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3章前半 『エンドシート学園』編
101話
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「いいえ、それは違いますよ」
私は声を聞いて誰か分かり、嫌味を言わずには居られなかった。
「これはこれは、私とフィーナをいきなり森に放置した挙げ句、それが終われば今度は説明もなく学園に放り込み、今の今まで私達に顔を見せなかった、ミュールフィスさん。
これまで、何処に居たの?」
私がミューを睨まつけながら言うと、ミューは素直に頭を下げた。
「すみません、あまり時間が無かったものですから、少し無茶をして頂く必要があったのです。
ですが、かなりの無茶をして頂いた為、なんとか間に合いました」
「間に合う?何に?」
「封印の限界に、です」
封印という言葉を聞いて、すぐに思い付くものが1つあったので、それなのかとミューに聞いてみた。
「封印?もしかして、あの魔獣の巣にあった扉の事?」
私がそう聞くと、ミューは小さく首を横に振って答えた。
「近いですが、違いますね。あれはもしもの時の為に作られた侵入用の非常扉の1つです」
私は侵入用の非常扉と聞いて、いやな予感が浮かんだが、今はそれを置いておいてフィーナに聞いた。
「あの扉が侵入用の非常扉って知った?」
フィーナは首を横に振った。
その反応を見つつ、私は顔を顰めた。
考えないようにしていたが、フィーナすら知らない侵入用の非常扉の存在を、今ミューが言ったということは、今から侵入用の扉に行くのでは?
そして、ミューは次に私の予想通りの言葉を言った。
「もう本当に時間がありませんから、今からこの城にある侵入用の本扉から、奴の元まで行き、息の根を止めねばなりません」
私がミューの言葉に顔を顰めていると、フィーナがミューに言った。
「その前に、城の中にいる黒い何かを対処するのが先です。対処法は、まだ分かりませんが、ローニャ様に止めて頂いている間に解明させます。
なのて、扉に行くとしても、それが終わってからです」
フィーナがそう言うと、ミューは首を横に振った。
「それは不可能です。あの黒いものは、発生源をたたかなけれは消えません。仮に、発生源を叩かなくともなんとか出来たとしても、それでは私が保たないでしょう」
私とフィーナはミューの言葉に首をかしげた。
ミューが言った『保たない』という意味が分からなかったからだ。
一体何が保たないと言うのか。
私とフィーナがそう疑問に思っている間に、ミューはあの女から何かを受け取り、腰を90度に曲げて私達に頭を下げた。
「もう私達には時間も、機会も、力も殆どありません。これが最初で、最後のチャンスなのです。お願いします」
私は声を聞いて誰か分かり、嫌味を言わずには居られなかった。
「これはこれは、私とフィーナをいきなり森に放置した挙げ句、それが終われば今度は説明もなく学園に放り込み、今の今まで私達に顔を見せなかった、ミュールフィスさん。
これまで、何処に居たの?」
私がミューを睨まつけながら言うと、ミューは素直に頭を下げた。
「すみません、あまり時間が無かったものですから、少し無茶をして頂く必要があったのです。
ですが、かなりの無茶をして頂いた為、なんとか間に合いました」
「間に合う?何に?」
「封印の限界に、です」
封印という言葉を聞いて、すぐに思い付くものが1つあったので、それなのかとミューに聞いてみた。
「封印?もしかして、あの魔獣の巣にあった扉の事?」
私がそう聞くと、ミューは小さく首を横に振って答えた。
「近いですが、違いますね。あれはもしもの時の為に作られた侵入用の非常扉の1つです」
私は侵入用の非常扉と聞いて、いやな予感が浮かんだが、今はそれを置いておいてフィーナに聞いた。
「あの扉が侵入用の非常扉って知った?」
フィーナは首を横に振った。
その反応を見つつ、私は顔を顰めた。
考えないようにしていたが、フィーナすら知らない侵入用の非常扉の存在を、今ミューが言ったということは、今から侵入用の扉に行くのでは?
そして、ミューは次に私の予想通りの言葉を言った。
「もう本当に時間がありませんから、今からこの城にある侵入用の本扉から、奴の元まで行き、息の根を止めねばなりません」
私がミューの言葉に顔を顰めていると、フィーナがミューに言った。
「その前に、城の中にいる黒い何かを対処するのが先です。対処法は、まだ分かりませんが、ローニャ様に止めて頂いている間に解明させます。
なのて、扉に行くとしても、それが終わってからです」
フィーナがそう言うと、ミューは首を横に振った。
「それは不可能です。あの黒いものは、発生源をたたかなけれは消えません。仮に、発生源を叩かなくともなんとか出来たとしても、それでは私が保たないでしょう」
私とフィーナはミューの言葉に首をかしげた。
ミューが言った『保たない』という意味が分からなかったからだ。
一体何が保たないと言うのか。
私とフィーナがそう疑問に思っている間に、ミューはあの女から何かを受け取り、腰を90度に曲げて私達に頭を下げた。
「もう私達には時間も、機会も、力も殆どありません。これが最初で、最後のチャンスなのです。お願いします」
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