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ここへ来た理由
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「っわ⁈す、すみません」
「な、何してるんだ!」
魔王様とジークと呼ばれたあの騎士さん以外の人達が次々と部屋から出て行く。そして、最後の一人が部屋から出てドアがパタリと閉まるとほぼ同時にあの騎士さんが後ろからわたしを持ち上げ、左腕に座らせるように抱えた。
わたしは予期せぬ体勢の変化によろけてしまい騎士さんの服を掴んだ。
「このままだと怪我をする」
わたしを左腕に抱えた騎士さんはそう魔王様に答えつつ、わたしの足裏の汚れを何の抵抗もなく自分の服の端で拭う。
「わわっ、き、汚いです!や、やめ」
数歩とはいえ草原を踏みしめたわたしの足は当然土埃が付いていたはずで、案の定わたしの足を拭った騎士さんの服が汚れてしまっている。
「すまない。俺が急いたばっかりに」
「え?」
「痛いところはないか?」
「は、はい」
汚れを拭い終えると今度は足全体を撫でたり、揉んだりして、傷や痛めたところが無いか確認までしてくれる騎士さん。
「ん、大丈夫そうだな」
どうやら騎士さんはわたしを裸足のまま歩かせてしまった事を気にしてくれたらしい。
確かに、二人とも室内でも靴を履いてる。この世界は欧米スタイル?な生活様式なのかもしれない。建物もザ・ヨーロッパのお城って感じだし。
もしかして、出会った時からほぼずっと抱えて運んでくれていたのもわたしが怪我しないためだったのかな?抱え方はアレだったけど……。
だからこれも、この後部屋を移動する際に足を怪我しないように抱き抱えて運ぼうとしてくれてる、のかな?
「ジーク、お前……」
騎士さんは傷の確認が終わると、明らかに魔王様から引かれてるのに、それに動じることもなくわたしを抱えたまま歩き出した。
やっぱり!騎士さん良い人!
最初の広い部屋から、校長室みたいな部屋へと移動した。なんでも最初の部屋は謁見室で、移動して来たこの部屋は魔王様専用の執務室らしい。
部屋に入って右側に長椅子が向かい合うように置かれた机があり、その上には二人分のティーセットがすでに用意されていた。
これらを用意してくれたであろう人は仕事を終えるとすぐに退出したのか、部屋には誰も居ない。
壁側の席には魔王様が座り、騎士さんはわたしをその向かい側に降ろすと魔王様の斜め後ろに立つ。
「そんなに怯えなくていい、今のところお前をどうこうする気は無い」
「は、はい!ありがとうございます」
わたしはその場に立って深々と頭を下げる。
魔王様の言葉に恐怖心は和らいだが、「今のところ」という言葉に緊張が残る。
「いい座れ、これでは話しづらい」
魔王様は鬱陶しそうに再びわたしに座るように促した。
「は、はい、すみません」
魔王様はわたしが座るのを確認すると、紅茶を一口飲み一呼吸置いて本題に入る。
「俺はクシェル・グリック・ヴェルンシュタイン、魔族の王だ。で、こいつは」
「俺は近衛騎士団、団長ジーク・フォン・グランツ。先程は急いでいたとはいえ手荒な真似をしてすまなかった」
わたしをここまで連れてきた騎士さんは何と団長様だった!そしてその団長様はなんと、わたしに向かって頭を下げた。
「そ、そんな!こちらこそ助けてくれてありがとうございました」
わたしが頭を下げると、団長様は一瞬目を見開いた後、小さく微笑んだ。
やっぱりこの人、優しい人だったんだ!
夜あんなところにそのままいたら、わたしはのたれ死んでいただろう。だから、この人は強引にでもわたしをここに連れて来てくれたんだ!きっとそうだ!絶対良い人だ!
「ではまずお前の話から聞こうか」
詳しい話はわたしの話を聞いてからという事らしい。つまりわたしが信用できる人間か今から見極めるって事ですね!
