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64話
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私は教員長の言葉を聞き、やはり処分の話かと確信を持ち、話を続きを待った。
その様子を見た教員長は、アリアをチラ見してから、話を続けた。
「まずガイ君は明日付で学園を退学、更にガイ君の保護者には厳重注意。
そして、フロービス嬢に良からぬ噂が流れないように、退学理由の公表を行う」
私は教員長の話を聞き、ここでこの話をしたのは、この為かと理解した。
退学理由の公表が行われた場合、アリアの幼馴染は実家ごと詰む。
なにせ貴族に楯突いた商会となんて、取り引きがある訳が無い。
しかも、この傾向は平民の方が強い。
おそらく、貴族に見向きもされない商会と関わって、目を付けられたくないという事だろう。
私個人にしてみれば、この処分で問題ない。
しかし、アリアを保護している手前、このまま処分されるのは不味い。
なので、私はアリアの幼馴染が調子に乗らないように言葉を選びつつ、処分の変更を願い出た。
「なるほど、処分の内容は理解しました。しかし、私に楯突いたにしては処分が軽く感じますね」
「学園内の無礼での処分なら妥当かと思うがね。
フロービス嬢は、どのような処分をお望みかな?」
「その男は家族毎、フロービス伯爵領の兵士とします。商会の方は商会員もろとも、私の商会に吸収するのはどうでしょう」
「な、何を言って、ぶっ!!」
アリアの幼馴染の男が、私に反論しようとした瞬間、男の親だろう人間が殴って黙らせた。
そして、即座に地面に頭を付け、「お見苦しいものをお見せしてしまい、申し訳ありません」と言ってみせた。
それを見て、親の方は分かっているなと判断して、話しかけた。
「お前の息子は納得していないようだけど、お前はどうだ?」
「はい、光栄にございます」
アリアの幼馴染はまだ叫びそうな顔をしていたが、親に睨まれて黙らされていた。
その様子を見ていた、教員長は笑みを浮かべながら、話をまとめた。
「ふむ、では先程の処分に今の条件を追加、という事でいいかな、フロービス嬢」
「ええ、その男の処分に関しては問題ありません。
しかし、そちらの教員の方は?」
私は話が終わりそうな今も話に入って来ず、未だにガクガクと震えている教員を不審に思い、話を振った。
そんな私に、教員長が貴族の狸や狐共がよく浮かべている胡散臭い笑みを浮かべて答えた。
「ああ、彼の事か。確かにまだ教員だが、どうやら不正をしていた様でね。彼は今日付で退職になり、これから取り調べだ。
一応関係者だったから、同席させただけが、何かあるか?」
「いえ、特にありません。お話が以上でしたら、そこの二人に話をしたいと考えているので、退席してもよろしいでしょうか?」
「ああ、構わない。ただガイ君と保護者には、まだ話があるから詳しい話は明日すると良い」
「承知しました。それでは本日は失礼いたします」
私は頭を下げてから、フィーナとアリアを連れて、教員室から退室した。
その様子を見た教員長は、アリアをチラ見してから、話を続けた。
「まずガイ君は明日付で学園を退学、更にガイ君の保護者には厳重注意。
そして、フロービス嬢に良からぬ噂が流れないように、退学理由の公表を行う」
私は教員長の話を聞き、ここでこの話をしたのは、この為かと理解した。
退学理由の公表が行われた場合、アリアの幼馴染は実家ごと詰む。
なにせ貴族に楯突いた商会となんて、取り引きがある訳が無い。
しかも、この傾向は平民の方が強い。
おそらく、貴族に見向きもされない商会と関わって、目を付けられたくないという事だろう。
私個人にしてみれば、この処分で問題ない。
しかし、アリアを保護している手前、このまま処分されるのは不味い。
なので、私はアリアの幼馴染が調子に乗らないように言葉を選びつつ、処分の変更を願い出た。
「なるほど、処分の内容は理解しました。しかし、私に楯突いたにしては処分が軽く感じますね」
「学園内の無礼での処分なら妥当かと思うがね。
フロービス嬢は、どのような処分をお望みかな?」
「その男は家族毎、フロービス伯爵領の兵士とします。商会の方は商会員もろとも、私の商会に吸収するのはどうでしょう」
「な、何を言って、ぶっ!!」
アリアの幼馴染の男が、私に反論しようとした瞬間、男の親だろう人間が殴って黙らせた。
そして、即座に地面に頭を付け、「お見苦しいものをお見せしてしまい、申し訳ありません」と言ってみせた。
それを見て、親の方は分かっているなと判断して、話しかけた。
「お前の息子は納得していないようだけど、お前はどうだ?」
「はい、光栄にございます」
アリアの幼馴染はまだ叫びそうな顔をしていたが、親に睨まれて黙らされていた。
その様子を見ていた、教員長は笑みを浮かべながら、話をまとめた。
「ふむ、では先程の処分に今の条件を追加、という事でいいかな、フロービス嬢」
「ええ、その男の処分に関しては問題ありません。
しかし、そちらの教員の方は?」
私は話が終わりそうな今も話に入って来ず、未だにガクガクと震えている教員を不審に思い、話を振った。
そんな私に、教員長が貴族の狸や狐共がよく浮かべている胡散臭い笑みを浮かべて答えた。
「ああ、彼の事か。確かにまだ教員だが、どうやら不正をしていた様でね。彼は今日付で退職になり、これから取り調べだ。
一応関係者だったから、同席させただけが、何かあるか?」
「いえ、特にありません。お話が以上でしたら、そこの二人に話をしたいと考えているので、退席してもよろしいでしょうか?」
「ああ、構わない。ただガイ君と保護者には、まだ話があるから詳しい話は明日すると良い」
「承知しました。それでは本日は失礼いたします」
私は頭を下げてから、フィーナとアリアを連れて、教員室から退室した。
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