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ルサールカ
ルサールカ〜父と精霊の名の元に④
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危険な地区を抜け、ある程度そのまま裏路地を歩き続けていると、彼が突然、ビルの外階段をよじ登り始めた。
「……え?」
「着替えてくる。ちょっと待ってろ。」
彼はとそう言い残すと、錆びで崩れてきそうな鉄階段を登っていく。
こんなところに住んでいるのか?と思ったが、彼はそのまま屋上に登った。
どうやらここの屋上で浮浪者と「入れ替わって」いたようだ。
私は折り畳み傘をさして、その場で待っていた。
雨はほとんど止み小雨に戻っていた。
さっきの土砂降りは、本当にタイミングが良かった。
彼が「水を呼ぶ」というのもあながち嘘ではないのかもしれない。
そんな事を思い、少し笑ってしまう。
「待たせたな。」
「いえいえ。」
着替えては来たのだが、浮浪者の様な髭はそのままで、本人もそれは気にしているのか、フート付きの服を着ていて、頭からすっぽり被っていた。
「ん。」
「え?」
彼は何故か私に手を出してきた。
演技を頼んだから、報酬を要求されているのだろうか?
私は不思議に思いながら、数枚の紙幣を手に載せた。
その瞬間、彼が怒った。
「馬鹿!もう浮浪者役は終わりだっての!!ブツを寄越せ!!」
どうやら「ルサルカ」を渡せと言っているらしい。
浮浪者役は終わったけれど、ジャンキー役は終わっていないのだろうか?
不思議に思ったのが顔に出たのだろう。
彼が苛々しながら言った。
「あのな?!それが本物か調べる必要もあるだろうが!!」
「あ、なるほど。」
「しかもお前が持ってたんじゃ、しょっぴかれるぞ?!」
「そういえば、警察関係者でしたね。忘れてました。」
「……おい。」
冗談ではなく、それを忘れてしまう。
特にあの見事な浮浪者っぷりを見た後だと、すっかり抜けてしまっていた。
小さなジッパーに入った出すと、彼がそれを奪い取る。
「飲み過ぎないようにしてくださいよ。」
「……飲まねぇよ。」
思わずそう言うと、彼が心底、嫌そうな顔をした。
それが少しおかしい。
「次は再来週か?」
「いえ、再来週は一人で行きます。」
「……大丈夫か?」
その言葉に驚く。
彼と私はビジネスライクな繋がりだと思っていたからだ。
けれど小雨の降る中、フード越しに見えた彼の目は確かに私を心配していた。
その事に妙な不安感を覚えた。
「……大丈夫ですよ、「父さん」。」
「?!」
そう嫌味で言ったつもりだった。
でも言ってしまったら物凄く落ち着かない気分になった。
それは彼も同じだったのか、ボカっと私を殴った。
「俺は帰る!!」
そう言って不機嫌そうに大通りの方に消えて行った。
私はそれを何も言わず見送る。
傘を返しそびれたな、と思った。
あの時受け取った「ルサルカ」の結果が出た。
そう言って彼に呼び出されたのは、流行らない立ち飲みバーだった。
私がつくと彼はもうついていて、こちらに軽く手を上げた。
一番隅の、人気のないテーブル。
彼はすでに飲み始めていた。
「よ。」
「お疲れ様です。」
ガムを噛みながら面倒そうに注文を取りに来たウエイトレスに、同じものを頼む。
彼はどうでも良さそうに、瓶ビールを口にしていた。
「で?」
「本物だ。」
「それは良かった。」
「良くねぇ。」
「どうしてです?」
「……今まで見つかった物の中で、一番純度が高かった。」
「つまり、どこかで少し混ぜ物をして、かさ増しされた物じゃないって事ですね。」
「……お前、もうあそこには行くな。こっちで調べる。」
「ご冗談を。その情報から行けば、かなり大本に近づいているんです。そっちに介入されたら逃げられます。」
「駄目だ。その分、危険すぎる。手を引け、ジン。」
彼が私を睨んだ。
私はその視線から目を反らさなかった。
「え?注文、ビールよね?ジントニックだった?」
そこにさっきのウエイトレスがやってきた。
イヤホンをつけて音楽を聞いているらしく、こちらの会話を聞き間違えたようだ。
