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第一章

オーガとオーク ゲームの攻略キャラ達に会う1

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あれからエルミナが泣き止んだのを確認し、俺とツッキーは、伯爵に俺達の現状を一部を除いて話した
エルミナが将来、破滅してしまう事、その為に今、最善の手を打っている事が内容だ
どのように破滅するかとかは、伏せてある
話せば、どのようになるかは、分からないからだ…………

そしてゾールスについても一部を除いて話したが、ゾールスに関しては、今は、打てる手が限られてるから、勇者等の事は伏せた

伯爵と夫人は、俺達の話を真剣に聞き、協力すると、約束してくれた
ともかく今は、協力者を得た事を喜ばしく思う………

そして少し時間が進み、現在………
俺達は、カタストロフィー伯爵によるエルミナの誕生日会の会場へと案内された
中には、色々な人が居て、俺達を見てくるが、何故か、受け入れられている………
むしろ歓迎されているが…………

「これは一体…………」

「やぁやぁ、ユーマ君にアカツキ君」

俺達が困惑していると、声をかけられ、見れば、アルフレット国王が、近づいてきていた

「アルフレット国王…………
これは一体…………」

「実は、ここに居る面々に君達との事を話させてもらったんだ
最初は、疑ってる者もおったが、ユーマ君に借りたあのペンダントのお陰で信じてもらう事が出来て、今に至るんだよ」

そう言い、アルフレット国王は、俺の手を取り、何かを渡してきた
見れば、それは、二年ほど前にアルフレット国王に貸してくれと頼まれて、貸した魔物払いのエンチャントを込めた魔水晶で作ったペンダントだった

帰る際のお守り代わりで貸してくれと頼んだんだと思っていたが、まさか信頼を勝ち取るためのモノだったとは…………

「国王、些か無謀では?」

「はははwww
無茶なのは昔からさ、それより挨拶していくといい
エルミナのパーティでもあるが、君達の交流の場も兼ねているらしいからな」

そう言い、アルフレット王は、他の人達の所に戻って行った
そうした中、突然、明かりが消えたと思ったら、扉の方が照らされ、扉が開いて、エルミナが現れた
今のエルミナの姿は、さっきまで会っていた時とは、印象が違い、間違いなく令嬢だった

(ってか、扉を照らしてる光ってどうなってんだ?)

ふと、光の出所を見れば、メイドの数名が筒越しに光源を集めていた

………………ご苦労なこって

「皆様、今日は、私、エルミナ・カタストロフィーの為に集まっていただき、ありがとうございます
カタストロフィー家、長女として、感謝を述べさせていただきます」

エルミナは、伯爵の隣に立てば、スカートを少し上げ、お辞儀をしながらそう言った
堅苦しそうだが、伯爵令嬢となれば、そう言うのは、当たり前の世界だ…………
そういうのは、既に教え込まされているのだろう…………

「皆も知っての通り、今日は、私がささやかに開いたパーティだ
気楽に楽しんでくれて構わない
それに今日は、私達の友人でもあるユーマ君達が居るから、その交友も兼ねての事もある
彼らはカタストロフィー家にとっての恩人でもあるから皆も気に入るはずだ」

カタストロフィー伯爵は、そう言い、パーティの音頭を取り、パーティが開催された
その後、すぐに俺達は、カタストロフィー伯爵に招待された客人達に囲まれ、色々と話すこととなった

その中には、国の重臣なども居て、アルフレット国王も遠巻きだが、ニヤニヤしながらこっち見ていた
恐らく囲まれて、オドオドしてる俺達の様子を見てだろう…………

そんな流れがひと段落ついた時、エルミナがこちらに来るのが見えた

「お疲れ、二人とも
人気者だね」

「「お前が言うな……………」」

ニヤニヤしながら言ってくるエルミナにツッコミを入れつつ、俺達は、流石に疲弊していた
サラリーマンとは、言え、アレだけの人数を捌いたのだから、疲れるのは、当たり前か…………
だが、それはエルミナも同じのはずだが、エルミナは、まだ余裕があると思える…………
そればかりは、場慣れしていると言う事か…………

