スイの魔法

白神 怜司

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【Web オリジナル】 地下都市と『紅炎の魔女』

刺客

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 リュカの案内によって屋敷の中へと足を進めた一行は、広々と広がった一室に通された。

 椅子の置かれていない室内には座布団が置かれ、焦げ茶色の背の低い長方形の机が置かれている。そこに座るように促されて腰を下ろしたスイとタータニア、それにユーリの三人は横並びになり、見たこともない部屋の造りに興味津々といった様子で周囲を見回しながら腰を下ろした。

「この床、今まで見たこともないわね」

 そう呟いて視線を落としたのはユーリだ。
 緑色の草が編まれたような床は硬すぎず、冷たくも熱くもない不思議な感触。手を滑らせてみると、少しばかりの凹凸はあるものの違和感が生まれる程ではない。

「壁もなんだか不思議な見た目をしているわね。ヴェルディア大陸でもこんな造りは見なかったけれど……」

「独特の文化が息づいているみたいですね」

 ざらついた壁や、麩などを見回してスイが答える。

 世界的に見れば、大陸や国によって生活文化は多少なりとも異なってくる。
 ヴェルディアは木と石材を使った建物が多いが、タータニアの故郷であるエヴンシアがあるブレイニル大陸では石材が主流だ。それに、ユーリの故郷、ブレイニル帝国が支配するリブテア大陸では、鉄やそれに準じたものなどがよく用いられている。
 変わっている、という点ではリブテア大陸の帝都ガザントールもそれに当てはまっていたが、このフォルタもまた相当に風変わりだ。

 スイとユーリにとっては材質や加工方法などへの興味が生まれるところであるが、その隣に座っているタータニアは「変わってるわねー」と簡単に流す程度の感想しか抱かないようだ。
 ユーリとスイの二人からジトッとした目つきで見られ、何故そんな目をされるのかが解らなかったが、もともとの研究者体質と脳筋体質では抱く感想が違うのは当然と言えた。

「そういえば、スイ君。宝玉についてだけど、あれから何か進展はあったかしら?」

「そういえば、ガザントールでお話しましたよね。氷と風の二つは手に入れました。それ以外は進展はありませんね。多分ここに火の宝玉があるとは思いますけど……」

 そこまで言ってスイの言葉が途切れた。

 宝玉は今、魔女の力を抑え込む為だけに使われている。
 その宝玉を手に入れるにしろ、それ以前にまずは『紅炎こうえんの魔女』であるヒノカを消さなくてはならない。
 ノルーシャの姿を思い返しながら、つい言葉を途切れさせたスイが慌てて顔をあげてユーリを見て言葉を続けようとすると、見計らったかのように部屋の麩が開かれた。

「すみません、お待たせいたしました」

 中へと戻って来たのは、リュカの母親と思しき女性と、お盆に湯呑みを乗せ、おぼつかない足取りで歩いてくるリュカの二人であった。

「リュカ、大丈夫?」

「だ、だだ、大丈夫、です……ッ! ちょっと話しかけないで欲しいですよ!」

 タータニアの気遣いに言葉と動きがまったくと言って良い程に噛み合っていない様子でリュカが答え、ようやく机に湯呑みに入った緑茶を置くと、彼女の母親であるフォルタの長――リツカの隣へと腰を下ろした。

「まずはこのフォルタへとようこそおいでくださいました。私はフォルタの長を務めております、リツカと申します」

 歳はおよそ四十前後といったところだろうか。柔らかな雰囲気を放った、リュカと同じく茶色い髪と瞳を携えたリツカがゆっくりと頭を下げた。
 フォルタの民の衣服は着物と呼ばれる類のものだ。
 帯を腹部で巻いた、黒に近い藍色の着物を着て髪を後ろで結っている。

 ゆっくりとした動作で頭を下げていたリツカが顔をあげた。

「簡単にではありますが話は娘から聞きました。ヒノカ様のことも勿論ですが、『螺旋の魔女』、ノルーシャ様のことも……。やはり、その運命を辿ってしまうのは回避出来ないのですね」

「ご存知でしたか」

「……はい。ヒノカ様がいずれ消える可能性があることは、私達『巫女』の血族にいる者は承知しております」

「え……?」

 まだその事実を知らなかったのか、リュカはリツカの言葉に目を丸くしてリツカへと振り返った。

「お、お母さん……? どういう、こと?」

「……リュカはまだ『巫女』としては若く、そのことを知りませんでしたね。そもそも『巫女』は来るべき時にヒノカ様の手足となって動き、その終わりを導く存在なのですよ」

 つらつらと、瞼を下ろしたリツカがリュカに伝える。

 本来『巫女』の役目は、ヒノカが暴走――つまりは『狂化』しないかを見守りながら、時が来れば『銀』を迎えに行く為の存在であったのだ。
 これまでの『巫女』には起こらなかったその本来の役目が、ちょうどリュカの代で来てしまった。ただそれだけのことである。
 これはリュカが十五歳を迎えて成人すると同時に教えるつもりでいたのだとリツカは告げる。

