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乙女ゲームには、悪役令嬢が必要なようです。

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 桃色のアリアが数人の女生徒に絡まれている。
見るからに、怯えたアリアにド金髪の立てロール女と意地悪そうな取り巻きに何か言われている。

「貴女、マグノリア男爵のアリア・マグノリア嬢ね。」ド金髪の女性いが言う。
「はい、私はアリア・マグノリアです。」
取り巻き1が「男爵令嬢の貴女が優秀なクラスのソルだなんて」ねぇと、取り巻き達が囁き合っている。

 実力や魔力が強力で、王国に力を尽くす家督は爵位が上がる。代々魔力の強力な家督でも魔力が衰え王国尽くせなけれ、爵位は落ち没落する場合があった。
 マグノリア男爵家も魔力が強い者が現れた、それがアリアだった。

「ですが、マグノリア嬢お母様が市井でお育ちだとか!マグノリア男爵もご正妻が入らしたはず。」

「まぁ、愛人の娘が男爵令嬢だなんて」ほほほっと笑っている。


 お兄様が着く前に

「お話し中、失礼しますわ!」
私は声を張った。

 市井だの愛人だの、ムカつくんだよ!

「今のお話しお聞きしましてよ。」私はツカツカと歩き、アリアの前に立つ。

「私は、クリスティーヌ・アンバー。アンバー公爵の息女です。貴女方に申し上げたいことがありますわ。」

 ド金髪立てロールと取り巻きを睨む。

「先程の言葉 この方には、関係ありませんわ!貴女方にも言う権利はありません!」私は腰に手をあてド金髪立てロールと取り巻きを睨み付ける。
「マグノリア男爵がお決めになり、それにマグノリア嬢には高い魔力があると学園長や先生方がお決めになったことです。
 文句があるなら、直接先生方に真意をお確かめ下さいませ。」

 ド金髪立てロールと取り巻きはアワアワしながら「失礼いたしました」と言い自分達のクラスへ入っていった。

 アリアに絡む悪役令嬢と取り巻き、私が悪役令嬢しないから私の変わりに誰かがアリアに意地悪するって事。

 あまりの事に頭がクラクラし、ふらついた。

 ふっとしたとき、誰かが私を支えた。

「大丈夫ですか?」しっかりと私の肩を支える。

「へっ、」

 支えてくれた相手を見上げた。
げぇぇぇぇぇ…ーーーー。

 予想外にルドルフ殿下が、私を支えてくれていた。

「ありがとうございます、ルドルフ殿下。私は大丈夫です。」

 私は、ルドルフ殿下から急いで離れた。
 もう、アリアの前でなにやってるのよ。

 私はアリアに向き直った。

「大丈夫でしたか?心ない事を言う人が…居ないとは言えませんが、気になさらないで下さいね。
 だって、ソルのクラスにはルドルフ殿下もいらっしゃいますし。安心です。」

「はい、ありがとうございます、アンバー嬢」

そして「ルドルフ殿下」アリアはルドルフ殿下を見上げた。

 やだーーーーー、初めて出会うルドルフ殿下とアリアのスチルやん。

 神々しい、神様ありがとう。

ルドルフ殿下はアリアに神々しい笑顔を見せ「大丈夫ですか?」と優しく労る。

 アリアはルドルフ殿下を見上げ、真っ赤になり「はい、大丈夫です ありがとうございました。」と花のように笑いお礼を言った。

 「アンバー公爵令嬢、ルドルフ殿下、お助け頂きありがとうございました。私、アリア・マグノリアと申します、よろしくお見知りおきください。」
「クリスティーヌ・アンバーです。同じクラスですので仲良くして下さい。」
「ルドルフ・アークジェント、この国の第一王子です。学園では身分はは関係ありません、魔力や学力を伸ばす場です。今のような事がないよう、第一王子として学園の方にも声をかけておきます。」
「ありがとうございます、…何とお呼びすればよいでしょうか?」
「それではルドルフと…」

 それ、ゲームのまんまよ。

「ルドルフ殿下、お心使いありがとうございます。」

 見つめ合う二人

 どうしよう、これ以上見て居たくない。胸が苦しい。
クリスティーヌは、そっと胸に手を当てる。

「クリスティーヌ?どうかしたのか?」お兄様の声。

「顔が真っ青だぞ。」お兄様は私の顔を両手で挟む。

「イクエル、いくら兄妹でも触り過ぎだ!」とお兄様の手をはじいた。

 ルドルフ殿下は不機嫌そうにしていたが、かまっていられなかった。

 その時き、予礼の鐘が鳴った。

「私、クラスに行きます。お兄様又後で。」クラスへ行こうとする私の手を掴む。

「お昼、食堂で会おう。」

「はい、お兄様。」と力なく微笑む。
 今度は、クリスティーヌの空いた手をルドルフ殿下が握り「急ごう」とアリアと一緒に、一年のソルのクラスへ向かった。

 アリアの前で、手を握るなんて、どうして殿下?
 貴方が手を取るのはアリアなのよ。
 でも、その行為をクリスティーヌを幸せにした。
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