婚約破棄されたので乙女ゲームに夢中になる婚約者を乙女ゲームに入れる儀式魔法ディスプレイニタタキツケールを行うと婚約者は動かなくなりました

 「クラリッチェ、お前のような馬鹿とは婚約破棄だ。絶対に許さない」
伯爵令息で家柄が良くて御両親がお金持ちという事以外何1つ良いところのない
婚約者カッリスト・パンカーロに婚約破棄を告げられました。
 出来損ない婚約者は伯爵令息としての仕事をまったくせず部屋に引きこもって乙女ゲームをしています。
殿方が何故そこまで乙女ゲームに夢中になっているのかと、出来損ないの部屋で"集めてフォンスフォンズ"を
やってみたのですが、それがポンコツの気に障ったようです。
 「お前、なんでセーブデータ消してるんだよ」
 「セーブデータ1つしか作れないんですものこのゲーム」
 「ゲームなんて10時間もあれば終わるでしょ、また1からやりなさいよ。
毎日20時間ゲームしてる貴方なら1日2回クリアできるでしょ」
 「いつの時代の話してるんだよ。フォンスフォンズは何万時間とかかるんだよ。
期間限定アイテムもあるし、もう今更戻しても遅いんだよ、この馬鹿」
 「はぁ、そんなに乙女ゲームが好きなら乙女ゲームの世界に入れてあげましょう」
 「えっ、そんな事ができるのか。頼む、フォンスフォンズの世界に入れてくれ」
 婚約者の顔をディスプレイに叩きつけます。ディスプレイが割れ、婚約者の額の肉が裂けます。
 ざまぁ(笑)顔中ディスプレイの破片が刺さり、ディスプレイに叩きつける度に顔中の肉が裂けています。
なんだか楽しくなってきました。
 「これがゲームの世界に入る儀式魔法"ディスプレイにタタキツケール"よ」
 「痛いけど、フォンスフォンズの世界に入れるならこれぐらい耐えてみせる」
 その根性を仕事や鍛錬に使えば、このぽんこつ中々やってくれるんじゃないでしょうか。
 ディスプレイは粉々になったので、破片の散らばった地面に叩きつけます。
 これを婚約者の魂が乙女ゲームの中に入り、体が動かなくなるまで続けます。
 簡単な儀式魔法です。
 婚約者は動かなくなりましたが、きっと魂は乙女ゲームの中に入ったのでしょう。
 あ、彼がなんで乙女ゲームに夢中になっているのかは分かりませんでした。
まぁどうでもいいですね。
これからは好きなだけ乙女ゲームをやれるのよ、よかったわね。
貴方の婚約破棄受け入れるわ。さようなら、カッリスト。
 貴方に1つだけ、嘘をついてたの。
私、儀式魔法なんて使えない。
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