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一部 同じ日のループ

6-⑤ラブホテルで※

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 ……おかしい。

 いつもの三浦だったら、すぐに襲ってきたのに。
 まあ観覧車は仕方ないとして、プリクラにエレベーターなんて危険すぎる場所じゃないか。
 それなのに、どうして普通にデートなんてしているのだろうか。

 思わずお前は本当に三浦かと尋ねたくなる。

 もしかして両思いだと優しいのだろうかとも思ったが、最初に三浦に犯された時も両思いと勘違いされていたはずだ。


 ――忘れるな、あの痛みを。

 引き裂かれるような痛みを。屈辱的な行為を。泣いてリセットボタンを押したあの時を。

 それなのに、中で出されたときの感覚を思い出して、腹の中が熱くなった。






 カラオケに行こうと言われたので、それなりに警戒はした。
 とはいえ三回も身構えて空振りに終わったこともあって、今回も特に何もないだろうという油断があった。
 利用したことのないカラオケ店だなあとも思ったが、それ以上は特に何も思わなかった。部屋を先に選ぶシステムのカラオケなんてあるんだな。変なの、とも思った気がする。

 部屋に入ると玄関みたいになっていて、靴を脱いでスリッパに履き替える。もう一つあったドアを開けると、大きなテレビだけじゃなくて、異様なものが目に入る。

「……涼太がずっとえっちな目で見てくるから、我慢できなくなっちゃった」

 固まった涼太はずるずると部屋の中央にある大きなベッドへ引きずられていった。

 ベッドにぽんと放り込まれて。のし掛かってくる三浦の顔を見ながら、ようやく、ここがラブホテルというものだと気がついた。


 ……しかも、今度はいよいよ現実だということも。





 唇が軽く触れて、すぐに離れていく。

「甘いね」

 今度はケーキなんて食べてないはずなのにそんなことを囁かれる。

 再び触れて、今度は舌が入り込んでくる。

「んっ……」

 舌を絡めとられるとそこから逃れる気になれなくなる。体の力が抜けていき、三浦に全てを委ねてしまう。

「ずっと俺とえっちしたいって思ってたでしょ?二人きりになる度に期待しちゃった?」
「してな……」
「でもほら、キスだけで硬くなってる」
「――やっ」

 ズボンの上からペニスを撫でられると、甘い声が漏れる。たしかにそこは勃起していて、だけどそれがキスのせいなのか、これまでの想像のせいなのか、それとも三浦にいよいよ押し倒されたからなのかはよくわからなかった。

「涼太、好きだよ」

 そうやって甘く囁かれると、ゾクゾクしてしまう。
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