「ところでパーティの主役が俺たちに何のようだ?」

「えぇ、せっかくだから私の友人を紹介したくてね」

そう言い、含みのある笑みを浮かべたエルミナに、俺達は、察した

「…………そうか
頼む」

「うん、ほら!!
皆、こっちこっち!!」

頷くとエルミナは、すぐに振り返り、手を振れば、すぐに数名の子供が来た
恐らく今、こちらに向かってくるのが、二つのゲームの攻略対象だろう…………

そんな中、よく見ると、ゾールスが居るのが見えた
女の子二人に両腕を塞がれているが…………

「ユーマ、アカツキ
彼らが私達の友人よ
まぁ、エルーガ様とファンシア様は、既に見知った顔だから紹介は、外すわね
で、エルーガ様の横に居る方は」

「初めまして、私は、【スー・ヨレーク】
王国騎士団騎士長の次男です」

スー・ヨレーク
【貴方に届ける幸福の光】での第二の攻略キャラだ
ストーリーでは、ヒロインが街の族に絡まれてるところを騎士道で追い払い、出会って恋に堕ちる、と、ありきたりなストーリーだが、現時点でおかしい所がある
先ず、スーの父親は、この時、騎士長では、無いことだ

スーの父、【デミロット・ヨレーク】は、この時は、まだ一階級の騎士でそれこそ騎士長と言われるのとは、程遠い所に居た
それがこの時の騎士長が、病で亡くなり、カタストロフィー家の推薦もあり、騎士長になるのが、デミロット・ヨレークの設定だ
だが、スーの口からは、既に騎士長になっていると予測すると、かなり設定とで、早まっていると考えられる

「そして俺が【オレット・ジャスファー】だ
まぁ、エルミナの知り合いってだけで、俺の事は聞いてないだろうが、よろしくな」

と、スーの後ろの黒肌の少年がニッコリと笑いながらそう言ってるのを見ながら、俺は、笑顔が引き攣っていた

オレット・ジャスファー
こちらも【貴方に届ける幸福の光】での第三攻略キャラだ
設定だと、王族などに信頼されている医者の第一息子だとか…………
で、このオレットは、その中でも頭が抜き出る程の医学知識、そして治癒魔法に優れている
そしてその事がきっかけで学園に入学となり、そしてヒロインと出会う

きっかけは、ヒロインが怪我をしてる所に出くわして、治療する事がきっかけで、何度も顔を合わせることとなり、一族からの差別妬みの事を忘れるようにヒロインに近付き、恋に堕ちるのだ

ちなみにそのシナリオでの、エルミナはヒロインを虐める事でオレットが対立、エルミナの悪巧みを暴いた後、エルミナは、国外へと追放となる

「……………【ヨル・カンジア】」


「……………えっ、それで終わり?」

「…………ん」

あまりに短い自己紹介に聞き返すと、コクンと頷いてきて、俺は、苦笑いを浮かべた

ヨル・カンジア

こちらも攻略対象で、確か人気投票とかで、一位を独占していたキャラだ
エルミナと同じ伯爵の息子ではあるが、見ての通り、感情を表に出さない
と言うか、感情を表に出せないのが、彼だ

何でも設定だと、母親が死んでから感情が死んだと言われているくらい、感情を表に出さないらしい…………

ストーリーでは、ヒロインと出会い、色々と心にあったトラウマに含めたモノを克服、ヒロインと恋に堕ちると言ったモノだが、そこでもエルミナは、処刑ルートに直行である

ちなみにヨルには、婚約者が居て…………

「初めまして、私は、エルミナ様の友人
【マルコット・ゼシファー】と申します
もし、エルミナと共に私の屋敷に来た際は、ゼシファー家の令嬢として、おもてないさせていただきますわ」

ヨルの隣でドレスのスカートを少し上げ、お辞儀をして挨拶する少女にヨルは、ポンポンと頭を撫でると、マルコットは、それを嬉しそうに受け入れている

マルコット・ゼシファー
ヒロインの親友であり、ストーリーでは、ヨルルートしか出てこないキャラだが、立場的にヒロインのライバルに当たる
マルコットは、ヨルの許嫁でヨルを支える為に努力をし続けている設定で、ヒロインとは、すぐに打ち解けあい、仲良くなる
ただエルミナは、そのルートでも出て来て、破滅するが、トュルーだど、ヒロインとヨルの為に涙を隠し、身を引く
バットだと、ヨルと結ばれると言うストーリーである

ただツッキーの調べだと、マルコットは、人気投票でも2位をキープしている

「ところでユーマ様
少しお聞きしたいのですが…………」

「何だ?」

「あの……………、お野菜を作るのにどのような事が必要ですか!?
ぜひ、教えてほしいのです!!」


「お、おぅ…………」

遠慮がちに尋ねて来たから何だと思ったら、急にキラキラと目を輝かせて、野菜の作り方を聞いてきたマルコットに、思わず引いてしまった

(原作と全然、キャラ違くないか?
何で野菜に興味出てんだよ…………)

そう思いつつ、チラッとエルミナとゾールスを見れば、二人して、苦笑いを浮かべていた

(あっ、原因、お前らか………)


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