 リュカにとって、ヒノカは尊敬も出来る大好きな存在だ。そんなヒノカを、有り体に言えば殺す為に『巫女』が存在していたなど、考えたこともない。
 明らかに動揺してみせたリュカに向かって、リツカが鋭い視線を向けた。

「勘違いしないことです、リュカ。これはヒノカ様のご意思なのですよ。先程聞いたノルーシャ様と同じく、あの方も自分の消失を望んでいるのです」

 リツカの言葉にぐうの音も出ず、リュカが俯いた。
 ノルーシャの言っていた通り、ヒノカもまた永い時を経て自分が『狂化』されずに消えられることを望んでいる。
 もちろん、リュカもそうなるであろうとは気付いていた。ノルーシャとのやり取りからそれを知ったのは確かであったが、まさかそもそも『巫女』の役割がそれだとは思ってなどいなかったというのが本音だ。

「……そんな風に思わないのです、リュカ。ヒノカ様は私達に頼る今の状況をずっと心苦しく感じていらっしゃいました。私達がそういう感情でヒノカ様と接してしまえば、それだけでヒノカ様は胸を痛めてしまうのですよ」

 頭を抱かれ、リュカに向かってあやすようにリツカが声をかけた。頷いたリュカの頭をポンポンと軽く叩くと、リツカがユーリに向かって視線を戻す。その姿に、ユーリが一度咳払いして話の本筋を戻すかのように空気を切り替えた。

「ところで、リツカ様。フォルタの長としてお答えして頂きたいのですが、よろしいですか?」

 ユーリの質問にリツカが頷いて答えると、ユーリはそのままの調子で続けた。

「『紅炎こうえんの魔女』、つまりはヒノカ様を消すということについては、フォルタは反対か、あるいは抵抗するといった可能性はありますか?」

 想像していなかったユーリの言葉に、スイとタータニアがわずかに目を見開いてユーリへと視線を向けた。
 まっすぐリツカとユーリの視線が交錯する中、先にその視線を逸らしたのはリツカだ。小さく嘆息して首を左右に振った。

「今申し上げた通り、我々はすでにヒノカ様の希望を知っている身。危惧されていらっしゃるような事態には成り得ません」

「……そうですか。安心しました」

 ユーリの答えを聞きながら、タータニアがどういうことだと言わんばかりにスイを肘で小突き、説明を求めていた。そんな姿に苦笑しながら後で教えると告げたスイであった。

 ユーリが危惧していたのは、ヒノカを守ろうとしてリツカらフォルタの民がスイや自分達の邪魔をするのではないかという点であった。
 ヒノカを神のように祀り、神聖視している者達がいるのであれば、そんなヒノカを消そうとすれば反発する者達だっていない訳ではないだろう。それは宗教と同じようなものだ。

 しかしどうやら、リツカら『巫女』の血族がそれを許容しているのであれば、反対も少ないのかもしれない。彼女達は紛れも無くヒノカの縁者なのだ。
 そんな彼女達がそう口にしているのであれば、ヒノカを消すという行為の邪魔をされることはないだろう。

「すぐにご出発なされるのですか?」

「あ、じゃあ私が一度、どうするかヒノカ様に尋ねてくるですよ!」

 リツカの言葉をぶつ切りにするかのように、立ち上がってリュカが続ける。

「皆さんは今日はゆっくりしていると良いです。向こうには私の家もあるですから、明日の朝にでもまた戻って来るです。時間はまだまだあるはずですから、そんなに急ぐ必要ないと思うですし」

「だったら、僕も……って、ユーリさん?」

「リュカちゃん、じゃあお願いね」

「はいです。じゃあお母さん、皆さんのこと、頼んだです」

 慌てて部屋を飛び出したリュカを見送り、ユーリが先程スイの言葉を制止するようにと掴んでいたローブから手を放した。

「ヒノカ様と話したいんでしょう。私達がいると気を遣ってしまうわ」

 ユーリなりにリュカを気遣い、時間を与えるつもりだったようだ。
 そんなリュカの心情を察したのはリツカも同じだったらしく、ユーリに向かって感謝を述べて頭を下げていた。

