新しい運命を知ったので婚約解消を打診したら、アイアンクローをかまされた。
「久し振りね。少し窶れたかしら?」
うちに呼んだ婚約者が、俺の顔を覗き込みながら言って席に着く。
「……今日は、君に大事な話があってな」
緊張で声が震えないよう、息を吐いて婚約者を見詰める。
「なぁに? そんな深刻な顔して」
「聞いてくれ。実はな、俺は……体調を崩している間に新しい運命を知ってしまったんだ。というワケで、君とはまあ、それなりに相性は悪くなかったからな。結婚してもいいと思っていたが、気が変わった。婚約を解消しよう。なに、君に瑕疵はないということにして、白紙撤回でも構わないさっ☆」
一気に言い募り、てへっ☆と、笑う。
「は?」
案の定、婚約者は低い声で俺を見やり、
「おい、なに寝言言っとんじゃ手前ぇ。フザケんのも大概にせぇよ?」
あろうことか、ガシッ! と俺の顔面を掴んでメンチを切る。
「ちょっ、痛い痛い痛いっ!? 痛いってばっ! ストップ! 暴力反対ーっ!?」
「あん? 手前ぇがフザケたこと抜かすからだろうが?」
「や、だか、ら……ぅっ、ちょっ、マジやめて? 俺、病み上がりよ?」
「チッ……」
舌打ちの音と共に、俺の顔面を握り潰さんが如く握力の籠められていた力強いアイアンクローの手が緩み、
「あだっ!?」
ピシッと、最後にデコピンを食らわせて離れて行った。
「ふっ、化け猫が剥がれたな! さすが、男兄弟の真ん中娘! 漢前で気が強いぜ!」
設定はふわっと。
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「聞いてくれ。実はな、俺は……体調を崩している間に新しい運命を知ってしまったんだ。というワケで、君とはまあ、それなりに相性は悪くなかったからな。結婚してもいいと思っていたが、気が変わった。婚約を解消しよう。なに、君に瑕疵はないということにして、白紙撤回でも構わないさっ☆」
一気に言い募り、てへっ☆と、笑う。
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あろうことか、ガシッ! と俺の顔面を掴んでメンチを切る。
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「チッ……」
舌打ちの音と共に、俺の顔面を握り潰さんが如く握力の籠められていた力強いアイアンクローの手が緩み、
「あだっ!?」
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