あってますよと私は笑って受け取る。
確かに名前を酒だと思われる事はよくある事なのだ。
けれど彼がすかさずジントニックを注文する。
「……わざとですか?」
「さぁな。」
ケッとばかりに彼はそう言うと、瓶に残っていた分を飲み干した。
私は自分のビールに口をつける。
何度か会ってわかったのは、彼が人を寄せ付けないように見えるのは見かけだけだ。
言葉も荒いし突慳貪としているので、取っ付きにくいといえば取っ付きにくい。
でも彼本人はそうじゃない。
一度、無理矢理その壁を突き抜けてしまうと、彼が本来は周りを大切にする人だと言うことがよくわかる。
ジントニックが届いた。
普通の瓶の物だ。
彼はそれをこれみよがしに一気に半分ほど飲んだ。
「……それは嫌味ですか?」
「わかってんなら、言うこと聞け。ガキが。」
そして彼は、こんな子供っぽい事をするような大人でもある。
それがおかしくて少し笑ってしまった。
「笑い事じゃねぇ。ああいう連中は平気で人を殺す……。自分ら以外はモノぐらいにしか思っちゃいねぇ……。」
少し酔いが回ったのか、彼はそう言った。
そして遠くを見つめる。
「ありがとうございます。」
「あ??」
「心配して下さるのはありがたいです。ですが、ここまでたどり着くのがどれだけ大変だったかもわかって下さい。」
「んなこたぁわかってる。こっちだってずっと調べてんだ。それをお前が一人で出し抜いたのが、どんだけの事かなんてのはわかってる。」
「でしたら……。」
「だが駄目だ。行かせねぇ。」
警察としての使命感なのか、彼は譲らない。
さすがの私もイラッとして彼を睨んだ。
彼は知りすぎてる。
話されたら今までの苦労が全て水の泡になる。
しばらくそうして睨み合った。
先に折れたのは彼だった。
あ~っと、また上を向いて辺な声を上げる。
他のテーブルの客がチラリとそれを見たが、面倒そうな顔をしてすぐに目を反らせた。
彼は残っていたジントニックをまた、一気に飲んだ。
そして言った。
「……刑事として言ってんじゃねぇ。俺個人の頼みだ。」
「?!」
その言葉に、私は飲んでいたビールを吹きそうになった。
警察としての正義感ではなく、彼の個人的な願いだと言った。
どういう事なのかわからず次の言葉を待つ。
「……お前、俺の息子と同い年だ。」
「え?ご家族が?」
資料では彼は独り身だったはずだ。
だが離婚して子供がいるのかもしれない。
そんなに珍しい事でもないので、私はビールを飲みながら話を聞いていた。
けれど、失言だったと後から気づいた。
彼は笑った。
情けない顔で笑った。
「死んでる。妻も息子も。」
彼は笑っていた。
でも泣いているのだと思った。
ズキッと胸が痛む。
「すみません。」
「いや、別に知らなくて当然だ。話してないんだからよ。」
いや違う。
私はドモヴォーイにもらった資料だけしか見ていない。
おそらくそれぐらいの事は少し調べればわかったはずだ。
なのに私はそれをしなかった。
普段なら、ドモヴォーイからの指示でも、自分でも調べてから動く。
けれど今回、自分の過去に近づくだろう事から、私は無自覚に混乱していた。
「……こういうんじゃねぇけど、変な組織に殺された。」
「!!」
「アイツらは簡単に殺す。」
「そう、ですね……。」
頭の中で、実験施設にいた時の事がフラッシュバックする。
そうだ、知ってる。
私は知っている。
彼らは、簡単に殺す。
自分たち以外は、実験動物だとしか思ってない……。
「はじめはお前なんか相手にする気はなかった。でも歳を聞いて突き放せなかった。なんかお前、平気で危ない事やりそうな顔してっし。……しかも芝居とはいえ「父さん」とか言いやがるしよ……。」
私は背筋からすっと体温が抜けていくのを感じた。
自分が軽々しく言った「父さん」という言葉を、彼がどんな気持ちで聞いていたんだろうと思う。
死んだ?
私と同い年の息子が?
いつ?
何かの組織によって殺された?
自分の身の上とも重なり、全身から血の気が引いた。
してはならない事をしてしまったと思った。
ドモヴォーイはわかっていて彼と私を会わせたのだろうか?
取っ付きにくい彼に、死んだ息子と同い年の自分をわざと宛てがったのだろうか?
