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第1章 最初の街

初めて異世界を実感したよ

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ゆっくりとお店の裏側に回り誰も見ていない事を確認する。
本当ならバイクで走り去りたいところだが確実に音でバレる。なので徒歩で移動を開始する。

取り敢えず4人組とは別の方向に向かいたいと思って反対方向に歩く。念の為地図は出しっぱなしにしておき500メートルの縮尺に固定する

少しずつお店が見えなくなっていき、方向性を確かめるために地図の方角通りに進んでいく。

途中で方向を間違えて元の場所に帰ってきたら目も当てられないからね。

「それにしても、全く異世界感が無いよなぁ」

周りを見渡せば草原、所々には木が生えており遠くには森みたいなものも見える。森の中には何かいるのかな?異世界なんだから魔物が居ても不思議じゃないよね?


まあ平和の国、日本人だから戦えるわけないし、戦いとは無縁の生活だったからね。
どうして異世界なんかに行った奴らはいきなり戦おうなんて思うのだろうか?

確かに命の危険があれば仕方ない事だろうけど自分から嬉々として行こうとは思わないだろう。
その前に俺の『スマホ』に戦う力はない。

あれ?そういえば、確かネットか小説でアイテムボックス最強の話がなかったっけ?


「確か質量を上から落として潰すってやつ、確かスーパーで保存した中に良いものが・・・

保存のファイルを確認していると見つけた。厚さ8ミリの鉄板で2メートル×1メートルが20枚。
何故保存していたかというと、容量に重さは関係あるのか?と思い、写真を撮りまくった後、保存が容量いっぱいになり整頓するときに、良質な鉄ならば意外と高値で売れるんじゃないかと思ったからだ。

どの世界でもお金って大事だもんね。

でもまさか武器にまでなりそうだとは思ってもみなかった。鉄板を1枚上空でリリース。
ドン!という音とともに狙い通りの場所に落ち地面に突き刺さった。

「うっわぁ、なんてエゲツない攻撃だよ」

自分でやっといてチョット引いてしまった。
検証の結果目に見える範囲ならどの位置でも高さでも可能みたいだ。だけど、離れれば離れる程イメージとの誤差が大きくなる。

多分深度と風の関係だろう。確実にいくなら半径50メートル高さ5メートル位が限界だろうと判断した。

「それにしても、こんな事考えたやつヤバイな。ネット小説怖いよ」

だけどおかげで手段は確保した。鉄板20枚と1メートルの鉄の棒15本。
鉄の棒は重さが2キロある、落として良し振り回して良し!の万能鉄だ。

ま、怖いから戦いたくはないけどね!

振り回した鉄の棒を保存してまた歩き出した。すると地図の端っこに道が映し出され、そちらの方へ歩いて行くと目視で確認出来る様になった。完全に道だ。

「と言うことはこの道をどちらかに行けば必ず人が居る場所へと行けるわけだ」

右と左、どっちに行こうか?これは運が絡むので鉄の棒を出して倒れた方へ歩いて行こうかな?
鉄の棒を準備していると遠くからガラガラと音が聞こえてくる。

相手に見つかる前に近くの木に隠れて音の正体を確認すると、幌付き馬車が慌てた様子で駆けてゆく。

「おお!馬と馬車とか知ってる感じだ!人も地球人と同じ感じだし、良かったかも」

乗せてもらおうかなっと思い、出ようと思ったら乗ってる人が慌てている様子で後ろを振り返りながら全力で目の前を駆け抜けていく。

不思議に思って後方を確認すると見た目60センチ位のゴブリンらしき集団が10匹馬車を追っていた。

慌てて木に隠れ直して様子を見る。こちらには気付いていないみたいだ。
良かった。
戦ったこともないのに助けるなんて出来るわけがない。知らない人を助けてリスクを負うより、自分の身が大事。
この世界の第1異世界人さん!ごめんなさい!

通り過ぎ視界から消えたのを確認してホッと一息ついた。
流石に走って行った方に行くつもりは無く、反対方向に強制的に決まってしまった。そして始めて異世界らしい現場を目の当たりにしてしまった。

これからは自分が襲われる可能性もある。マジで怖い!これまで以上に慎重に行動していかなければならいと気を引き締めおく。

反対方向に歩き始めて数時間、全然街が見えて来ない。反対方向の方が近かったのかな?
流石に陽も落ちてきてこのままだと不味いと感じ始めて、道から少し逸れた場所で野宿をしようと、道が見えるギリギリの所で鉄板でグルっと囲むように地面に突き刺す。
そしてスーパーで保存していたワンタッチテントを設営する。

これで雨と魔物避けにはなりそうだね!早速テントのの中に入りバックの中に入れていた飲み物とパンを食べて寝る事にした。

一応暗くなる前にランタンと懐中電灯に電池を入れて何かあった時は直ぐに行動出来るように握り締めながら警戒する。

それでも疲れていたのか寝落ちるのは早かった。ぐぅ
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