おれのおかん

 大学卒業を半年後に控えた時、「おかん」が背中や腰の痛みを訴えだした。女手ひとつで育ててくれた「おかん」の体には、長年の疲れが溜まっているのだろうと考えた「おれ」は、その体をマッサージする。親孝行しているという自己満足に浸りながら。
 だが、その時にはもう、おかんの体は病に冒されていた。
 病と闘うおかん。そんな「おかん」を見ていると、「闘って」いない自分を「おれ」は自覚する。幼い頃から「おかん」に甘え、一生懸命とは無縁の生活を送ってきた「おれ」は、適当に生きてきた自分を痛感し、後悔する。
「おれ」は、理由あって高校時代から断念していた野球を再開する。「おれ」なりに、闘う決心をする。
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