彼が断れないように……。
「……おい?……おい!ジン!!」
「あ……すいません……。」
「大丈夫か?顔が真っ青だぞ?!」
「……大丈夫です……。」
そう言ったが、立っているのがやっとだった。
空きっ腹にアルコールを入れたのも良くなかった。
組織に殺されたという彼の息子。
私はもしかしたら、それを見ていたかもしれない。
いや、彼の息子と私の立場は、逆だった事も考えられる。
とりとめのない事が頭に回る。
手が小刻みに震えている。
それに気づいた彼は、サッとあのヨレヨレのジャケットを脱いで私の肩にかけた。
そして急いで会計を済ませる。
「大丈夫か?!体調が悪かったなら言えよ、馬鹿野郎?!」
「すみません……。」
「タクシー拾うから!一人で帰れるな?!」
「すみません……。」
私はずっと、すみませんと言っていた。
何に対してのすみませんなのかわからない。
それは途中からは祈りだった。
私は神に祈っていた。
助けて下さいと、祈っていた。
「……え?」
「着替えてくる。ちょっと待ってろ。」
彼はとそう言い残すと、錆びで崩れてきそうな鉄階段を登っていく。
こんなところに住んでいるのか?と思ったが、彼はそのまま屋上に登った。
どうやらここの屋上で浮浪者と「入れ替わって」いたようだ。
私は折り畳み傘をさして、その場で待っていた。
雨はほとんど止み小雨に戻っていた。
さっきの土砂降りは、本当にタイミングが良かった。
彼が「水を呼ぶ」というのもあながち嘘ではないのかもしれない。
そんな事を思い、少し笑ってしまう。
「待たせたな。」
「いえいえ。」
着替えては来たのだが、浮浪者の様な髭はそのままで、本人もそれは気にしているのか、フート付きの服を着ていて、頭からすっぽり被っていた。
「ん。」
「え?」
彼は何故か私に手を出してきた。
演技を頼んだから、報酬を要求されているのだろうか?
私は不思議に思いながら、数枚の紙幣を手に載せた。
その瞬間、彼が怒った。
「馬鹿!もう浮浪者役は終わりだっての!!ブツを寄越せ!!」
どうやら「ルサルカ」を渡せと言っているらしい。
浮浪者役は終わったけれど、ジャンキー役は終わっていないのだろうか?
不思議に思ったのが顔に出たのだろう。
彼が苛々しながら言った。
「あのな?!それが本物か調べる必要もあるだろうが!!」
「あ、なるほど。」
「しかもお前が持ってたんじゃ、しょっぴかれるぞ?!」
「そういえば、警察関係者でしたね。忘れてました。」
「……おい。」
冗談ではなく、それを忘れてしまう。
特にあの見事な浮浪者っぷりを見た後だと、すっかり抜けてしまっていた。
小さなジッパーに入った出すと、彼がそれを奪い取る。
「飲み過ぎないようにしてくださいよ。」
「……飲まねぇよ。」
思わずそう言うと、彼が心底、嫌そうな顔をした。
それが少しおかしい。
「次は再来週か?」
「いえ、再来週は一人で行きます。」
「……大丈夫か?」
その言葉に驚く。
彼と私はビジネスライクな繋がりだと思っていたからだ。
けれど小雨の降る中、フード越しに見えた彼の目は確かに私を心配していた。
その事に妙な不安感を覚えた。
「……大丈夫ですよ、「父さん」。」
「?!」
そう嫌味で言ったつもりだった。
でも言ってしまったら物凄く落ち着かない気分になった。
それは彼も同じだったのか、ボカっと私を殴った。
「俺は帰る!!」
そう言って不機嫌そうに大通りの方に消えて行った。
私はそれを何も言わず見送る。
傘を返しそびれたな、と思った。
あの時受け取った「ルサルカ」の結果が出た。
そう言って彼に呼び出されたのは、流行らない立ち飲みバーだった。
私がつくと彼はもうついていて、こちらに軽く手を上げた。
一番隅の、人気のないテーブル。
彼はすでに飲み始めていた。
「よ。」
「お疲れ様です。」
ガムを噛みながら面倒そうに注文を取りに来たウエイトレスに、同じものを頼む。
彼はどうでも良さそうに、瓶ビールを口にしていた。
「で?」
「本物だ。」
「それは良かった。」
「良くねぇ。」
「どうしてです?」
「……今まで見つかった物の中で、一番純度が高かった。」
「つまり、どこかで少し混ぜ物をして、かさ増しされた物じゃないって事ですね。」
「……お前、もうあそこには行くな。こっちで調べる。」
「ご冗談を。その情報から行けば、かなり大本に近づいているんです。そっちに介入されたら逃げられます。」
「駄目だ。その分、危険すぎる。手を引け、ジン。」
彼が私を睨んだ。
私はその視線から目を反らさなかった。
「え?注文、ビールよね?ジントニックだった?」
そこにさっきのウエイトレスがやってきた。
イヤホンをつけて音楽を聞いているらしく、こちらの会話を聞き間違えたようだ。
あってますよと私は笑って受け取る。
確かに名前を酒だと思われる事はよくある事なのだ。
けれど彼がすかさずジントニックを注文する。
「……わざとですか?」
「さぁな。」
ケッとばかりに彼はそう言うと、瓶に残っていた分を飲み干した。
