17 / 31
16 報告
しおりを挟む
「無事に独り身になったのね」
「カサンドラ様。独り身とは…語弊がありますが」
そう指摘され、殿下はぷうっと頬を膨らませた。臣下の前で、こんなには表情が豊かではない方が、私と話をしているときはまるで友人のように接してくださり、本当に光栄に思っております。
「だが、アシュリー嬢。これからどうするつもりだ?よければ婚約者を勧めたいところだが…」
王太子殿下の言葉が一瞬、詰まった?と思ってそのお顔を見ると、なんだか渋い顔をしていらっしゃるわ。私に合うような方はいらっしゃらないという事かしら?まあ、紹介してもらおうなど考えても居ませんでしたが。
「王太子殿下。私はカサンドラ様の侍女として勤めさせていただくつもりですので、婚約者など必要ございませんわ」
「アシュリー!ずっと私のもとにいてくれるのね」
「アシュリー、それは私も嬉しいが…」
「お兄様!アシュリーは私の侍女です!お兄様にも他の方にも渡しませんわ。諦めてください」
「お前…私はそんなことを言っているのではなくてだな、アシュリー嬢にも自分の幸せを追い求める権利があるということを言っているんだ」
「アシュリーの幸せは私が見つけますからご心配なく!」
カサンドラ様が私の手をおとりになって、これはまた可愛らしい笑顔で「私が幸せにするわ」などとおっしゃられる。
まるでプロポーズですわね。
「カサンドラ様。独り身とは…語弊がありますが」
そう指摘され、殿下はぷうっと頬を膨らませた。臣下の前で、こんなには表情が豊かではない方が、私と話をしているときはまるで友人のように接してくださり、本当に光栄に思っております。
「だが、アシュリー嬢。これからどうするつもりだ?よければ婚約者を勧めたいところだが…」
王太子殿下の言葉が一瞬、詰まった?と思ってそのお顔を見ると、なんだか渋い顔をしていらっしゃるわ。私に合うような方はいらっしゃらないという事かしら?まあ、紹介してもらおうなど考えても居ませんでしたが。
「王太子殿下。私はカサンドラ様の侍女として勤めさせていただくつもりですので、婚約者など必要ございませんわ」
「アシュリー!ずっと私のもとにいてくれるのね」
「アシュリー、それは私も嬉しいが…」
「お兄様!アシュリーは私の侍女です!お兄様にも他の方にも渡しませんわ。諦めてください」
「お前…私はそんなことを言っているのではなくてだな、アシュリー嬢にも自分の幸せを追い求める権利があるということを言っているんだ」
「アシュリーの幸せは私が見つけますからご心配なく!」
カサンドラ様が私の手をおとりになって、これはまた可愛らしい笑顔で「私が幸せにするわ」などとおっしゃられる。
まるでプロポーズですわね。
4,276
あなたにおすすめの小説
(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)
青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。
だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。
けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。
「なぜですか?」
「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」
イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの?
これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない)
因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
(完結)元お義姉様に麗しの王太子殿下を取られたけれど・・・・・・(5話完結)
青空一夏
恋愛
私(エメリーン・リトラー侯爵令嬢)は義理のお姉様、マルガレータ様が大好きだった。彼女は4歳年上でお兄様とは同じ歳。二人はとても仲のいい夫婦だった。
けれどお兄様が病気であっけなく他界し、結婚期間わずか半年で子供もいなかったマルガレータ様は、実家ノット公爵家に戻られる。
マルガレータ様は実家に帰られる際、
「エメリーン、あなたを本当の妹のように思っているわ。この思いはずっと変わらない。あなたの幸せをずっと願っていましょう」と、おっしゃった。
信頼していたし、とても可愛がってくれた。私はマルガレータが本当に大好きだったの!!
でも、それは見事に裏切られて・・・・・・
ヒロインは、マルガレータ。シリアス。ざまぁはないかも。バッドエンド。バッドエンドはもやっとくる結末です。異世界ヨーロッパ風。現代的表現。ゆるふわ設定ご都合主義。時代考証ほとんどありません。
エメリーンの回も書いてダブルヒロインのはずでしたが、別作品として書いていきます。申し訳ありません。
元お姉様に麗しの王太子殿下を取られたけれどーエメリーン編に続きます。
(完結)私はあなた方を許しますわ(全5話程度)
青空一夏
恋愛
従姉妹に夢中な婚約者。婚約破棄をしようと思った矢先に、私の死を望む婚約者の声をきいてしまう。
だったら、婚約破棄はやめましょう。
ふふふ、裏切っていたあなた方まとめて許して差し上げますわ。どうぞお幸せに!
悲しく切ない世界。全5話程度。それぞれの視点から物語がすすむ方式。後味、悪いかもしれません。ハッピーエンドではありません!
(完)お姉様、婚約者を取り替えて?ーあんなガリガリの幽霊みたいな男は嫌です(全10話)
青空一夏
恋愛
妹は人のものが常に羨ましく盗りたいタイプ。今回は婚約者で理由は、
「私の婚約者は幽霊みたいに青ざめた顔のガリガリのゾンビみたい! あんな人は嫌よ! いくら領地経営の手腕があって大金持ちでも絶対にいや!」
だそうだ。
一方、私の婚約者は大金持ちではないが、なかなかの美男子だった。
「あのガリガリゾンビよりお姉様の婚約者のほうが私にぴったりよ! 美男美女は大昔から皆に祝福されるのよ?」と言う妹。
両親は妹に甘く私に、
「お姉ちゃんなのだから、交換してあげなさい」と言った。
私の婚約者は「可愛い妹のほうが嬉しい」と言った。妹は私より綺麗で可愛い。
私は言われるまま妹の婚約者に嫁いだ。彼には秘密があって……
魔法ありの世界で魔女様が最初だけ出演します。
⸜🌻⸝姉の夫を羨ましがり、悪巧みをしかけようとする妹の自業自得を描いた物語。とことん、性格の悪い妹に胸くそ注意です。ざまぁ要素ありですが、残酷ではありません。
タグはあとから追加するかもしれません。
(完)イケメン侯爵嫡男様は、妹と間違えて私に告白したらしいー婚約解消ですか?嬉しいです!
青空一夏
恋愛
私は学園でも女生徒に憧れられているアール・シュトン候爵嫡男様に告白されました。
図書館でいきなり『愛している』と言われた私ですが、妹と勘違いされたようです?
全5話。ゆるふわ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる