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「俺」は勉強もスポーツも全くダメ。チビで不細工。それにひきかえ、二歳下の弟は「俺」と全てにおいて正反対。
「俺」は常にまわりに弟と比べられ、次第に非行に走り、少年院に入る。
出所するも、両親に見捨てられたと思った「俺」は、高校を中退し、家を出る。
そして八年、風俗の呼び込みをしているところをヤクザにスカウトされ、ヒットマンとなる。「俺」はとにかく、大きなことをして、ビッグになりたかったのだ。
標的は、不動産会社経営の老人だった。身寄りもなく、誰も信じず、金儲けだけが生きがいのような孤独な男だった。
死んだところで誰も悲しむ者などいないだろう。それに相手は老人。簡単な仕事に思えた。
しかし、「俺」が犯行に及ぼうとする度、なぜか邪魔が入るのだった。
文字数 31,006
最終更新日 2024.06.01
登録日 2024.05.24
大学卒業を半年後に控えた時、「おかん」が背中や腰の痛みを訴えだした。女手ひとつで育ててくれた「おかん」の体には、長年の疲れが溜まっているのだろうと考えた「おれ」は、その体をマッサージする。親孝行しているという自己満足に浸りながら。
だが、その時にはもう、おかんの体は病に冒されていた。
病と闘うおかん。そんな「おかん」を見ていると、「闘って」いない自分を「おれ」は自覚する。幼い頃から「おかん」に甘え、一生懸命とは無縁の生活を送ってきた「おれ」は、適当に生きてきた自分を痛感し、後悔する。
「おれ」は、理由あって高校時代から断念していた野球を再開する。「おれ」なりに、闘う決心をする。
文字数 61,114
最終更新日 2024.06.01
登録日 2024.05.16
江戸。
喜介は盲目の介錯人。元々は武士として、江戸城の番方を務めていた。同時に剣術道場の師範代を務めるほどの剣の実力の持ち主だった。
ある日、賊が自宅に押し入り、妻と娘が殺害される。喜介も両目を負傷し、盲目となる。
突如妻子を失い、視力を失くした喜介は、絶望の淵に沈むが、死ぬ気力も起きない廃人のような状態に陥った。
そんな喜介に、幕府は介錯人になることを命じる。喜介は迷った末にその話を受ける。喜介には、ある思惑があったのだ。
文字数 16,296
最終更新日 2024.05.16
登録日 2024.05.16
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