戦えない勇者の王国再建 ~元公務員の俺、滅亡国家を立て直したら女王たちの専属宰相になりました~
地方都市の市役所で働く久世直人は、残業帰りに異世界へ召喚された。
同時に召喚された若者たちが《剣聖》《大賢者》《聖女》《竜騎士》という強力な職業を授かる中、直人に与えられた職業は、聞いたこともない《行政官》。
剣も振れない。
魔法も使えない。
治癒術どころか、できることといえば帳簿を読み、住民の苦情を聞き、税金や道路について考えることくらい。
神官たちから外れ勇者と判断され、城から追い出されかけた直人だったが、王宮に積まれた食糧と帳簿の数字が合わないことに気づく。
固有能力《国土解析》を使って王国の人口と食糧備蓄を調べた結果、直人は若き女王リヴィアに告げた。
「陛下。この国は、敵国に攻められる前に滅びます」
王都が飢え始めるまで、あと三十七日。
しかもその直後、王都最大の穀物倉庫から火の手が上がった。
戦闘力ゼロの直人は、剣ではなく帳簿と現地調査を武器に、滅亡寸前の王国を立て直すことになる。
消えた食糧を追い、腐敗した貴族の横領を暴き、戸籍を整え、農地を増やし、街道を造り、魔法を公共事業へ転用する。
ところが、一緒に改革を進める女性たちは、どいつもこいつも癖が強い。
国民の前では凛々しいのに、帳簿を開いて五分で眠る少女女王。
利益には厳しいのに、直人への貸しだけは増やし続ける商人令嬢。
清楚な顔で直人を強制的に休ませようとする聖女。
公共工事となると工房の屋根まで吹き飛ばすエルフの魔導技師。
直人は国を救うために彼女たちを働かせる。
彼女たちは直人を自分の側へ置くため、さらに働く。
「国が安定するまで、恋愛なんてしている場合ではありません」
そう逃げ続ける直人だったが、その言葉を真に受けた美少女たちが国を全力で発展させ始めて――。
戦えない元公務員による、内政知識チートと公共事業と、少し騒がしいハーレム王国再建物語。
剣では一人しか救えない。
制度なら、国ごと救える。
ただし、執務室が美少女だらけになるとは聞いていない。
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