その花は、夜にこそ咲き、強く香る。
『なんで、アイツの顔見えるんだよ』
相貌失認(そうぼうしつにん)。
女性の顔だけ上手く認識できないという先天性の病を発症している少年、早坂翔(はやさかしょう)。
夏休みが終わった後の八月。彼の前に現れたのは、なぜか顔が見える女の子、水瀬茉莉(みなせまつり)だった。
他の女の子と違うという特異性から、次第に彼女に惹かれていく翔。
中学に進学したのち、クラスアート実行委員として再び一緒になった二人は、夜に芳香を強めるという匂蕃茉莉(においばんまつり)の花が咲き乱れる丘を題材にして作業にはいる。
ところが、クラスアートの完成も間近となったある日、水瀬が不登校に陥ってしまう。
それは、彼女がずっと隠し続けていた、心の傷が開いた瞬間だった。
※第12回ドリーム小説大賞奨励賞受賞作品
※表紙画像は、ミカスケ様のフリーアイコンを使わせて頂きました。
※「交錯する想い」の挿絵として、テン(西湖鳴)様に頂いたファンアートを、「彼女を好きだ、と自覚したあの夜の記憶」の挿絵として、騰成様に頂いたファンアートを使わせて頂きました。ありがとうございました。
相貌失認(そうぼうしつにん)。
女性の顔だけ上手く認識できないという先天性の病を発症している少年、早坂翔(はやさかしょう)。
夏休みが終わった後の八月。彼の前に現れたのは、なぜか顔が見える女の子、水瀬茉莉(みなせまつり)だった。
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中学に進学したのち、クラスアート実行委員として再び一緒になった二人は、夜に芳香を強めるという匂蕃茉莉(においばんまつり)の花が咲き乱れる丘を題材にして作業にはいる。
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この度はTwitterでの「第2回読みます企画」にご応募頂き有難うございました。
予定では数話読んで終わる予定だったのですが、
最後まで読んでしまいましたので感想が少し遅れました。
深い内容ながら面白かったです。
相貌失認の設定が個人的に共感できました(とはいえ私は名前が覚えられないだけなのですが)。
あとは秘密の解き明かし方が巧みだなと思いました。
最後に。
私は2人を応援したいですね。
感想、ありがとうございました。
「愛することの意味」を作品のテーマにすえ、ただひたすら愛し合う二人の姿を丁寧に描くよう心掛けました。
ええ、そう。感想書きにくい部分があるんですよね苦笑。ですので、「二人を応援したい」という一言だけで充分です。この作品を書いてよかったという気持ちになれます。
ツイッターにてご応募ありがとうございます。読むのが遅くなってしまい申し訳ありません。花音さんの書く物語は素敵なお話ばかりですね。もう、あらすじからこれは引用RTしようと思った程でした。茉莉の顔だけ見えるのは茉莉が男の子だったり?とも思ったのですが、そうでは無さそうですね。青春の甘酸っぱい雰囲気に心を掴まれました。この病は実際にあるものなのでしょうか?微力ではありますが、応援しております。これからも作品投稿、頑張ってくださいませ。
「相貌失認」は実際にある病で、有名どころだと「ブラット・ピット」も罹患しています。顔が見えないというよりも、識別できない(特徴を認識できない)といった方が症状として適切でしょうか。茉莉が男の子はさすがに無いのですが、二人の恋の行方だったり、病を抱えながら彼がどう生活していくのか、などが今後のテーマとなります。
感想、ありがとうございました。
わー、まさかの読了&長文感想ありがとうございました。とても、とても、嬉しいです。
いや、まったくその通りである、主人公やヒロインの造形から、まわりを固めるサブキャラにいたるまで、自分の「好き」をあますことなく詰め込んで書いた作品です。結末もどうやって描くか? どこで物語を切るべきか? と試行錯誤した結果、10年後まで描ききることになりました。
結果として、これで正解だったと思っています。
著作権の関係で詞を引用できないのですが、たなばた祭りの場面で徹が歌った楽曲は「s〇cr〇t b〇s〇 ~君〇く〇たもの~」を意識しています(このくらい伏せておけば平気でしょ?)。結構、「そうでしょ?」という指摘をされているんですけどね笑。
Twitterから来ました。
かなり興味深い作品でした。
主人公もヒロインもキャラクターが立っていて、寡黙そうな茉莉がどうして主人公と1話の関係になっていくのかめちゃくちゃ気になっています。
これからも読み進めていきたいです!
わああ……( ;∀;)感想ありがとうございました。
アルファポリスは半年に一件ペースでしか感想が貰えないので、めちゃめちゃ嬉しいです。
冒頭で親密になる描写を入れてから、過去に戻って二人の出会いから見せていく構成です。
他にも様々伏線を張り巡らして展開していきますので、続きも拝読して頂けると幸いです。
面白かったです! 水瀬さんの秘密が少しずつ明かされるたびに、翔くんとの関係はどうなるんだろう? とドキドキしました。結末は……いろいろ考えさせられました。幸福とは、結局のところ主観であって、客観では無いのかも知れませんね。切なさ、やりきれなさを含みつつも、それでもハッピーエンドだと思います。
東郷しのぶ様。
素敵な感想をいただきまして、ありがとうございました。
そうですね。冒頭からヒロイン水瀬茉莉の謎めいた行動を複数みせることで読者の興味を引き、ページを捲らせるように──と物語の構成を心がけました。そう言って頂けると励みになります。
結末についてもどうするべきか散々悩んだ末に、今のかたちに落ち着きました。色々な含みを持たせましたが、それでもハッピーエンドだと私も思っています。
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