見えそうで見えない仲見世通りの高天原茶房~今日もひっそりカミサマの眷属が彼岸と此岸の境目で営業中~
碧紫神社の境内に並ぶ仲見世通りには、五坪に満たない小さな空き地がある。
彼岸と此岸の境目にあるその空き地では、碧紫神社とその神域に祀られているカミサマの眷属である白犬と白狐、そして白蛇が店員を務める茶房――高天原茶房が営業をしているのだ。
高天原茶房はお勤めしているカミサマが高天原からお茶をしにきたり、井戸端会議をすませたりする会場になるほか、悩みを持っていたり地に足が付いていなかったりするニンゲンが迷い込んだりする喫茶店だ。
カミサマたちは迷い込んだニンゲンから相談事を受けるのが大好きな割に、面倒くさいことは眷属に任せる適当っぷり。
白犬、白狐、白蛇はお客のオーダーを叶えるため奔走するけれど、彼岸の者のドタバタは此岸の世界も巻き込んでしまうから大騒ぎになることもしばしばだ。
さて、そんな茶房に今日もひとりのニンゲンが迷い込んできた。
彼は長く付き合った彼女との結婚を、とある理由から躊躇っているという。
遊びに来ている噂話が大好きな縁結びの女神がしゃしゃり出ると面倒だ、と白狐はやんわりと話を終わらせようとしたけれどそうは問屋が卸さない。ちゃっかり聞いていた女神は早速縁結びを企み始める。
時給アップをちらつかせられた白犬と白狐、白蛇は彼を躊躇させる原因を取り除けという女神の頼みを受け入れるが――。
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