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第五章 呪いが解けるまで楽しむ予定です
神獣様、様々です
しおりを挟む出発して三時間。
追手の気配はない。
活動時間なのに、倒した魔物の数は二体だけ。考えていたより遭遇率がかなり少ない。少な過ぎる。〈認識阻害〉の魔法を掛けているとはいえ、最低この十倍以上は倒さないと思ってたんだけど。低ランクの魔物は姿さえ現さないし。でも、潜んでいるのはわかる。空気がピリピリしてるからね。
……何かを、恐れて警戒しているの?
そんな考えが頭を過る。ふと、目の端に白い体毛が映った。
あぁ、そういうことね……神獣様を恐れて出て来ないのね。神獣様々だわ。
フフンと、神獣様が私を見る。うんうん、神獣様凄い。後でブラッシングさせてくださいね。
まぁそれはさておき、倒した魔物はかなりの高ランクだったから、ちゃんとお金になりそうな部位は回収したよ。魔石も大きかった。中には、ドロップアイテムを落とす魔物もいたよ。ラッキー。もちろん、喜んで回収させていただきました。
魔石って結構なお金になるんだよね。魔物の部位を売るよりも。ドロップアイテムはレアアイテムだから、魔石と同等かそれ以上だけど。
理由は、魔法具を作るときに魔石が必要になるから。平民にも魔法具が浸透しているから、その需要は衰えることはないのよ。魔石目的のハンターもいるしね。そういうの、私的には好かないけど。
魔石には色々種類があるんだけど、大きく分ければ二つかな。
一つが、魔物の命が結晶化したもの。
残りは、自然界からの恵みね。
鉱石に混じってたり、水脈や龍脈などの近くにあったりする。ダンジョン内にもね。魔物から取れる魔石とは違い、とても貴重で、小さいものでもかなりの高値がつくわ。手のひらサイズの魔石なら、有に一生遊べて暮らせるんじゃないかな。なので、一攫千金を狙って、ダンジョン専門のハンターもいるわね。かなりの高ランクでなければ無理だけど。
神獣様のおかげで、体力的にまだまだ余裕がある。とはいえ、ペース配分はきちんとしないとね。途中でへばったら、即命取りだからね。ダンジョンに行くまでに死んだら泣くわ。でも死んだらどうなるのかな? 本体は大神殿にあるわけだし、魂だけになって修復するまで漂ってなきゃいけないのかな?
「それはないな。ゼリアスのところでタダ働きだろ」
「タダ働きって……」
「ゼリアスに仕えている天使どもは、皆目の下に隈をつくっておるぞ」
溜め息混じりに神獣様は教えてくれた。マジですか……
「ほんとに? ……行きたくないわ」
「何を言ってる? いずれ、その仲間入りをするのだろう。カインと共に」
さも当然のように告げる神獣様。一瞬、言葉を失ったわ。なんとか振り絞り答える。
「……死んだ後にね」
知りたくない現実を知ったわ。こうなったら、生きているうちに人生を謳歌するわ。後悔しないように。
「ふむ。前向きというか、空元気だろうが、人生を謳歌することは良いことだ。我も応援するぞ」
「ありがとうございます、神獣様」
その手始めに、まずはダンジョン探索よ!!
応援ありがとうございます!
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