孤独なきつねは優しい白虎の腕のなか。



 獣人が暮らすこの国では「黒」が高貴な色とされていた。反対に「白」は不吉な色とされ、それを纏うものは忌み嫌われる。

 そんな世界にまっしろな耳としっぽ、髪をもって生まれた狐は、家族から冷遇されそしてーー捨てられた。

 身寄りのない彼が行き着いたのは、人気のない一軒家。
 寒さと飢えを堪えながら、幾夜を過ごした彼を見つけたのは、彼と同じ色をもつ虎獣人だった。


 これは、忌色をもった虎と狐、ふたりぼっちの物語。
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