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ようやく幸せになれそうです
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私はミレイユ・モニク・マルセル。マルセル公爵家の長女です。私は所謂『神の愛し子』と呼ばれる位の高い聖女として生まれました。私には双子の妹がいました。次女のマノン・ルシール・マルセルです。
私が生まれたため、マルセル公爵家には神の加護が与えられました。そのため大人達は私達のどちらかが神の愛し子だと思い、見極めることにしたそうです。
成長し、それを知った妹は自分こそが神の愛し子だと嘯きました。私は私こそが神の愛し子だと主張しましたが、妹は私からの『虐め』を偽装工作し、こんなことをする人が神の愛し子であるはずがないと言いました。私はその日から公爵家で腫れ物扱いされ、妹だけが可愛がられるようになりました。
妹は更に、私に毎日死なない程度の毒を盛りました。その結果私の肉体は酷い見た目に…。醜くなった私は益々公爵家での居場所をなくして、全ては妹の思い通りになりました。
そんな現状を神は嘆き、私を天に召し上げました。それにミレイさんという少女が巻き込まれてしまったのです。
私は神に、空になった私の身体にミレイさんの魂を繋ぎ止めて欲しいと願いました。そして、ミレイさんは私の身体を使い生きることとなったのです。
ミレイさんはいつも一生懸命で優しく、あの冷血野郎ですらミレイさんに惚れ込んでしまったようです。なにが君とは将来国を共に支え合っていく同士よ、バーカ。中身が違えば惚れるんじゃない…。ミレイさんは、自力で見た目を元に戻し、両親の洗脳も解き、妹以外の家族と仲直りまでしてしまいます。私じゃ出来なかったことを軽々とこなしていくミレイさん。
そして、可愛い妹がその毒牙をミレイさんに向けても、ミレイさんは妹を許してくれました。それどころか、呪詛返しを喰らった妹を元の姿に戻してくれました。そのおかげで、妹と私は仲直りでき、妹はミレイさんとも仲直りしたようです。
「…はぁ」
「…どうした?ミレイユ」
「うわ、旦那様(・・・)!いきなり話しかけて来ないでください!びっくりした!」
そう。旦那様。神の愛し子として召し上げられた私は、一柱の神に熱烈な求婚を受け、それを受け入れたのです。
「ふうむなるほど。自分じゃ解決できなかった家族との不和をミレイが軽々と解決し、自分じゃ振り向かせられなかった婚約者をミレイが軽々と惚れさせたのに嫉妬してしまうと」
「心を読まないでください!」
「そして、そんな己の内面を醜く思ってしまうと」
「やめてくれないと泣きますよ!」
「はっはっはっ!そんなに心配しなくとも、嫉妬など誰でもするさ」
「うー…」
「ミレイユ」
優しく抱き寄せられる。
「そんな顔せずとも、お前には俺がいるだろう?」
「それは…そうですけど…」
「なにが不満だ?」
「…うー」
「確かに、家族や婚約者との相性はお前よりミレイの方が良かったようだがな」
「…」
「俺はお前の方が好きだぞ。それでは足りないか?」
「…旦那様」
「愛している。どうか、もう地上のことなど気にせず、目にせず、俺だけを愛しておくれ」
「…結局それを言いたかっただけでは?」
「そうだが、それがどうかしたか?」
「旦那様ったら…もう。…私も、旦那様を愛しておりますわ」
「愛してる、俺の唯一」
「愛してます、私の唯一」
ミレイさんに嫉妬はしてしまいますが…なんだかんだで、私は今幸せです。
私が生まれたため、マルセル公爵家には神の加護が与えられました。そのため大人達は私達のどちらかが神の愛し子だと思い、見極めることにしたそうです。
成長し、それを知った妹は自分こそが神の愛し子だと嘯きました。私は私こそが神の愛し子だと主張しましたが、妹は私からの『虐め』を偽装工作し、こんなことをする人が神の愛し子であるはずがないと言いました。私はその日から公爵家で腫れ物扱いされ、妹だけが可愛がられるようになりました。
妹は更に、私に毎日死なない程度の毒を盛りました。その結果私の肉体は酷い見た目に…。醜くなった私は益々公爵家での居場所をなくして、全ては妹の思い通りになりました。
そんな現状を神は嘆き、私を天に召し上げました。それにミレイさんという少女が巻き込まれてしまったのです。
私は神に、空になった私の身体にミレイさんの魂を繋ぎ止めて欲しいと願いました。そして、ミレイさんは私の身体を使い生きることとなったのです。
ミレイさんはいつも一生懸命で優しく、あの冷血野郎ですらミレイさんに惚れ込んでしまったようです。なにが君とは将来国を共に支え合っていく同士よ、バーカ。中身が違えば惚れるんじゃない…。ミレイさんは、自力で見た目を元に戻し、両親の洗脳も解き、妹以外の家族と仲直りまでしてしまいます。私じゃ出来なかったことを軽々とこなしていくミレイさん。
そして、可愛い妹がその毒牙をミレイさんに向けても、ミレイさんは妹を許してくれました。それどころか、呪詛返しを喰らった妹を元の姿に戻してくれました。そのおかげで、妹と私は仲直りでき、妹はミレイさんとも仲直りしたようです。
「…はぁ」
「…どうした?ミレイユ」
「うわ、旦那様(・・・)!いきなり話しかけて来ないでください!びっくりした!」
そう。旦那様。神の愛し子として召し上げられた私は、一柱の神に熱烈な求婚を受け、それを受け入れたのです。
「ふうむなるほど。自分じゃ解決できなかった家族との不和をミレイが軽々と解決し、自分じゃ振り向かせられなかった婚約者をミレイが軽々と惚れさせたのに嫉妬してしまうと」
「心を読まないでください!」
「そして、そんな己の内面を醜く思ってしまうと」
「やめてくれないと泣きますよ!」
「はっはっはっ!そんなに心配しなくとも、嫉妬など誰でもするさ」
「うー…」
「ミレイユ」
優しく抱き寄せられる。
「そんな顔せずとも、お前には俺がいるだろう?」
「それは…そうですけど…」
「なにが不満だ?」
「…うー」
「確かに、家族や婚約者との相性はお前よりミレイの方が良かったようだがな」
「…」
「俺はお前の方が好きだぞ。それでは足りないか?」
「…旦那様」
「愛している。どうか、もう地上のことなど気にせず、目にせず、俺だけを愛しておくれ」
「…結局それを言いたかっただけでは?」
「そうだが、それがどうかしたか?」
「旦那様ったら…もう。…私も、旦那様を愛しておりますわ」
「愛してる、俺の唯一」
「愛してます、私の唯一」
ミレイさんに嫉妬はしてしまいますが…なんだかんだで、私は今幸せです。
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