「は、はい」
わたしは緊張の中、自分の事について話す。
椎名コハク18歳学生、父子家庭の一人っ子。学力も運動神経も人並みで、本当何も持たない無力な一般市民。
「なのに「ちょ、待っ!」
自己紹介も終わり、ここへ飛ばされた経緯を話そうとしたら魔王様が慌てて声をあげる。
何か変な事でも口走ってしまっただろうか。
嫌な緊張が走る。
「じゅ、18と聞こえた気がしたんだが…」
自分の耳を疑っている様子の魔王様。
その様子を見て、『あーそのことか』と緊張が溶ける。
「み、見えませんよね。わたし皆んなより体が小さくて、よく中学…14、5に間違えられるくらいで」
クラスで一番チビで(胸以外は)子供体系だったわたしはよく同級生の友達の妹だと間違えられたりしていた。自分のこの体型は若干コンプレックスだったりする。
思わず遠い目をしてしまう。
「は、8歳の間違いではないのか」
「まさか本当に大人だったとは…」
魔王様と団長様はわたしから目をそらしてボソリと呟いた。
魔王様はわたしがもっと下だと思っていたらしい。それは流石に下過ぎじゃ?と思ったけど、この世界の人は全体的に体が大きいみたいだしここではそう見えるのかもしれない。
「い、いえ。まだ大人では……」
「こちらの世界では成人は15からなのだが、そちらは違うのか?」
「え?はい。わたしのいた国では成人は18歳からです。けど、まだ学生なので……」
魔王様が「全体的に成長が遅いのか?」と手を口元に添えて考える仕草をする。
残念ながらわたしの身長は中1で止まっている。これ以上伸びることはない。
「ですが男性は18歳、女性は16歳で結婚は出来ますし、選挙権も18歳からあるので大人と言えないこともない、のか?」
まー社会的位置付けは曖昧だけど、体の成長は止まっているから、魔王様達が聞きたかった意味合いではーー大人だ。決して子供だから小さいわけでも、ぽっちゃりなわけでもない!
「そうか!」
「『センキョケン』は何かは分からないが…分かった」
団長様と魔王様は無理に自分を納得させているのか、強く頷いた。
その後わたしはここへ来た経緯を話し、それを信じてくれた二人は、この世界のことについて話してくれた。
まずこの世界には大きく、四つの大陸に分かれていて、それぞれ魔族、獣人族、竜人族、人族が治めている。
魔族と人族は仲が悪く、人族はたまに異世界から勇者を召喚し魔王を倒そうとして来る。その間隔は大体50年単位である。なぜなら50年に一度今日みたいに二つの月が真ん丸に輝く日があり、その日は世界全体の魔力が高まるかららしい。
それを警戒して見回りを行なっていた団長様が魔力も持たない不思議な人族の少女(わたし)を見つけ保護してくれたというわけだ。
「という事はわたしが聞いたあの声は召喚主の声という事ですか?わ、わたしやっぱり…勇者?」
わたしは言語理解という初歩的チートもなかったくらい本当になんの力もないし、仮にあったとしても人を倒すなんてこと出来るはずがない!
それに、もし本当に自分が勇者だったとしたら…
数十分前の殺気に満ちた光景を思い出し、体が震える。
「大丈夫だ。多分、お前は勇者ではない。この世界に来る異世界人には二種類あるのだが、お前はそのどちらにも当てはまらない」
魔王様曰く、異世界人には人族に召喚された者と神に導かれた者の2パターンあるらしい。
前者はもちろん勇者のことで、何かしらのチートを持ち、召喚主の元へ現れる。
後者は渡り人と言い、必ずしもチートを持っているわけではないが、元の世界で不幸な思いをしていた人達が選ばれるらしい。
わたしはチートも無いし、人族の元へ現れたわけじゃ無いから前者には全く当てはまらなかったけど、後者にも当てはまらなかった。
父子家庭の一人っ子で、友達も少なくて、一見寂し人間に思えるかもしれないけど、親バカなお父さんに愛情たっぷりに育ててもらったお陰で自分を不幸だとは思ったことはない。
それを伝えると「やはりか」と魔王様がわたしがどちらにも当てはまらない理由を教えてくれた。
両者に共通する点が三つある。
一つ、異世界人は皆召喚主又は神様と言葉を交わし、双方の同意の上でこちらの世界に飛ばされて来る。
二つ、異世界人は皆、人族ではあり得ないほどの魔力を有し、最初からこちらの言葉が話せる。
三つ、異世界人に今まで魔族の元へと飛ばされた者はいない。
わたしはそのどれにも当てはまらなかった。
じゃあ、あの声は一体誰の声だったの?わたしは何のためにこの世界へ飛ばされて来たの?大事な家族も夢もあったのにーー
「魔力を持たない者がいたとは…異世界人の魔力は世界を渡る際に与えられるものだったのか」
団長様は異世界人はもともと大きな魔力を持っているものだと思っていたらしい。
「魔力って、皆んな持ってるものなんですか?」
「植物や動物、命あるものは皆僅かながらも持っているものだ」
それはつまりーーわたしはこの世界では生き物とすら認識されない…てこと?
