宜しいかと思います」
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