素直になれない平凡はイケメン同僚にメスイキ調教される

天野カンナ

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43.仕事場でなんてことを。

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 翌日、浮かれた気分で旭が出社すると廊下で敦に声をかけられた。

「おはよう、旭。例の物ちゃんと消毒して持ってきてあるから」

 例の物がアナルプラグだと分かった旭は、ミーティング前だというのに顔を真っ赤にさせた。
 それを見ながらニヤニヤと笑っている敦を睨みつけると、声をひそめながら怒る。

「お前っ。仕事場でなんてこと言って」
「なんてことって、ちゃんと伏せたじゃんか」
「そういうのは二人っきりの時だけって言ったろ」
「分かったから。怒った旭も可愛いな」

 敦にデレデレと笑われると、旭は呆れて言葉が出てこなかった。
 
(まったく、昨日となにも変わってないな)

 そう思いながら旭は、安心して敦の肩に触れる。

「ほら、朝礼始まるから行くぞ」
「そうだな。今日も頑張ろうな」

 さっきとは別人のように仕事モードに切り替わった旭を見て、敦も気を引き締めた。

 今日は業者への発注のメールを送った後、お客様との打ち合わせがある。
 昼休みまで敦とは顔を合わせる暇がないのは寂しく思うが、仕事は仕事だと旭は気持ちを切り替えた。

 午前中の仕事を終えて昼食を食べる頃になると、スマートフォンが震える。
 確認すると敦からだった。
『会議室で待ってる』という短いメッセージだったが、それだけでも旭は心が弾んだ。
 すぐに返信をして、ノート型パソコンの電源を落とした。

 ロッカールームにお弁当と水筒を取りに行ってから、会議室へと向かう。
 部屋は四人用の小さな部屋だ。
 扉をノックしてから中に入ると、待ちきれなかったらしい敦に抱きしめられる。

「ちょっと、離せって」
「旭の香りだ。やばい勃起しそう」
「こんな所でしたらバレるから、辞めろよな」
「声抑えればバレないって。なぁ、いいだろ」
「お腹空いてるし、辞めろよな」
「ちぇっ」

 諦めた敦は旭から離れて、口を尖らせて不機嫌そうに椅子に座った。

(まったく、子供みたいだな)

 そう思いながら、旭は敦の向かいの席へと座ると敦は不思議そうな顔をした。

「横、来ないのか」

 旭はまたもや顔を真っ赤にして怒る。

「誰が入ってきたらどうるすんだよ」
「鍵掛けておけばいいだろ、ほら」

 敦は立ち上がると扉の鍵を掛けた。
 それを見ながら旭はなるほどど、納得するが敦が一瞬ニヤッと笑ったのを見逃さなかった。

「やっぱり、お前ヤる気だろ!」
「ヤらないって。ほら、横座るからな」

 荷物を移動させて敦は旭の横に座る。
 横に誰かが座ると奥の人が出られないほどに狭い室内に、旭の逃げ場はもうなかった。
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