「か、帰れるんですよね?」
だってきっとわたしはこの世界には必要のない存在だ。しかし二人はわたしから目を逸らす。
「それは……」
「……異世界人が元の世界に帰ったという話は聞いたことがない」
団長様は言葉につまり、魔王様は目を伏せたまま残酷な事実を告げた。
そして、わたしは魔王様の答えに泣き崩れた。
「な、何してるんだ!」
魔王様とジークと呼ばれたあの騎士さん以外の人達が次々と部屋から出て行く。そして、最後の一人が部屋から出てドアがパタリと閉まるとほぼ同時にあの騎士さんが後ろからわたしを持ち上げ、左腕に座らせるように抱えた。
わたしは予期せぬ体勢の変化によろけてしまい騎士さんの服を掴んだ。
「このままだと怪我をする」
わたしを左腕に抱えた騎士さんはそう魔王様に答えつつ、わたしの足裏の汚れを何の抵抗もなく自分の服の端で拭う。
「わわっ、き、汚いです!や、やめ」
数歩とはいえ草原を踏みしめたわたしの足は当然土埃が付いていたはずで、案の定わたしの足を拭った騎士さんの服が汚れてしまっている。
「すまない。俺が急いたばっかりに」
「え?」
「痛いところはないか?」
「は、はい」
汚れを拭い終えると今度は足全体を撫でたり、揉んだりして、傷や痛めたところが無いか確認までしてくれる騎士さん。
「ん、大丈夫そうだな」
どうやら騎士さんはわたしを裸足のまま歩かせてしまった事を気にしてくれたらしい。
確かに、二人とも室内でも靴を履いてる。この世界は欧米スタイル?な生活様式なのかもしれない。建物もザ・ヨーロッパのお城って感じだし。
もしかして、出会った時からほぼずっと抱えて運んでくれていたのもわたしが怪我しないためだったのかな?抱え方はアレだったけど……。
だからこれも、この後部屋を移動する際に足を怪我しないように抱き抱えて運ぼうとしてくれてる、のかな?
「ジーク、お前……」
騎士さんは傷の確認が終わると、明らかに魔王様から引かれてるのに、それに動じることもなくわたしを抱えたまま歩き出した。
やっぱり!騎士さん良い人!
最初の広い部屋から、校長室みたいな部屋へと移動した。なんでも最初の部屋は謁見室で、移動して来たこの部屋は魔王様専用の執務室らしい。
部屋に入って右側に長椅子が向かい合うように置かれた机があり、その上には二人分のティーセットがすでに用意されていた。
これらを用意してくれたであろう人は仕事を終えるとすぐに退出したのか、部屋には誰も居ない。
壁側の席には魔王様が座り、騎士さんはわたしをその向かい側に降ろすと魔王様の斜め後ろに立つ。
「そんなに怯えなくていい、今のところお前をどうこうする気は無い」
「は、はい!ありがとうございます」
わたしはその場に立って深々と頭を下げる。
魔王様の言葉に恐怖心は和らいだが、「今のところ」という言葉に緊張が残る。
「いい座れ、これでは話しづらい」
魔王様は鬱陶しそうに再びわたしに座るように促した。
「は、はい、すみません」
魔王様はわたしが座るのを確認すると、紅茶を一口飲み一呼吸置いて本題に入る。
「俺はクシェル・グリック・ヴェルンシュタイン、魔族の王だ。で、こいつは」
「俺は近衛騎士団、団長ジーク・フォン・グランツ。先程は急いでいたとはいえ手荒な真似をしてすまなかった」
わたしをここまで連れてきた騎士さんは何と団長様だった!そしてその団長様はなんと、わたしに向かって頭を下げた。
「そ、そんな!こちらこそ助けてくれてありがとうございました」
わたしが頭を下げると、団長様は一瞬目を見開いた後、小さく微笑んだ。
やっぱりこの人、優しい人だったんだ!
夜あんなところにそのままいたら、わたしはのたれ死んでいただろう。だから、この人は強引にでもわたしをここに連れて来てくれたんだ!きっとそうだ!絶対良い人だ!
「ではまずお前の話から聞こうか」
詳しい話はわたしの話を聞いてからという事らしい。つまりわたしが信用できる人間か今から見極めるって事ですね!