私は自分のビールに口をつける。
何度か会ってわかったのは、彼が人を寄せ付けないように見えるのは見かけだけだ。
言葉も荒いし突慳貪としているので、取っ付きにくいといえば取っ付きにくい。
でも彼本人はそうじゃない。
一度、無理矢理その壁を突き抜けてしまうと、彼が本来は周りを大切にする人だと言うことがよくわかる。
ジントニックが届いた。
普通の瓶の物だ。
彼はそれをこれみよがしに一気に半分ほど飲んだ。
「……それは嫌味ですか?」
「わかってんなら、言うこと聞け。ガキが。」
そして彼は、こんな子供っぽい事をするような大人でもある。
それがおかしくて少し笑ってしまった。
「笑い事じゃねぇ。ああいう連中は平気で人を殺す……。自分ら以外はモノぐらいにしか思っちゃいねぇ……。」
少し酔いが回ったのか、彼はそう言った。
そして遠くを見つめる。
「ありがとうございます。」
「あ??」
「心配して下さるのはありがたいです。ですが、ここまでたどり着くのがどれだけ大変だったかもわかって下さい。」
「んなこたぁわかってる。こっちだってずっと調べてんだ。それをお前が一人で出し抜いたのが、どんだけの事かなんてのはわかってる。」
「でしたら……。」
「だが駄目だ。行かせねぇ。」
警察としての使命感なのか、彼は譲らない。
さすがの私もイラッとして彼を睨んだ。
彼は知りすぎてる。
話されたら今までの苦労が全て水の泡になる。
しばらくそうして睨み合った。
先に折れたのは彼だった。
あ~っと、また上を向いて辺な声を上げる。
他のテーブルの客がチラリとそれを見たが、面倒そうな顔をしてすぐに目を反らせた。
彼は残っていたジントニックをまた、一気に飲んだ。
そして言った。
「……刑事として言ってんじゃねぇ。俺個人の頼みだ。」
「?!」
その言葉に、私は飲んでいたビールを吹きそうになった。
警察としての正義感ではなく、彼の個人的な願いだと言った。
どういう事なのかわからず次の言葉を待つ。
「……お前、俺の息子と同い年だ。」
「え?ご家族が?」
資料では彼は独り身だったはずだ。
だが離婚して子供がいるのかもしれない。
そんなに珍しい事でもないので、私はビールを飲みながら話を聞いていた。
けれど、失言だったと後から気づいた。
彼は笑った。
情けない顔で笑った。
「死んでる。妻も息子も。」
彼は笑っていた。
でも泣いているのだと思った。
ズキッと胸が痛む。
「すみません。」
「いや、別に知らなくて当然だ。話してないんだからよ。」
いや違う。
私はドモヴォーイにもらった資料だけしか見ていない。
おそらくそれぐらいの事は少し調べればわかったはずだ。
なのに私はそれをしなかった。
普段なら、ドモヴォーイからの指示でも、自分でも調べてから動く。
けれど今回、自分の過去に近づくだろう事から、私は無自覚に混乱していた。
「……こういうんじゃねぇけど、変な組織に殺された。」
「!!」
「アイツらは簡単に殺す。」
「そう、ですね……。」
頭の中で、実験施設にいた時の事がフラッシュバックする。
そうだ、知ってる。
私は知っている。
彼らは、簡単に殺す。
自分たち以外は、実験動物だとしか思ってない……。
「はじめはお前なんか相手にする気はなかった。でも歳を聞いて突き放せなかった。なんかお前、平気で危ない事やりそうな顔してっし。……しかも芝居とはいえ「父さん」とか言いやがるしよ……。」
私は背筋からすっと体温が抜けていくのを感じた。
自分が軽々しく言った「父さん」という言葉を、彼がどんな気持ちで聞いていたんだろうと思う。
死んだ?
私と同い年の息子が?
いつ?
何かの組織によって殺された?
自分の身の上とも重なり、全身から血の気が引いた。
してはならない事をしてしまったと思った。
ドモヴォーイはわかっていて彼と私を会わせたのだろうか?
取っ付きにくい彼に、死んだ息子と同い年の自分をわざと宛てがったのだろうか?
彼が断れないように……。
「……おい?……おい!ジン!!」
「あ……すいません……。」
「大丈夫か?顔が真っ青だぞ?!」
「……大丈夫です……。」
そう言ったが、立っているのがやっとだった。
空きっ腹にアルコールを入れたのも良くなかった。
組織に殺されたという彼の息子。
私はもしかしたら、それを見ていたかもしれない。
いや、彼の息子と私の立場は、逆だった事も考えられる。
とりとめのない事が頭に回る。
手が小刻みに震えている。
それに気づいた彼は、サッとあのヨレヨレのジャケットを脱いで私の肩にかけた。
そして急いで会計を済ませる。
「大丈夫か?!体調が悪かったなら言えよ、馬鹿野郎?!」
「すみません……。」
「タクシー拾うから!一人で帰れるな?!」
「すみません……。」
私はずっと、すみませんと言っていた。
何に対してのすみませんなのかわからない。
それは途中からは祈りだった。
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