異型の僕が愛した娘

悲しみ、苦しみ、怒り、妬み…、ここは負の感情が集まる世界。

負にまみれたこの世界で、僕の顔は仮面に覆われてしまった。
笑っているのかも、泣いているのかも、僕の顔からは読み取れない。

それなのに君は、どうして僕の気持ちがわかるの?

それはこの世界に堕ちてきた、迷子の娘。

そんな彼女は美しいのに、無表情で、無感情で、僕よりも仮面らしい顔をしていた。

そんな彼女を僕は愛おしいと思った。

彼女を元の世界に戻してあげなくては。
ここにいては彼女も異型と化してしまう。
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