上 下
11 / 16

奴に因縁つけるとこうなる 4

しおりを挟む
クラス分けを見にきたらキラキラ縦ロールが教師と男子生徒を相手取り言い争いをしていた。

「私が謝らなければいけない理由が解りませんわ。」

「貴方も強情ですね、彼女が“貴女”に足を掛けられたと言っていて実際皆さんの前で転倒しているのです。どう説明するおつもりですかな?“サンフラワー公爵令嬢”」

聞こえた話から察するに女子生徒に足を掛けて転ばせた女子生徒を教師がたしなめているという感じだった。てかあいつなんでこの学園に?確か女学院に言った筈じゃなかったけ?

「私はそちらの方の足など掛けてはおりません」

「先生、私なら大丈夫です。私が平民だから公女様は気に入らないだけなんです。大人しく退学いたします。」

「なんと!貴女のような謙虚な生徒をこのまま退学させるわけにはいきません。」

「この事はサンフラワー公爵様に学園から抗議させていただきます。」

「そんな…」

なんだろう、知り合いだからって贔屓目じゃないけど
しゃらくせぇ💢
あの教員なんでそんなに擁護してんだ?誰がどう見たって聞いたってあの女子生徒の言い分おかしいだろ。あれか?バカな女ほど可愛いって言うあれか?
さすがに言いすぎだと感じて教員に文句を言おうと前に出ようとした俺をタイヨウが手で制して…

「何をバカなことを」

「なっ誰ですか」

「ヒナタが足を掛けた?なんでそんなことをしなくちゃいけない?」

「タイヨウ殿下?」

「答えろ、ヒナタが俺の婚約者が初対面の生徒をわざわざ邪険にする理由、それに関するメリットを」

タイヨウ激怒である。“ヒナタ・フォン・サンフラワー”タイヨウの婚約者でこの国の三大公爵の一つサンフラワー公爵家の、令嬢。タイヨウがベタ惚れでこいつが女学院に行くので代わりに俺がこの学園に入ることになったとかなんとか。

そんなことはどうでも良いか、いつもの親しみやすい皇太子モードはどこへやら
語気を強くし教員に問いかけた。

「私が平民だから」

「平民だからなんだ?俺達にも平民の友人はいる。ヒナタとも共に行動する友人がな」

「公女様よりも私の方がその…成績がよかったから」

「成績?入学したが試験も授業もうけていない今の状況でか?ヒナタは俺の知る女性の中でも一番の努力家だ。実際、学年が上がる頃には俺なんかよりもずっと良い成績だろうよ。」

「なっ…」

「それにだ、俺はそこの教員に問うた筈だがなぜ君が答える?」

「…」

(゜ロ゜;
誰かつっこめよ、教員が顔を青くしているところに聞かれてもいない渦中の中心であろう女子生徒が口を開いた。
まぁ口を開いたら開いたでムカつかせる言動だったんだけど、その言動にたいしタイヨウはしっかりと論破していくから聞いていて面白かった。

「最後に足を掛けたのならば多少なり“衣服”が乱れる筈だが…見たところ“彼女達”の衣服に乱れはないようだが?」

確かになヒナタも取り巻き令嬢もビシッと決まっている。いつ仕立てたのってくらいのぴったり加減だな!
胸の内でサムズアップしてたりしてなかったり(笑)

「殿下!騙されてはなりません。公爵令嬢は悪役令嬢なんです。」

誰かを糾弾するには少なくとも自身に正当性があることを他者に認めさせなければならない。
女子生徒はタイヨウが自分の味方をしてくれると思ったのか、俺から言わせればドンだけお花畑なんだよお前の頭中はってなもんだなんだが…
論破され最後の最後で言葉を致命的に“間違えた”

「…」

「殿下…」
悪役令嬢なんです。という女子生徒の言葉聞きタイヨウの言葉が止まり何かを考え出した。
それを見た女子生徒は“解ってくれた”と思ったのか少し表情を明るく変えた。まぁ…どんまい。お前もう“終わった”よ

「悪役令嬢?俺の婚約者を悪と罵るか…」

タイヨウがそう呟いたすぐ後、空気が変わった。
それまでは辛うじて“人”として見られていた彼等は汚物と同列になりさがったんだ

「そうだ、私の可愛いマリーを貶める悪女、貴女のような邪悪な存在は私が懲らしめて差し上げます。」

教師がわについていた男子生徒がマリー?
へぇ、あいつそんな名前だったんだ。
女子生徒もといマリーの名前を呼びながら手袋をはずし投げつけてきた。
所謂あれか?

「拾いなさい」

「はぁ」

決闘の申し込みなんだろうな。男子生徒が手袋を投げつけたのはヒナタに向けてだった。ヒナタ(女性)に向けて男子が決闘を申し込む…
俺はヒナタの足元に落ちた手袋を拾った。

「ユーキ?」

「大切な友達をここまで虚仮にされて空気に徹すれる程薄情者くそやろうじゃないんでね?それにさ、魔力00の俺があいつ負かしたら」

爽快たのしくないか?」

ヒナタもタイヨウも大事な友達だ俺は自分で思う以上にバカらしい。もう俺は名前も知らない男子生徒をぶっ潰す方法と教員に謝らせる方法を考え始めていた。
『ユーキの悪い顔…俺ワクワクしてきた。』( ̄ー ̄)+
『ふふ、僕らの相棒を敵に回すなんて…ほんとのバカなんだね』( ̄▽ ̄)

…とりあえずヤリスギだけには気を付けよう(。-∀-)
    
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:1,341pt お気に入り:148

まさか転生? 

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:177pt お気に入り:1,469

王女殿下に婚約破棄された、捨てられ悪役令息を拾ったら溺愛されまして。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:25,767pt お気に入り:7,106

継母の心得

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:64,364pt お気に入り:23,357

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7,037pt お気に入り:3,815

貴方達から離れたら思った以上に幸せです!

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:196,784pt お気に入り:12,473

処理中です...