エレノア・マーロウの決意

灰色の日々を生きるエレノアが、歌う事を通じて勇気を出し、光を取り戻すまでのストーリー。

エレノア・マーロウには幼い頃からの婚約者がいた。

ブライアン・ロッソ
遠縁の子爵家の次男だ。
エレノアと結婚して将来マーロウ家を継ぐことが決まっている。

いつもエレノアをエスコートしてくれて、ドレスも一緒に選んでプレゼントしてくれる。
浮気などもなくエレノア一筋。悪い噂も一切ない、非の打ちどころがないなかなかの好青年。
エレノアはいつも、ブライアンは自分なんかにはもったいない相手だと思っていた。


でもブライアンといるとなぜかいつも息苦しい。

「友達と街へ遊びに行く?そんな事をしては品位と人格が疑われるてしまうよ。」

「エレノアはこっちの方が好きなんだよね?」

「歌が好き?ああ、確かに少しは聞けるけど。笑われてしまうだろうから他の人の前では歌わないほうが良いよ。」


今日も紺や灰色の服を着て、灰色の日を生きる。
笑い方、喋り方、手の上げ下げまでブライアンの言うとおりにしなければいけない。
まるで淀んだ沼の中で生活しているようだ。


そんなある日、侯爵家のガーデンパーティーを抜け出したエレノアは使用人の服を着た青年に出会う。

「君さあ。地味な服装に地味な髪型。無難な図案の刺繍。・・・何かないの?他に自分の好きな事とか。」

そう聞かれたエレノアは、自分が歌う事が好きだったことを思い出す。
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