『スパダリ王子と、恋する妖精のうっかり奇跡!』

『スパダリ王子と、恋する妖精のうっかり奇跡!』

星降る夜の 王宮の窓
ため息ひとつ こぼす王子

誰にも見せない 孤独の色を
小さな妖精は そっと見つめた

---

「笑ってほしいな」
その願いだけで

冷たい廊下に 花が咲く
空っぽのカップに 甘い紅茶
眠れぬ夜には 優しい風

だけど王子は 気づかない

「今日は少し 運がいいな」

そう言って笑うたび
ルルの胸は きゅっと鳴る

---

見えないままで
隣にいた

マントの中で
同じ景色を見た

剣を振るう背中も
疲れて眠る横顔も

全部 全部
大好きだった

---

嵐の夜に 震える声

「僕はちゃんと
誰かを守れているのかな」

その独り言に
涙こぼれて

「ひとりじゃないよ」

小さな声は
風にまぎれて消えた

けれど王子は
少しだけ笑った

---

最後の奇跡は
恋する願い

「どうか負けないで」

その瞬間
黄金の光が世界を包む

そして初めて
王子は見つける

ずっとそばにいた
小さな羽根を

---

「君だったのか」

泣き虫妖精は
うつむいたまま

「ごめんなさい」
「私があなたを――」

だけど王子は
その手を取る

---

「違う」

「君がいたから
僕は強くなれた」

---

星降る夜の 王宮の窓

今度はふたりで 並んでる

見えない奇跡は
もういらない

恋する妖精は
ちゃんと見つけてもらえたから

そして今日もまた
王子の部屋には

少し多すぎる朝ごはんと
世界でいちばん幸せな笑い声。

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