「は、はい」
わたしは緊張の中、自分の事について話す。
椎名コハク18歳学生、父子家庭の一人っ子。学力も運動神経も人並みで、本当何も持たない無力な一般市民。
「なのに「ちょ、待っ!」
自己紹介も終わり、ここへ飛ばされた経緯を話そうとしたら魔王様が慌てて声をあげる。
何か変な事でも口走ってしまっただろうか。
嫌な緊張が走る。
「じゅ、18と聞こえた気がしたんだが…」
自分の耳を疑っている様子の魔王様。
その様子を見て、『あーそのことか』と緊張が溶ける。
「み、見えませんよね。わたし皆んなより体が小さくて、よく中学…14、5に間違えられるくらいで」
クラスで一番チビで(胸以外は)子供体系だったわたしはよく同級生の友達の妹だと間違えられたりしていた。自分のこの体型は若干コンプレックスだったりする。
思わず遠い目をしてしまう。
「は、8歳の間違いではないのか」
「まさか本当に大人だったとは…」
魔王様と団長様はわたしから目をそらしてボソリと呟いた。
魔王様はわたしがもっと下だと思っていたらしい。それは流石に下過ぎじゃ?と思ったけど、この世界の人は全体的に体が大きいみたいだしここではそう見えるのかもしれない。
「い、いえ。まだ大人では……」
「こちらの世界では成人は15からなのだが、そちらは違うのか?」
「え?はい。わたしのいた国では成人は18歳からです。けど、まだ学生なので……」
魔王様が「全体的に成長が遅いのか?」と手を口元に添えて考える仕草をする。
残念ながらわたしの身長は中1で止まっている。これ以上伸びることはない。
「ですが男性は18歳、女性は16歳で結婚は出来ますし、選挙権も18歳からあるので大人と言えないこともない、のか?」
まー社会的位置付けは曖昧だけど、体の成長は止まっているから、魔王様達が聞きたかった意味合いではーー大人だ。決して子供だから小さいわけでも、ぽっちゃりなわけでもない!
「そうか!」
「『センキョケン』は何かは分からないが…分かった」
団長様と魔王様は無理に自分を納得させているのか、強く頷いた。
その後わたしはここへ来た経緯を話し、それを信じてくれた二人は、この世界のことについて話してくれた。
まずこの世界には大きく、四つの大陸に分かれていて、それぞれ魔族、獣人族、竜人族、人族が治めている。
魔族と人族は仲が悪く、人族はたまに異世界から勇者を召喚し魔王を倒そうとして来る。その間隔は大体50年単位である。なぜなら50年に一度今日みたいに二つの月が真ん丸に輝く日があり、その日は世界全体の魔力が高まるかららしい。
それを警戒して見回りを行なっていた団長様が魔力も持たない不思議な人族の少女(わたし)を見つけ保護してくれたというわけだ。
「という事はわたしが聞いたあの声は召喚主の声という事ですか?わ、わたしやっぱり…勇者?」
わたしは言語理解という初歩的チートもなかったくらい本当になんの力もないし、仮にあったとしても人を倒すなんてこと出来るはずがない!
それに、もし本当に自分が勇者だったとしたら…
数十分前の殺気に満ちた光景を思い出し、体が震える。
「大丈夫だ。多分、お前は勇者ではない。この世界に来る異世界人には二種類あるのだが、お前はそのどちらにも当てはまらない」
魔王様曰く、異世界人には人族に召喚された者と神に導かれた者の2パターンあるらしい。
前者はもちろん勇者のことで、何かしらのチートを持ち、召喚主の元へ現れる。
後者は渡り人と言い、必ずしもチートを持っているわけではないが、元の世界で不幸な思いをしていた人達が選ばれるらしい。
わたしはチートも無いし、人族の元へ現れたわけじゃ無いから前者には全く当てはまらなかったけど、後者にも当てはまらなかった。
父子家庭の一人っ子で、友達も少なくて、一見寂し人間に思えるかもしれないけど、親バカなお父さんに愛情たっぷりに育ててもらったお陰で自分を不幸だとは思ったことはない。
それを伝えると「やはりか」と魔王様がわたしがどちらにも当てはまらない理由を教えてくれた。
両者に共通する点が三つある。
一つ、異世界人は皆召喚主又は神様と言葉を交わし、双方の同意の上でこちらの世界に飛ばされて来る。
二つ、異世界人は皆、人族ではあり得ないほどの魔力を有し、最初からこちらの言葉が話せる。
三つ、異世界人に今まで魔族の元へと飛ばされた者はいない。
わたしはそのどれにも当てはまらなかった。
じゃあ、あの声は一体誰の声だったの?わたしは何のためにこの世界へ飛ばされて来たの?大事な家族も夢もあったのにーー
「魔力を持たない者がいたとは…異世界人の魔力は世界を渡る際に与えられるものだったのか」
団長様は異世界人はもともと大きな魔力を持っているものだと思っていたらしい。
「魔力って、皆んな持ってるものなんですか?」
「植物や動物、命あるものは皆僅かながらも持っているものだ」
それはつまりーーわたしはこの世界では生き物とすら認識されない…てこと?
「か、帰れるんですよね?」
だってきっとわたしはこの世界には必要のない存在だ。しかし二人はわたしから目を逸らす。
「それは……」
「……異世界人が元の世界に帰ったという話は聞いたことがない」
団長様は言葉につまり、魔王様は目を伏せたまま残酷な事実を告げた。
そして、わたしは魔王様の答えに泣き崩れた。
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