婚約破棄された公爵令嬢はダンジョンマスターを兼任する。

「シャルティエ・エンハイム、貴様との婚約を破棄する!」

そんなお粗末で雑な大声で玉座の間は静まり返った。

はあ?

「シャルティエ!貴様は私が真に愛するルナシー・エンリケ男爵令嬢を不当に痛めつけ、公衆の面前で罵倒した!」

…。

しかも、身に覚えのない罪状がつらつらと出てくる。出てくる。

…証拠もないのに?

しかも、その“証人”って…あなた様の目の前たんこ──取り巻きじゃない?

「よって、私エリック・フォン・バスカ第3王子の名の下に貴様を国外追放の刑に処す!」

あ゛!?

それは越権行為だろ!このバカ王子(笑)!!

“王太子”でもない第3位でしかない私の(元)婚約者様(笑)…玉座に座る陛下の前で堂々としている。
…すげぇ。
あ、この発言で分かると思うけど…私、シャルティエ・エンハイム公爵令嬢は前世の記憶持ちです。
所謂転生ってやつ。
ここ、乙女ゲーム“暁の恋を君に”の舞台で、エールグリーンって架空のファンタジー世界。
舞台は王立学園、高等部の3年間で攻略対象の貴族子息(5人)との個別ルートか友情エンド、ハーレムエンドの3つ。
…因みに私は腐女子なので、断然友情エンド押しだ。

「──エリックよ、これは何の茶番だ?」

厳かな声が玉座の間に響く。
決して大声ではないのに聴く者に畏怖を抱かせる…

「──!?ち、父上…ですから私は」

「くどい──お前はこの場を持って廃嫡だ。そんなにその男爵令嬢とやらと結婚したいのなら認めてやる──但し、城の地下牢で、な。」
「!?な、どうしてですか!?私は父上の息子ですよ!ルナシーは王子妃──」
「黙れ。──衛兵、即刻この二人を牢に入れろ。目障りだ」
一言も発することなく(元)エリック王子(笑)は件の男爵令嬢と地下牢へと連行された。

「…はあ。済まぬな、シャルティエ…あれの矯正を間違えたようだ」

威厳ある顔立ちが疲れからか、心なしか、やつれているように見える…。

「いえ…心中お察し致しますわ、陛下。」

男爵令嬢は一言もしゃべらせてもらえず退場した。


…まあ、建国記念日パーティーがとんだ茶番で終わったのだから…シャルティエはダンジョンへと戻った。

?ダンジョン…ああ、私、シャルティエ・エンハイムはダンジョンマスターをしているの…領地で。

ダンジョンマスターを兼任する公爵令嬢の内政ストーリー…かもしれない。

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