しょせん、親友

 私──山川海には唯一無二の親友がいた。その親友が私を裏切ったのは、高校生三年目の、まだ鶯の鳴き声が残る夏の始まりだった。
 閉塞された田舎での日々は息苦しく、さらには両親からかえりみられない人生は愛情への飢えをかきたてていく。そんな人生で私を唯一愛し、求めてくれたのが親友の市原乙女だった。
 互いに家族への問題を抱えた私達は、それぞれの心の隙間を埋めるように依存しあっていく。
 神にも忘れられた廃教会。二人だけの赤とオレンジの秘密。ずっと一緒にいようねという約束。
 そんな私達の短い友情の物語は、復讐譚へと変わってしまった。
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