水風船の中のしあわせ
〈第9回ライト文芸大賞にて、奨励賞をいただきました!〉音楽学部を卒業し留学の経験もあるが、フルーティストとは呼び難い生活を送る悠貴(ゆうき)。ある日兄の広輝(ひろき)に頼まれ、姪の有紗(ありさ)を、新進ピアニスト・真柴(ましば)のコンサートに連れて行くことになる。真柴は悠貴の大学の同期で、かつては音楽家を目指して切磋琢磨し合う仲だった。華々しく活躍する旧友と顔を合わせずに、ホールから去りたかった悠貴だが、有紗は真柴に花を直接手渡したいと言い出す。
一方広輝は、有紗がピアニストになりたいと口にすることに危惧を抱いていた。彼女を悠貴のような、中途半端な音楽家にさせるわけにはいかないからだ。ピアニストを目指すよう娘を唆す弟に対し、広輝は複雑な思いを膨らませる。
綺想編纂館 朧さまの物書き企画「文披31題」2025年バージョン。頂戴しているお題を毎話使い、連作短編の形で書き進めました。複数の登場人物の視点を使う、小説の禁忌を敢えて冒しています。舞台は大阪と西宮です!
一方広輝は、有紗がピアニストになりたいと口にすることに危惧を抱いていた。彼女を悠貴のような、中途半端な音楽家にさせるわけにはいかないからだ。ピアニストを目指すよう娘を唆す弟に対し、広輝は複雑な思いを膨らませる。
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