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第25話 疑念
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カランカラン
お店に設置した呼び鈴がなる。
ルークは中に入りながら声を出す。
「邪魔するよ」
「おお!ルークじゃないか!?久しぶりだな!!」
酒場の店主がルークに声をかける。
ルークは手を上げて挨拶しながら店主のいるカウンター席に腰掛けた。
「近くに来たから顔を出そうと思ってな。しかし、客が居ないな・・・。大丈夫なのかボイル?」
「それはありがたい。中々寄ってくれないからもう来ないかと思ったぞ。・・・客が居ないことには触れてくれるな。。。たまたまだ」
酒場の店主・・・ボイル。
嘗て彼が軍にいたときにルークと同期だった男だ。
5年前に除隊し、現在に至る。
「ならいいが」
「ああ、それで何にする?」
「そうだな、麦酒をくれるか?あと、上手い飯も」
「了解っと、ほらまずは麦酒だ」
ボイルは手慣れた様子ですぐに酒をいれてルークに渡し、自分の分も用意する。
「流石、手慣れているな」
「まぁな。ほら、再会を祝して」
「再会を祝して」
二人は麦酒の入った杯を軽くあて、口をつける。
「ふぅ。美味いな」
「だろう?ちょっと待ってな、今飯を作るから」
そういってボイルが料理を始める。
あの後、軍の銀行にいったらルークの口座は幸い無事残っていた。
これで当面金に困ることはなくなったルークはどこかで酒を飲もうと思ったときにボイルの店を思い出し現在に至る。
「それで、何か相談でもあるのか?」
料理をしながらボイルが尋ねる。
「そう思うか?」
「ああ」
「相談はついでで、酒と飯を食べに来たのが本命だよ」
「それは嬉しいね。ついでの話も聞いてやるよ」
「そうか?ならまず聞くがどこまで知ってる?」
本題に入り前にルークがボイルに尋ねる。
「大体把握してるよ。お前さんが副大隊長を殴って軍を出たこと、ヤムイ村を救ったことなんかはな」
「なら話は早いな。あの村を襲撃した連中をどう思う?」
ボイルは表向きは酒場の店主だが、裏では情報屋をやっている。
ルークがこの店に来た理由の一つにそのこともあった。
「不審過ぎるな。まず、あの辺りに盗賊のような連中はいない。少人数はいるかもしれないが数十人規模はありえない。そうするとわざわざ何の価値もないあの村まで遠征して襲ったことになる」
「なるほど。やはりそうか」
ルークは戦った感じからしてあの連中が盗賊になりすましているだけではないかと睨んでいた。
「ああ。ルーク、お前さんはどういった連中だと思っているんだ?」
「自国の反乱分子か他国の手のものだろうな」
「・・・中々発想が飛び抜けているな」
予想以上のルークの回答にボイルが驚く。
「まあな、半分以上は勘だ」
「お前の勘はよく当たるからな。ほれ」
ボイルは出来上がった料理をルークの前におく。
肉や野菜をご飯と一緒に炒めたものだ。
「美味いな」
「ありがとうよ」
ルークは黙々と食べる。
食べ終わる頃を見計らいボイルが声をかける。
「・・・これからどうするんだ?」
ボイルはルークの事情を把握していたが故に適当な言葉をかける気にはなれず、そう聞くのが精一杯であった。
「会ってくれるか分からんが、久しぶりに西の軍支部にいるライオットに会ってみようと思う。もし会えたら今回の件を伝えるだけ伝えておくつもりだ」
ルークはもし他国の勢力だった場合、西か東のどちらかの手の者だと考えていた。
残念ながら、東の軍支部には知り合いがいないため西の軍支部に向かう。
「なるほどな。その方がいいだろうな」
(そういう意味で聞いたわけじゃないんだが・・・まあお前さんらしいか)
目の前のことでやれることをやる。
ルークという男はいつだってそうだった。
(もっと落ち込んでいるかと思ったが元気そうで良かったぜ)
「さあ、辛気臭い話はここまでにして今日は飲み明かそうぜ」
「・・・そうだな」
こうしてルークとボイルは朝まで飲み明かすのだった。
お店に設置した呼び鈴がなる。
ルークは中に入りながら声を出す。
「邪魔するよ」
「おお!ルークじゃないか!?久しぶりだな!!」
酒場の店主がルークに声をかける。
ルークは手を上げて挨拶しながら店主のいるカウンター席に腰掛けた。
「近くに来たから顔を出そうと思ってな。しかし、客が居ないな・・・。大丈夫なのかボイル?」
「それはありがたい。中々寄ってくれないからもう来ないかと思ったぞ。・・・客が居ないことには触れてくれるな。。。たまたまだ」
酒場の店主・・・ボイル。
嘗て彼が軍にいたときにルークと同期だった男だ。
5年前に除隊し、現在に至る。
「ならいいが」
「ああ、それで何にする?」
「そうだな、麦酒をくれるか?あと、上手い飯も」
「了解っと、ほらまずは麦酒だ」
ボイルは手慣れた様子ですぐに酒をいれてルークに渡し、自分の分も用意する。
「流石、手慣れているな」
「まぁな。ほら、再会を祝して」
「再会を祝して」
二人は麦酒の入った杯を軽くあて、口をつける。
「ふぅ。美味いな」
「だろう?ちょっと待ってな、今飯を作るから」
そういってボイルが料理を始める。
あの後、軍の銀行にいったらルークの口座は幸い無事残っていた。
これで当面金に困ることはなくなったルークはどこかで酒を飲もうと思ったときにボイルの店を思い出し現在に至る。
「それで、何か相談でもあるのか?」
料理をしながらボイルが尋ねる。
「そう思うか?」
「ああ」
「相談はついでで、酒と飯を食べに来たのが本命だよ」
「それは嬉しいね。ついでの話も聞いてやるよ」
「そうか?ならまず聞くがどこまで知ってる?」
本題に入り前にルークがボイルに尋ねる。
「大体把握してるよ。お前さんが副大隊長を殴って軍を出たこと、ヤムイ村を救ったことなんかはな」
「なら話は早いな。あの村を襲撃した連中をどう思う?」
ボイルは表向きは酒場の店主だが、裏では情報屋をやっている。
ルークがこの店に来た理由の一つにそのこともあった。
「不審過ぎるな。まず、あの辺りに盗賊のような連中はいない。少人数はいるかもしれないが数十人規模はありえない。そうするとわざわざ何の価値もないあの村まで遠征して襲ったことになる」
「なるほど。やはりそうか」
ルークは戦った感じからしてあの連中が盗賊になりすましているだけではないかと睨んでいた。
「ああ。ルーク、お前さんはどういった連中だと思っているんだ?」
「自国の反乱分子か他国の手のものだろうな」
「・・・中々発想が飛び抜けているな」
予想以上のルークの回答にボイルが驚く。
「まあな、半分以上は勘だ」
「お前の勘はよく当たるからな。ほれ」
ボイルは出来上がった料理をルークの前におく。
肉や野菜をご飯と一緒に炒めたものだ。
「美味いな」
「ありがとうよ」
ルークは黙々と食べる。
食べ終わる頃を見計らいボイルが声をかける。
「・・・これからどうするんだ?」
ボイルはルークの事情を把握していたが故に適当な言葉をかける気にはなれず、そう聞くのが精一杯であった。
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(もっと落ち込んでいるかと思ったが元気そうで良かったぜ)
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「・・・そうだな」
こうしてルークとボイルは朝まで飲み明かすのだった。
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