「ヒノカ様の様子で何か変わったことなどはありますか?」

 ユーリの問いかけに、リツカの表情に影が落ちる。

「現状だけで言うならば、今のところは何もありません。ですがリュカが聞いたというヒノカ様の言葉を信じる限り、間違いなく刻限が迫っているのでしょう。
 お願いします。どうか、どうかヒノカ様を呪縛から解き放ってください」

 深く頭を下げたリツカを、スイとユーリ、それにタータニアが「顔をあげてください」と声をかけるものの、それでもリツカはしばらくはそのまま動こうとはしなかった。

「ヒノカ様が自らを封印する際に、ヒノカ様は次に目覚める時こそ、本当の意味で呪縛から解き放たれたいと仰ったのだと伝わっているのです。ですからどうか……」

 ノルーシャの言っていた言葉は、真実だった。
 スイは眼前のリツカの行動を見て、改めて実感していた。

 ――「『魔女』は自分が消える日が来るのを待っているのさ」

 そんな言葉を思い返しながら、スイはただその光景を見て口を噤んでしまうのであった。





◆ ◆ ◆



 ヒノカの《声》が頻繁に聞こえるようになったのは、ちょうどリュカが『巫女』となった三年程前からだった。
 これまでは何も変化も見せようとしなかったヒノカの反応に、当時リツカは驚き、フォルタの住人達はヒノカの目覚めを祝うように連日に渡って大騒ぎになっていた。しかしヒノカは姿を見せようとはしなかった。

 まだ覚醒したのは意識だけであって、身体は眠ったままなのだとヒノカは告げる。
 同時に、自分はこのまま、完全な目覚めを迎えずに『時』を待つのだと。

 ――その『時』が一体何を指しているのか。当時のリュカには解らなかった。

 それから三年。
『巫女』であるリュカはヒノカの社の近くに建てられた小さな家に住まい、朝から晩までをヒノカの社で過ごした。
 社の周辺は魔素が遮断されてしまっている為、そこに住むことは出来ない。長時間そんな空間にいてしまうと、身体に何らかの影響があるらしいのだ。それ故に社には通わざるを得ないのだ。

 リュカは自分が恵まれているのだと感じていた。
 これまで、先代の『巫女』やその前の『巫女』はヒノカと言葉を交わすことも出来なかった。
 一日中地下に作られた社に閉じこもり、たった一人で時間を過ごさなくてはならなかったのだから。
 話をすることが出来るというのは、それだけでリュカにとっては嬉しかったのだ。

 ヒノカは数百年もの間を眠り続けていたせいか、外の世界を知りたがっていた。

 今はどんな世界になっているだとか、他のフォルタの民はどうしているのかだとか。もちろん、『巫女』であるリュカは外の世界を知らない。全てを答えてあげることは出来なかったが、周りから伝え聞いた言葉はヒノカに伝えていた。

 リュカの交友関係と呼べるものは、『巫女』の性質上極端に少ない。
 唯一の家族。そしてヒノカ。この二つだけが、リュカにとっては大事なものだと言えた。

「ヒノカ様……! ヒノカ様……ッ!」

 縦に広がった空間で、切り立った崖の上を駆けていくリュカは、ようやく自分が帰って来れたのだと実感すると、その足取りを速めた。
 名前を連呼しながら、黒下駄で慣れた様子で駆けていくリュカがようやく社に辿り着き、その扉を左右に滑らせて開いた。

 白と赤で塗られた社の中は高さも広さもある広々とした空間。
 周辺には自分の身体を覚醒させない為に張り巡らせた、ヒノカが自分で造り上げた結界が施されている。
 壁には魔導言語が彫り込まれ、淡い赤色に輝いている。中央に鎮座した巨大な釜のような台座からは轟々と燃え盛る炎が揺れている。その釜を覆う魔法陣もまた、壁に彫り込まれた魔導言語と同様に赤く光を放っていた。

《……リュカ、帰って来たのね》

「はいです……!」

 走ったせいか、肩で息をしたリュカが、炎から聞こえてくるヒノカの声に答えた。

 ヒノカに先日言われた通り、『銀』と呼ばれる少年――つまりスイと合流したこと。それに、ノルーシャから『魔女』の全てを聞いたこと。彼女が迎えた最期を伝え、今スイがフォルタにいることなどを説明していく。
 その様子はまるで、外に出かけていた子供が嬉々として母親に語るような、そんな印象すら受けるものだ。

