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サロンへようこそ
しおりを挟む~ライラ視点(義妹)~
「わぁ~素敵ね!見違えたわ~」
本来なら、ライラのサロンは当家の歴史ある家具を直し使う予定だった。
ソファも生地の張り替えをすれば、今風に生まれ変わるし、テーブルは丁寧に手入れされた歴史あるものばかり
しかしライラは古いもの…お古は嫌だった
今風のお洒落な家具が欲しいと兄に頼めば、すぐに解決してくれた!
どうせシルヴィアさんが嫁ぐ際に、伯爵家に運ばれるのだから、遅かれ早かれ問題はないとすぐに運ばせ、ライラのサロンを飾った
どうせうちのものになるのだから、シルヴィアさんのものはうちのもの。そうでしょう?
執事が何か言っているけれど、本当に煩いのよ…このジジィは…!お父様に言い付けるとか言ってるけど、にぃ様が用意してくれたんだからね!
家具を運び、はじめてのお客様はこの素敵な家具や、衣装・宝飾をプレゼントしてくれたシルヴィアさんを呼ぶことにしました。
出迎えてその事を伝えると「光栄です」と言った。そうでしょうね、はじめて私のサロンに招かれるお客様ですもの!
お土産と渡されたのはお菓子とお茶…ケチくさいわね。お口に合えば良いだなんて…メイド達にあげるわ
部屋へ案内すると、驚いた顔をしていたけど、きっと喜んでくれるはず!
こんなに素敵に使われているのだもの!
「シルヴィアさんはさすが商人の娘なだけあって、目は肥えてらっしゃるわよね、とても素敵な家具ですものね」
シルヴィアさんを褒めてあげた。
「私は男だからよく分からんが、ライラがこんなに喜んでいるところを見ると女性ウケするような代物なんだろう。さすが商人の娘だな」
メイドがお茶を持ってきたので、無言のシルヴィアさんを、一人掛けのソファに座らせた。
そのソファは肘掛けの部分がとても繊細な作りで気に入っているのよ?
分かる人には分かるわよね!
カップやソーサー、カトラリーに至るまで全て新品。
透き通るような白磁、滑らかな肌触り、洗練されたデザインで、ふちには金が使われているのよ?
ティーカップのハンドルも華奢で可愛いわ
ほんっとセンスだけは良いんだから…意地悪して、隠していないでとっととうちに運べばよかったのに!
王宮御用達の職人が作っただなんて、本当に贅沢が好きな人だわね…呆れて物が言えないから、使ってあげることにした。あなたがはじめてのお客様だから文句はないでしょう?
「シルヴィア、どうかしたのか?」
にぃ様がシルヴィアさんを気遣っているようね…格上のにぃ様に気を遣わせるなんて、伯爵家でどんな教育をされているのか…あっ!商人だったわ、鼻でくすりと笑ってしまいました
「……こちらの家具は、私が嫁ぐ際にと用意してきた物だと思いますが…」
遠慮しがちに質問をしているけれど、やっぱり気がついたのね。素敵ですものね、この家具達
「何か問題でもあるか?遅かれ早かれ、うちに運ばれる予定だっただろう、問題が(気に入らない)あるならまた買い直せばいいだろう」
そうよね!買い直せばいいだけだもの。成金ですものね。
無言になるシルヴィアさんは放っておいて
「次は壁紙を掛け替えたいわね。この家具に合うように華やかなピンクやブルーのお花柄が良いわ!」
部屋の改装の話に、にぃ様と花を咲かせるのでした
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コメントいつもありがとうございます(^^)
楽しかったりハラハラしたりしながら読ませて貰っていますが、一旦コメント欄を停止致します。ご了承下さい💦
応援ありがとうございます!
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