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第六章 友人からお使いを頼まれました
子供扱いしないでください
しおりを挟む私が十四歳だってことがわかってから、ライさんとジョルジュさんの態度が激変したの。過保護の方にね。
私を護るように二人の間に挟まれての移動だし、マジで、そういうのいらないんだけど。二人は好意でしてくれてるのがわかってるだけに言い難いけど、ここははっきりと言わないとね。だって、私はフリードさんの護衛のために、この旅に同行してるのよ。真ん中はおかしいでしょ。そこ、本来はフリードさんの場所よね。
そりゃあ、フリードさんが、他人に護ってもらわなきゃいけないくらい弱いわけでもないし、一人で旅をしても全然平気なのはわかってるけど、これとそれとは話が違うでしょ。
なので、ここははっきりと言わしてもらいます。
「ライさん、ジョルジュさん、そこに座ってください」
私を座らせて、休憩時間もせかせかと動いている二人に私はやや厳しい声で言った。
「ん? どうした? 疲れたのか?」
「だったら、ここからは抱っこしてやろうな」
ライさんとジョルジュさんは私を心配する。
「いやいや、抱っこって、小さい時に数回しかしてもらってませんよ。まぁ親って言っても、義父親ですけど」
つい、ポロッと溢してしまったら、すっごく同情されてしまったよ。
「そうか。辛い想いしてきたんだな。頑張ったな」
「数回って……マリエールは偉いな」
ライさんもジョルジュさんも私の頭を撫でてくる。涙ぐみながら。二人とも、人良すぎでしょ。
それにしても、これ、さらに拍車が掛かってない!? 私の馬鹿!! 余計なこと言っちゃったわ~~。
頭を抱え込みたくなる私を、フリードさんは肩を震わせながら見ている。絶対、笑ってるよね。楽しんでるよね。
頼みの綱の神獣様を伺えば、「マリエールは頑張り屋だからな。これくらい甘やかされても罪はない。たがな、触り過ぎは許さんぞ」と呟いてるし、これ、絶対駄目じゃん。
「ライさん、ジョルジュさん、私を子供扱いしないでください!! 私はフリードさんの護衛として、旅に同行してるんですから!!」
気を奮い立たし、私は断固として抗議する。
そんな私を、「「うんうん」」と頷きながら聞く、ジョルジュさんとライさん。
「マリエールは偉いな。ちゃんと、仕事をしようとしてる。責任感もあるな」
おい、お前は私の父親か。
突っ込む代わりに、ジョルジュさんに蹴りをいれてしまったわ。
「いい蹴りだな。元気があっていいぞ」
なぜか、とても嬉しそう。
「子供はこれくらい元気があって当然だな」
そっか……二人の目には、私は子供としか映んないだね。わかりましたよ。
「マリエールさん、早々に諦めた方がいいですよ。ライとジョルジュの種族は、特に子供を大事にしている種族だからね。一族全員が親みたいに子育てしているんですよ。あっ、ちなみに、僕の所もそうなので、覚悟してくださいね」
ニコッと微笑みながら、フリードさんは言った。
呆然とする私に、ライさんが「これも食べるか?」と、自分のオヤツを私の皿にのせた。もちろん、ジョルジュさんもフリードさんも。
食べれますけど!!
ニコニコしながら、私が食べるのを待ってるようで、食べなければ余計にややこしくなりそうなので食べたわよ。注目されながら!!
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