 しかしその全てを説明し終えたところで、リュカの表情が暗く落ち込み、俯いた。

「……ヒノカ様。本当に、消えてしまうのですか……?」

《……えぇ。もう時間がないわ》

「でも……ッ!」

 リュカが言葉に詰まる。

 ノルーシャのあの一件を見てリュカは決意したつもりでいた。
 それでも、唯一の家族である両親とヒノカ。そのたった三人しかいなかったリュカと関わり合った人々。その一人であり、敬愛しているヒノカがもうすぐ消えるという現実を、リュカは受け止めたくはなかったのだ。

《リュカ、ありがとう。でも私はそうする為だけにこの時代まで生き永らえてきた。もう良いのよ。アナタが悲しむのは間違っているわ》

 説得するような口ぶりで、ヒノカがリュカに向かって声をかけた。

《でも良かった。ノルーシャは無事に逝けたのね》

 その言葉にリュカはハッと顔をあげた。
 ヒノカの口ぶりが、本当に嬉しそうな言葉だったのだ。それこそ、もしも人の姿に戻ってさえいれば、感涙を落としそうなぐらいに。

 リツカの言っていた言葉の意味がこの時、初めてリュカの中にストンと落ちるような来がした。

「……明日、スイ君を連れて来るです」

 未だ納得はしていないが、それでも大事な人が苦しんでいるのなら、自分のエゴで縛ってはいけない。そんな気がして、リュカはぐっと拳を握ってヒノカに向かって告げた。
 気持ちを切り替えて、せめて笑って見送ってあげられるぐらいでなくては。

 そんな気持ちに水を差すように、リュカの背後からはずいぶん力の抜けた声が響いてきた。

「――いやぁ、危ない危ない。ギリギリで間に合ったね」

 突然背後から聞こえてきた聞き覚えのない声にリュカが振り返る。
 そこに立っていたのは、一人の少女だった。

 歳の頃はリュカより少し上といったところだろう。
 金色のツインテールを揺らし、シャツとサスペンダーのついた黒いホットパンツに、ストライプ柄のニーソックス。
 明らかにこのフォルタでは見かけない風貌をした少女が、髪と同色の双眸をリュカに向けた。

「……ッ、誰、ですか……?」

「教える気はないね。とりあえず、キミには用はないから。ボクの用があるのは、そこに眠っている『紅炎こうえんの魔女』なんだよね」

「ヒ、ヒノカ様に何をするつもりですかッ!」

「何って、そうだなぁ。寝坊助さんを起こしてあげようと思って、ね」

 余裕めいた笑みを浮かべて告げる少女が、社の中へと歩み寄ろうと足を踏み出した。

「諦めた方が良いです! ここの結界は、私達『巫女』以外の者が触れればその身体を焼き尽くすですよ! それ以上近づけば、命の保証は出来ないです!」

 少女に向かってリュカが声をあげると、少女の足がピタリと止まった。

「……へぇ、楽しいトラップだね、『紅炎こうえんの魔女』。なかなか考えたじゃないか。でも、それは無意味だよ」

 ニタリ、と口角をあげて少女は再び歩みを進める。
 社に足を踏み入れようとした瞬間、予想通りにヒノカの魔法が発動し、少女の身体を激しい炎が包み込んだ。

 まともに喰らえば骨も残らない程の焦熱に、思わずリュカが後退りながら自らの顔を腕で覆う。

 人の身体を丸々と呑み込んだ炎が暴れる姿を見て、思わずゴクリと喉を鳴らす。
 凄まじい炎に、助かりはしないだろうと考えたリュカであったが、次の瞬間。炎があっさりと霧散し、パリンとガラスが砕けるような甲高い音が鳴り響いた。

《あ……あああぁぁぁッ!》

「――ッ! ヒノカ様!?」

 突如苦しげな声をあげたヒノカに向かってリュカが慌てて振り返った。轟々と燃えていた炎がさらに勢いを増し、社の中を暴れ回っていく。

「そ、んな……! どうして……ッ!」

 ヒノカが自ら施した封印に目を向けると、先程まで赤く光っていたそれらの魔導言語は光を失ってしまっているではないか。思わずヒノカの釜の足下に描かれた魔法陣に目を向けると、どうやらそちらも消えてしまっている。

「ふぅ、暑いなぁ、ここ」

 切迫したこの状況に似つかわしくない、呑気な声が聞こえてリュカが振り返る。そこには、先程ヒノカの炎に身体を焼かれていたはずの少女が、まるで何事もなかったかのように立ったまま、自分の顔を自らの手で扇いで立っていた。

「な、にを……?」

「あぁ、簡単なことだよ。ボクはね、『魔獣』と人間の合成獣――キメラなんだ」

 ニタリと口角をあげた少女の目は、猛禽のように縦に伸びた瞳孔を見せていた。
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